メキシコシティに住んでいた学生時代、長距離バスの旅はとても身近なものでした（東西南北、全ターミナル使ったことがあります）。今思えばそんな長距離よく乗れたな〜という半日がかりのバスの旅も、平気でやっていました。社会人の今ならそんな距離には迷わず飛行機を使いますが、数時間で着くような近郊の街へ行くときには、今でも長距離バスは便利な手段です。
先日、今住んでいる街・モンテレイのバスターミナルから、お隣の州コアウイラの州都・サルティージョに行く機会がありましたので、モンテレイのターミナルと車内の様子を紹介します。
メキシコ第三の都市であるモンテレイの街の規模は、日本で言うところの名古屋。バスターミナルはかなり巨大です。場所は街の中央、メトロ１号線と２号線の交差する、カウテモック駅（Cuauhtémoc）のすぐ西側にあります。メトロ１号線にはカウテモック駅の隣に、バスのマーク（各駅には、その駅を象徴するマークが付けられています）のセントラル駅（Central）があり紛らわしいのですが、バスターミナルの最寄り駅はカウテモック駅ですので、お気を付け下さい。
チケット購入カウンターは各社横並びになっているのですが、分かりづらいことに、時刻表や行き先を掲示している会社はほとんどありません。どこのカウンターも「どこまでですか？」の呼び込みが凄いので、呼びこまれるままに買わされる感じです。時間と金額を知りたかっただけなのに、どんどん購入手続きが進んでいく...ということになりかねませんので、席の種類や直行便など、こだわりたい条件があるようならどんどん主張してください！
購入時には、座席の指定と、名前の入力があります。日本人の名前は伝わりづらいので、キーボードを借りて自分で打った方が早いです。
上の写真は、乗車・降車ゾーンの丁度中央付近で撮ったものです。実際はこの倍の長さにずらっと大型バスが並ぶ姿は、圧巻！何しろ砂漠の中の街なので、大型バスの大群があげる土埃も、圧巻です。。。
チケットを買うと、この乗車・降車ゾーンに入っていくわけですが、これだけ乗り場があると自力でお目当てのバス乗り場にたどり着くのはなかなか大変。時間にルーズなメキシコですが、バスの発車時間はかなり正確なので（乗っていない人がいても、呼び出し等はありません。さっさと出発します。）、乗り場が分からない場合は手直にいるバス会社の人を捕まえて、教えてもらった方が良いです。自分の使うバス会社では無い他社のスタッフさんでも、親切に教えてくれますよ。
次に、モンテレイに着いた人向けの情報を。ターミナル内には有人の観光案内所がありますので、こちらで各種パンフレットを貰えます。日本のガイドブックにはあまり情報の載っていない街ですので、着いてすぐ情報収集できるのは心強いですね。
モンテレイは決して治安の悪い街では無いですし、流しのタクシーを拾っても大丈夫なエリアもあるのですが、残念ながらバスターミナル付近はそうではありません。このエリアは、ローカルでも、流しのタクシーが安全かそうでないかは、五分五分だそうです。バスターミナル内に専用のカウンターがありますので、タクシーが必要な場合は、こちらで申し込んでください。
バックパッカー的な旅をしている人は、宿泊費を浮かすためにバスで夜間の長距離移動をしている方もいると思います。ただ、少なくともモンテレイに関しては、夜間や早朝の出発・到着は避けることをお勧めします。モンテレイは砂漠の中の街なので、どこへ行くにしても、人気の無い荒野の中の一本道をひたすら走ることになります。強盗が出る可能性が十分に考えられるので、地元の人でも、夜間早朝の車移動はしません（昼間ならまず、大丈夫です）。
こちらはセンダ（SENDA）という会社の、モンテレイーサルティージョ間の二等バスの車内です。二等なので、個別モニター、ドリンクやお菓子のサービス、Wi-Fiはありません。前の画面で流れている映画は、イヤホンではなくスピーカーから直接音を流しているので、運悪くスピーカーの下の席にあたってしまうと、結構うるさいです。同じクラスのバスでも、座席数やトイレの有無等、車体によってスペックに差がありますので、運任せな部分はあります。
二等バスですと、直行便ではなく途中で何か所か経由することになりますので、そのタイミングでお菓子や飲み物の売り子さんが来てくれる場合もあります。バスの車内はとても乾燥するので、飲み物が買えるのはありがたいのですが、売り子さんやお客の乗り降りがある＝盗難等、良からぬ目的の人が出入りする機会も増えますので、十分注意してください。
座席の大きさは、身長167?、体重52kgの私で、これくらいのイメージです。左右は600mlのペットボトルが１本ずつ置けそうですが、前後は１本分の余裕もありません。モンテレイーサルティージョ間は直行便でも経由便でもほとんど時間の変わらない近距離なので我慢できますが（約２時間）、もっと長距離の移動はやはり、一等のバスで余裕を持ってしたいものです。
今回使ったバス会社・センダは、モンテレイ市内に17箇所もオフィスを持っていますし、ネット以外にOXXO（コンビニ、街じゅうにあります）やHEB（スーパーマーケット、これもあちこちにあります）でもチケットが購入できますので、モンテレイからのバス旅には、なかなか便利です。
日本では数の減りつつある長距離バスですが、メキシコにはまだまだ、バスでないと辿り着けない場所がたくさんあります。日本の五倍の国土を持つメキシコ、飛行機と長距離バスを上手に組み合わせて、行動範囲を広げてみてください。
【データ】
名称：センダ（SENDA）
URL：https://ticket.gruposenda.com/es/（スペイン語ページのみ）
Sayaka
初めてのメキシコは、一年間の語学留学で訪れたメキシコシティ。今は仕事の都合で、二度目のメキシコ生活を通称「美男美女の街」「肉の街」のモンテレイで送っています。（名前に偽りなく、確かに美男美女は多いし、肉は美味しいです！）旅先で欠かせないのは、スーパーマーケット巡り・絵葉書を書く・各地の公共交通機関に乗ること。まだまだ旅行情報の少ないメキシコ、自分が「あったら便利」と思う情報を、どんどん共有していきたいと思います。