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日本人留学生の気質の変化と他国留学生との相違に関する調査

2011年12月プレスリリース

目 的


本調査は、日本人留学生の気質の変化と他国留学生との相違を調査することを目的とした。


方 法


海外語学学校の渉外担当者はじめ学校従事者538人を調査対象とし、三項選択×2問、自由記述×1問、計3問の質問紙調査をインターネットを通じておこなった。
 調査対象  : 海外語学学校の渉外担当者など学校従事者538人
 調査内容  : 日本人留学生の気質の変化と他国留学生との相違について
 調査期間  : 平成23年10月17日(月)~10月31日(月)
 調査方法  : インターネットを介した質問紙調査
 回収結果  : 112人(対象538人 回収率20.8%)


結 果


以下の回答を得た。

表1


■<質問・三項選択> 現在の日本人留学生は、以前(10年前)の日本人留学生と比べて

表2
表3


■<質問・三項選択> 現在の日本人留学生は、他のアジア人留学生と比べて

表4
表5


■<質問・自由記述> 日本人留学生に期待する事は
(以下、回答全文の日本語訳)

「協調性・適応力」などに関する意見
・いろんな国の生徒さんとの適応力は以前に比べると良くなっているかと思う。
・ホストファミリーには以前からとても評判が良い。

「目的・目標」に関する意見
・目的、目標があいまいなまま留学する生徒が多くなり、スタート時点ですでに他の国籍の生徒と大きく差がある生徒が多くみられる傾向にある。
・将来のことを考えて、ちゃんと計画を立てて、留学を準備したほうが、やりがいのある、充実した成功的なものになると思う。
・授業料金を投資と考えて、目的意識がはっきりさせた学生が大体を占めている。
・もっと現実的に英語の上達やゴールにフォーカスしてほしい。
・特に若い世代はゴールがなくて、学ぼうとしないようにみえる。
・長期留学の学生は強い目的をもってカナダに来ている。
・渡航前にできる限りゴールに届くよう高い英語レベルと強い目的を持つべきだ。

「自己主張」に関する意見
・日本人学生は一般的に礼儀正しく、丁寧でもっとも良い。しかしながら自分の考えや意見を言わなかったり、本当の考えを隠しがちなのは国際的な環境の中では不利である。
・自分の考えを説明する時にもっと積極的に自己主張しようとすべきだ。シャイを乗り越えるようトライすべき。
・海外にいるのだからもっと自立して自信を持つことが必要。
・日本の学生は他国の学生を尊重するように思うが授業中は静かである。
・学生にもよるが、一般的に日本人学生は他のアジア学生と比べてシャイである。
・とても静かでシャイである。(特にヨーロピアンの学生、先生、スタッフに対して)レッスンでもっと自分の意見を持つべきだし、日本の教育システム(先生の話を聞くだけ、ノートをとるだけ)とニュージーランドのシステムとは違うことを理解すべきだ。
・もっと学ぶことに積極的に、もっと自己主張をし、もっとクラスで自信をもって。
・シャイにならないで。
・日本人学生はいつも良いマナーで礼儀正しく勤勉であるが、問題があった時などもっとはっきり言ってもらいたい。
・難しいとは思うが、もっと自信をもって積極的に質問に答えてほしい。それが他の学生にも有意義になる。
・難しいとはわかっているが、シャイにならないで、クラスでもっと発言して。
・うまくいってない時に話すことをためらうべきではない。滞在最後になる前に言ってほしい。
・とてもポジティブだけど、自己主張することが必要。
・帰国後にその問題や、都市や学校の不満など言われても、どうすることもできない。

「コミュニケーション力」に関する意見
・数年前と比べて日本人学生の英語力はアップしているが、コミュニケーション力は他国の学生と比べて低い。
・日本人と西洋人にはいつも文化のバリアがある。自分だけで多く考えるより、人とのコミュニケーションを通してどう違うのかを確認すべき。
・日本人学生は英語力も良くなり、言語を学ぶことに積極的だが、コミュニケーション力はまだ弱いので改善が必要。授業で積極性が足りない。

「積極的・活動的」に関する意見
・全般に日本人学生はとてもポジティブで勤勉である。
・日本人学生はもっと英語に対して自信を持つべきだと思う。多くがシャイで間違えるのを恐れている。
・すべてやってもらって当たり前という考えではなく、まずは挑戦をしてできたときの達成感と、挑戦をしてできなかったときにアドバイスを求めるという姿勢がほしい。
・スタッフやインストラクターに質問やヘルプすることを恥じないで。もし何か問題があっても何も話してくれなければ、こちらも何もできない。
・チャレンジを恐れないで、キャリアにフォーカスしたり違うオプションにもチャレンジして欲しい。
・もしできるなら、全く新しいチャレンジや学ぶこと、社会環境、前向きに受け入れてみて。積極的に質問をしたり思うことを話してみてほしい。
・話すことにシャイにならないで、間違えることを怖がらないで。
・クラス内でも他国籍の学生ともっと交流を続けていくべきだ。
・シャイにならないで、必要な時は質問して。
・あまりシャイにならないで。スタッフに相談してくれればヘルプするから。
・全体的にとても良い。勉強はきちんとする、参加する、他国学生と仲良くやっていく。しいていうならもっと外交的になってもいいと思う。
・日本人学生はホストファミリーや先生に対して他学生よりも一般的にとても礼儀正しく、思いやりがある。

「文化・環境」に関する意見
・違う文化を理解して、ポジティブになるべきだ。
・日本とまったく同じ生活スタイルを保ちたい生徒が多い。
・授業の中でももっとアクティブに、他の人を引っ張って、多国籍に混ざって(私たちの学校は日本人比率が少ないけど、それでも日本人同士でつるんでいる)、自分たちの文化を声にしてほしい。
・文化の点だけど、日本文化を知らない人にとって日本人の感情を理解するのはとても難しい。悲しいのか怒っているのか、どこかおかしいのか、理解していないだけなのか、私たちは推測するしかない。
・文化の違いのためか、日本人学生はヨーロッパ学生と比べて内向的。これを変えることはできないが、当校の多くの日本人学生は他国学生と良く溶け込んでいて、もっと自信がでてきている。

(以上、回答全文の日本語訳)



総 評


目的意識があり、周りと馴染むも、語学力とコミュニケーション能力はアジア隣国に及ばない

最近の日本人留学生は以前(10年前)の留学生と比較すると、目的意識があり積極的、活動的であるなど行動姿勢が改善され、語学力やコミュニケーション能力など全般的に能力も向上していることがうかがえる。また、クレームや相談が少なく自己中心的ではないが自己主張も少ないとの声が数多く寄せられている。

一方で他国アジア人留学生との相違においては、日本人留学生は目的意識があり周りと良く馴染むとの回答が多いものの、語学力、コミュニケーション能力は他のアジア人留学生にまだおよばぬと回答した学校関係者が多い結果となった。また、ホストファミリーの評判が良いことや周りの人と良く馴染む、気配りがあるなどの回答や自己中心的でないとの回答が多いなど日本人特有の協調性が目立つ結果となった。

これらより現在の日本人留学生は、以前に比べればそれまでの日本人留学生像であった「目標がない」「積極性が足りない」「社交的でない」という典型は薄れつつあり、「留学」に対する目的意識が比較的はっきりとしており、周りと良く馴染み、積極的、活動的である。しかし、語学力とコミュニケーション能力は以前と比べ向上するものの、いまだアジア隣国の留学生にはおよばず、合わせて自己主張が少ないと評価されているようである。