アメリカ西海岸のサンフランシスコのベイ・エリアを訪れる機会があったら、ぜひ見てみたいのは、海鳥の生息地として知られるアルカトラズ島(Alcatraz Island)、ロマネスク様式の建築美を讃えるパレス・オブ・ファイン・アーツ(The Palace of Fine Arts)、ウォルト・ディズニー・ファミリー博物館(The Walt Disney Family Museum)。体験してみたいのは、大リーグ屈指の名門球団「サンフランシスコ・ジャイアンツ」誇るAT&Tパーク（AT&T Park)での野球観戦、セグウェイやレンタル・バイクでのシティ・ツアーなどなど数々あれど…。
今日は、カリフォルニア州でも壮大な立地を誇るゴールデン・ゲート国立レクリエーションエリア（GGNRA: Golden Gate National Recreation Area）のオーシャン・ビーチの崖に建つレストラン「クリフ・ハウス(Cliff House)」のロウアー・テラスの「カメラ・オブスクラ（Camera Obscura)」を探訪しにやって来ました。
1946年にフロイド・ジェニングズによって建てられたこのカメラ・オブスクラは、「ジャイアント・カメラ」と称されて地元の人々にも親しまれており、2001年には、アメリカ合衆国国家歴史登録財（National Register of Historic Places）として登録されました。
カメラ・オブスクラといえば、元来、写真術の発明上重要な役割を果たした光学装置ですが、ここの展示品や私が見せていただいた資料によると、ここで使われている装置の原型はレオナルド・ダ・ヴィンチがデザインしたという謂れがあるそうです。レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、15世紀の芸術家たちの間では、この装置を写生の際の道具として活用していたのでしょうか。
小さな建物の上部のキューポラ内に設置されたカメラが捉えた周囲のパノラマ風景が、暗室の中央に設置された回転パラボラ・スクリーンに映し出され、100メートルまでは全くブレのない状態で映し出されるというだけあって、なるほど、海岸線の映像はまるで映画のワンシーンを観ているかのような美しさで目の前に迫って来ます。
スクリーンに映し出される波や、海岸線を散策する人々や、空を飛び交う鳥たちの姿に見惚れてすっかり「円形劇場」の世界に入り込んでしまい、暗室のドアを開けて入ってきた担当者の方の声で、ようやく我に返りました。多分時間にすると5分程度だったとは思いますが、短い映画を観ているような錯覚に陥っていました。
次回は、ぜひ晴れの日の海岸線を見て来たいと思っていますが、皆様も、サンフランシスコの西端を訪れる機会がありましたら、ぜひ、オーシャン・ビーチの秘密の隠れ家のような「カメラ・オブスクラ」にお立ち寄りください。
そして、その不思議空間の中で、円形スクリーンに映し出される、空や海や陸の織り成す風景の美しさを、心行くまでエンジョイしてみてくださいね！
【データ】
カメラ・オブスクラ(CAMERA OBSCURA)
住所：1096 Point Lobos Ave, San Francisco, CA 94121
Tel：415-750-0415
URL：http://www.giantcamera.com/
入場料：大人3ドル、子ども2ドル
URL：https://www.cliffhouse.com/history/camera_obscura.html
URL：http://www.nps.gov/nr/
URL：http://focus.nps.gov/pdfhost/docs/NRHP/Text/01000522.pdf
クリフ・ハウス(Cliff House)
住所： 1090 Point Lobos ・ San Francisco, CA 94121
Tel：415-386-3330 ・
ファックス： 415-387-7837
URL：https://www.cliffhouse.com/home/index.html
URL：https://www.cliffhouse.com/home/index.html
アクセス：ミュニメトロ、Ｎラインの終点Ocean Beachから徒歩で約30分
ミュニメトロ（Muni Metro）
URL：https://www.sfmta.com/
URL：https://www.sfmta.com/maps/muni-metro-map
舞林鳥 恵
80年代後半から日米間を往復する暮らしを始め、現在DCから小一時間の田舎町で夫とのふたり暮らしを満喫しています。カントリーライフの醍醐味をHappyNest in Americaにて配信中。ワシントンDC周辺の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けします。
