世界大学ランキングでは振るわなかった日本勢。アジア内での評価はどうなのでしょうか。
世界大学ランキングを毎年発表しているタイムズ・ハイアー・エデュケーション（THE）は世界大学ランキングとは別に、アジア諸国24か国の大学を調査の対象としたアジア大学ランキングというものも毎年発表しています。
アジア大学ランキング2017年上位10校
1位 シンガポール国立大学（National University of Singapore）・シンガポール
2位 北京大学（Peking University）・中国
3位 清華大学（Tsinghua University）・中国
4位 南洋理工大学（Nanyang Technological University）・シンガポール
5位 香港大学（University of Hong Kong）・香港
6位 香港科技大学（Hong Kong University of Science and Technology）・香港
7位 東京大学（University of Tokyo）・日本
8位 韓国科学技術院（Korea Advanced Institute of Science and Technology）・韓国
9位 ソウル大学（Seoul National University）・韓国
10位 浦項工科大学校（Pohang University of Science and Technology）・韓国
（2017年3月発表分）
世界大学ランキングと同じように、教育の質・学習環境、国際性、論文引用数などの5つの基準をもとにランキングが構成されています。
ビジネスの中心地はアカデミックレベルも高評価
昨年1位だったシンガポール国立大学が今年も1位に。
東南アジアのビジネスの中心地として経済発展が著しいシンガポールは、大学の専攻でも理系やビジネスの学部の人気が高く、高い教育水準を保っています。中国文化も根付いているので、ビジネスで需要が高まっている中国語の習得にも良い環境なのです。そのうえ英語圏であるシンガポールには留学生が集まりやすく、国際性も高く評価されました。
香港のすべての大学がトップ100入り
香港は4年制の大学が6校しかなく、その6校すべてがアジア大学ランキングでトップ100入りしています。6校しかないため競争率がとても高く、熾烈な競争を勝ち抜いた優秀な学生が集まる傾向があります。
イギリスの植民地だった香港は英語が公用語。香港大学では授業がすべて英語で行われ、欧米からの教授陣や留学生も多く受け入れています。座学形式の授業が少なく、アウトプットを目的としたプレゼンやディスカッションが多いことも教育の面で優れているといえます。多様な人が多い香港で、多様な視点から学べる環境が評価されています。
気になる日本の大学は？
日本最高学府の東京大学は7位。東京大学は2013年の調査開始以来3年連続1位だったのですが昨年から残念ながら7位にランクダウン。続く京都大学は14位にランクインしました。論文被引用率や国際性でのスコアが伸びず、足を引っ張ってしまいました。とはいえ、トップ300校のうち日本の大学は69校ランクインし、アジア圏内では最も多くの大学がランク入りしました。
このランキングを作成したTHEのフィル・バティ氏は、他国の大学が年々評価基準のスコアを伸ばしていることが、日本の大学の順位が下がっている理由のひとつだと考察しています。そして日本は自国の大学の欠点を理解し改善しようとしている姿勢があるので、アジア全体がまた教育機関としてレベルアップするだろうと答えています。
将来性に期待が見込めるものの、現時点では英語圏のシンガポール、香港に遅れを取る日本の大学。
将来世界を相手に活躍したい学生ならば、在学中に国外での活動をしておくことは決して損になることはないでしょう。
地球の歩き方成功する留学はシンガポール、香港の名門大学とのコラボレーションによるインターンシップを毎年実施し、参加者から高い満足を得ています。経済発展著しく、また大学の国際性を高く評価される香港/シンガポールの大学生と共に企業から発せられる解決型プロジェクトに参加するものです。
文科省が民間企業と協力して実施しているトビタテ！留学JAPAN制度の世界トップレベル大学コースでは、ランキング上位の大学への留学が応募規定となっています。参照すべきは世界ランキングだけではなく、アジアのランキングも含まれます。トビタテ！留学JAPANを利用した大学留学を検討する学生は、各ランキングを参照してみてください。
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