美しく碧きドナウのさざなみに乗ってウィーンからブダペストへ

    
大林 等

美しい自然の風景を目にすると、写真や写生などに写しとりたくなるものです。ヨーロッパ大陸の心臓部をゆっくり流れるドナウ川は、数多くの名画の画題になるばかりではなく音による風景画が残されました。ヨハン・シュトラウスの「美しく碧きドナウ」や、イヴァノヴィチの「ドナウ川のさざなみ」に耳を傾けると、瞼の奥に川の流れが映し出されるでしょう。

ヨーロッパでヴォルガ川に次ぐ長さを誇るドナウ川は、穏やかな流れの両岸に変化に富んだ光景が広がり旅情に溢れています。流れに沿って下れば10ケ国を巡ることができるのです。オーストリアのウィーンからは、ハンガリーのブダペストまでは、スロヴァキア経由の国際線が運航しています。

ドナウ汽船会社(DDSG Blue Danube Schiffahrt GmbH)が、3つの国を繋いでいるのです。ウィーンのの桟橋(Anlegestelle Marina)は、ウィーン地下鉄U1のフォルガルテン・シュトラッセ(Vorgartenstraße).駅から北東に徒歩約8分のドナウ運河に設けられています。

桟橋を出港した水中翼船は、運河を先ず閘門に向かいます。閘門はドナウ運河とドナウ川の水位を調整するために設けられた船のエレベーターです。船が閘門に入ると、前後の水門が閉じられ、2つの門に挟まれた水が抜かれます。これに従って船体は少しずつ高度を下げます。下流側の水位になると前の門が開き、ドナウ川に向かって前進します。狭い運河からドナウ川に入ると視界が開け開放感が感じられます。

ドナウ川に漕ぎ出した船は、川の流れに乗って南東の方向に向かいます。ウィーンの市街地、郊外を抜け、約1時間で小カルパティア山脈を下ります。

山間の景色が視界から消えると川幅は少し狭くなり、「ハンガリーの門」と呼ばれるエリアを通過することになります。程なく左岸に建物の4隅にとんがり帽子の塔が立つブラチスラヴァ城が見えます。

スロヴァキアの首都ブラチスラヴァを超えると川の流れは東に方向を変え、左岸はスロヴェニア、右岸はハンガリーです。国境線を約3時間進むと、ハンガリー王国建国の地エステルゴムです。ウラル山脈を起源としながらヨーロッパに移住したマジャル人が、キリスト教に改宗し王国の建設を宣言した都市です。イシュトヴァーン1世がローマ教皇から戴冠を受けた大聖堂も丘の上で風格を漲らせています。

エステルゴムを過ぎるとスロヴァキアの国土からはお別れです。急に川の流れは90度方向を変え南下することになります。ドナウ大曲ドナウベンドです。ウィーンからブダベストに向かう船路の中で、ドナウベンドが最も美しいエリアだと高く評価されています。

ヴィシェグラードの城砦、ヴァーツ、センテンドレの街並みを順に眺めながら1時間余り船旅を続けると、ブダペストの王宮の丘が視界に収まります。セーチェーニ鎖橋を潜るとクルージングが終わります。終着の桟橋はエルジェーベト橋と自由橋の間のペスト側にあり、ブダペスト観光スポットへのアクセスにも恵まれています。

【2016年5月10日〜9月30日の運航スケジュール】
<ウィーン → ブダペスト>
運行日:毎週水・金・日曜日
出発時間9:00,到着時間14:30
料金:EUR109

<ブダペスト → ウィーン>
運行日:毎週火・木・土曜日
出発時間9:00,到着時間15:30
料金:EUR99
(往復乗船の場合はEUR125)
詳細はドナウ汽船会社のホームページでご確認ください。
https://www.ddsg-blue-danube.at/

  

大林 等
メーカ勤務の出張とプライベート旅行で渡航した国の数は49になります。各国での 異文化体験は数知れません。カルチャーショックを起爆剤に、各国の歴史や文化に 深く切り込むスタンスを崩すことなく持ち続けています。観光情報から社会、習 慣、宗教、グルメ、アート、民族芸能まで、ジャンルの垣根を超えた海外での経験 を、各種の雑誌やWebサイトなどで発信し続けています。
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