カナダのアパート契約と注意点

気に入った物件なら借りたい意向を伝える

部屋を見せてもらい気に入ったら、借りたい意向を家主に伝えましょう。入居できるかどうかは早いもの勝ちの場合もあるし、家主が複数の希望者の中から入居者を選ぶ場合もあります。

アパートの契約：期限付きと期限なしがある

カナダで行うアパートの契約には、期限付契約と期限なし契約の2種類があります。期限付契約の場合には、6ヵ月（半年）契約、1年契約などがあり、期限内はそのアパートに住み続けることを約束します。契約途中で退去したい場合には、ペナルティ（契約破棄罰金）を支払う必要があり、額は契約期間中の家賃に相当することが多いです。また、自分の契約を引き継いでくれる人を見つければペナルティを払わなくてもいいことも。しかしこれは、契約や州の法律によって違うので確認を。契約が切れたあとは、再び期限付契約を結ぶ場合もあるし、それ以降は期限なし契約に変更できる場合もあります。

契約期間

カナダでのアパート契約期間は最低6ヵ月（半年）または1年のところが多いです。契約期間が短いとその分、家賃は割高になる傾向があります。

期限なし契約の場合

期限なし契約の場合には、住み続けなければならない期限は存在しません。しかし、決められた日数より前に家主に退去を申し出ることが必要。どのぐらい前に申し出なければならないかは、契約書に書いてあるほか、各州の賃借法にも規定があります。一般的なのは、1ヵ月前までの申し出。ただし、月の途中では意味がなく、月末までに告知して翌月の月末に退去することになります。

契約書はよく読み、理解する

部屋がまだ空いていて家主が入居を了承したならば、次は契約手続きを行ないます。契約書にサインすることで契約は締結します。稀に口頭での契約もありえるが、あとで「言った、言わない」の問題になりかねないので、契約書を取り交わすようにします。契約書は家主が用意するので、契約書をもらったらよく読み、不安なことはすべて確認しましょう。読むのに時間がかかるようなら、一度持ち帰り、契約書へのサインは別の日にしてもOK。契約書を隅から隅まで読むことに慣れていない日本人は多いですが、カナダは契約社会。いったん契約書にサインをすれば、「私はこれを理解して受け入れます」ということになります。知らなかった、では済まされません。英語が苦手だからと内容をよく読まずにサインするのは絶対に止めましょう。賃借法は各州によって異なるので、契約の前に自分の州の法律には事前にチェックをしてください。

保証人

アパートを契約するときに、保証人（Reference）を求められることがあります。保証人には通常、ホームステイ先、学校関係者、前に住んでいた家の家主などになってもらいます。保証人が必要といっても、保証人自身が書類へサインすることは稀。契約書の保証人の欄に、名前と連絡先を書いて提出すると、家主は賃借人がきちんとした人物かの確認をするために保証人に問い合わせします。保証人欄に記入する前に、本人への依頼も忘れずに。

サイン前にもう一度確認を

契約時には、これまで口頭で話をしてきたことをもう一度、契約書を読みながら確認します。例えば家賃やダメージデポジットの金額、契約期間、自己負担の光熱費は何が含まれるのか、退去の申し出はいつまでにしなければならないのか、契約の更新はできるのかなど、細かいことまで必ず確認してください。特に契約期間（最低契約期間が決まっている場合や、決まっていない場合）や修理が発生したときの費用負担を誰がするのかなど、今後の生活を左右する重要な項目はしっかりチェックをしましょう。

自分の必要とする家具が付いていなかった場合

家具付きのアパートは、必要な生活用具は揃っている場合がほとんどですが、勉強机がなかったり、ベッドが柔らかすぎたりした場合は、家主に一応相談してみましょう。家賃が高額な場合は品によっては揃えてくれますが、一般的には難しいことも。交渉するのはもちろん契約の前に。

契約時にダメージデポジットを確認

契約書を読み合わせ、納得できたなら、家主と賃借人両方でサインします。そして、契約書は両者が1部ずつ保管。場合によっても違いますが、契約時にダメージデポジット（日本でいう補償金・敷金のようなもの）を支払います。家賃は入居日までに1ヵ月分を支払います。支払いは小切手もしくは現金で。カナダでは、銀行振込は一般的ではありません。

一般的に家賃は月に1度支払う

家賃の支払いは、月に1度が一般的。月の末日までに翌月分を支払います。その末日が週末や祝日にかかるようならその前の平日までに支払うのが常識。支払い方法は、家主に指定される場合が多いです。現金で支払う場合は、支払いの受け取り証拠を必ず受け取ってください。現金支払いはあとからもめるケースもあるので、避けるのが無難。カナダで一般的なのは、チェック（小切手）支払い。銀行口座を開設するとき、チェックを使える口座にしておくことが必要です。

カナダでアパート探しをするチェックポイント

間取り、広さ	自分の生活に合った間取り、広さか
清潔さ、掃除は行き届いているか	自分が入る部屋だけでなく、共用部分（廊下、玄関ホールなど）がきれいかどうかで、家主の管理姿勢がわかる
洗濯機、乾燥機が付いているか	部屋の中にあるのか、建物内にあるのか、コイン式の場合料金はいくらか
学校からの距離	距離だけではなく、途中に危険な場所はないかなど
治安（昼間だけでなく夜も）	夜遅くなったときに、安全に帰れるか
近所の人の様子	周りにパーティハウスがあると、毎週末朝まで大騒ぎすることも
家賃、ダメージデポジットの額	しっかりと再確認すること
家賃には何が含まれるのか	光熱費が含まれる場合と別の場合がある
通信関係	ケーブルテレビや電話、Wifi、インターネットを引くことができるか（既存でない場合）

契約用語

Contract	契約
Tenant	賃借人
Landlord	家主
Responsibilities	責任
Property	物件/不動産
Inspection	検査
Move-in	入居
Move-out	退去
Rent	家賃
Damage Deposit/Security Deposit	保証金
1 Month Notice	1ヵ月前告知
Subletting	又貸し
Unauthorized Occupant	不法居住者
Termination	契約の終了
Object	反対する
Lease	契約期間
Periodic Tenancy	期限なし賃借契約
Fixed-term Tenancy	期限付賃借契約
Agreement	同意書