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オランダのミシュランスターシェフ、クリス・ネイラー氏来星!

    
仲山 今日子
仲山 今日子
工夫を凝らしたこのイベント限定のメニューが登場する

毎月ミシュランの星付きレストランからシェフがやってきて、シンガポールの地元のシェフとコラボレーションするというイベント、ワンハンドレッドグルメ($100 Gourmet)。シティーバンクカードの使用時、という条件がつくものの、スターシェフの料理がS$100でランチなら2人分、ディナーで1人分というのは、物価の高いシンガポールではかなりお得な価格設定です。(他カード使用時はS$180)
2月は、オランダから、ミシュラン一ツ星レストラン、レストラン・ヴェルメール(Restaurant Vermeer)から、クリス・ネイラー(Chris Naylor)シェフがやってきています。

自らの母国であるイギリスで、フランス料理のゴッドファーザーとも呼ばれている、アルバート・ルー(Albert Roux)氏の薫陶を受けたクリスシェフは、北ヨーロッパの文化のバックボーンをしっかり持った料理を作りたいと常々考えているそう。レストラン・ヴァルマーでは、料理の主役は野菜。メインディッシュに200グラムほどの肉や魚を取り入れるという、ヘルシーな料理を生み出しています。その野菜も、8割はお店から10キロメートル圏内にある、契約農場から。30年前には、アムステルダム近郊に約500軒あったという農家が、今は3軒のみになっているという現実に目を向け、地元の農業を守りたいという思いがあるのだとか。「例えば、シャンパンルバーブという品種の地元のルバーブがある。しかし、育てるのが難しいことから、育てる農家が徐々に減ってしまっている。若者の農業離れも深刻。これでは、在来品種がなくなってしまい、また、大切な食の文化が失われることになってしまう」と、警鐘を鳴らしています。肉も魚も、オランダまたは北ヨーロッパのものを使い、生産者の顔が見える料理を提供しているのだとか。

これまで、アフリカや南米など、様々な国を旅したクリスシェフですが、初めてのアジアだというシンガポール。「『アジア』という言葉からイメージする雰囲気より、シンガポールは都会で、とても清潔だね。市場にも行って、オランダでは冷凍でしか手に入らないカフィライム(こぶみかんの葉)やカレーリーフなどの東南アジアのハーブ、そして新鮮な生姜が手に入ることに感動したよ」と話します。以前インドネシアの宗主国だったオランダでは、実はサンバルチリは意外と簡単に手に入るのだとか。「ただ、シンガポールで食べるサンバルチリの方が甘みがあって、エビの香りが豊かだね。今回シンガポールで材料を買って、自分の店に戻ったらオリジナルのサンバルチリを作ろうかとも考えているよ」とのこと。
日本の味噌やみりん、日本酒、生わさび(今はイギリスで生産されているのだとか!)など、これまで旅したアフリカや南米も含め、世界中の調味料を使うそうですが、提供するのはあくまでも自らが生まれ育ったイギリス、料理を学んだフランス、そしてレストランのあるオランダなど、北ヨーロッパの料理なのだとか。

シンガポールで様々なローカルフードを試したというクリスシェフ。シリアルプラウン(シリアルの衣をまとったエビの揚げ物)や、ペッパークラブ(チリクラブの黒胡椒版)、ラクサ(唐辛子の効いたココナッツスープの麺)が特に気に入ったよ。でも、気になったのが、どのホーカーセンター(屋台村)でも、店で食べているのはお年寄りが中心。ホーカーを継ぐ人もいないと聞くのが心配だね。そして、ファーストフードチェーンは若者たちでいっぱいだ。アジアで起きている食の欧米化を目の当たりにした気がする。これでは、自分たちの食文化を受け継ぐ人がいなくなってしまうよね、と話します。そんな「土地に根差した料理」生み出しているクリスシェフの作るアミューズは、シンガポールらしさあふれる中華野菜のパクチョイ(チンゲン菜)と、フレッシュなカフィライムとカレーリーフを使った一皿。

野菜本来の甘みを楽しめ、シンガポールらしさあふれる一皿

しゃきしゃきして甘い生のパクチョイに、カフィライムとカレーリーフの香る、クリーミーなソース。上には、カリカリのライスパフが乗って、食感のアクセントになっています。クリスシェフが、シンガポールを訪れて感じた新鮮な驚きがそのまま
表現されているような一品。

「味を足しすぎないで、時には引き算する感覚も必要」という

続いて、一皿目はレストラン・アンバー(Restaurant Ember)のスフィアン・ザイン(Sufian Zain)シェフとのコラボレーション。カルパッチョ・オブ・ペトゥーナ・オーシャン・トラウト・アンド・オイスター(Carpacchio of Petuna Ocean Trout & Oyster)脂の乗ったオーシャントラウトは、塩気は控えめ。軽くシロップで煮たレモンの甘み、添えられたスコットランド産の新鮮な牡蠣の塩気でいただきます。添えられたアボカド・ソースが全体をマイルドにまとめます。「素材が本当によかったら、余計なものを足す必要はないんだ。素材が一番おいしくなるように、少しだけプロとしてのアレンジを加える、それがいいと思っているんだ」というクリスシェフ。有名な和食のフュージョンレストラン、イギーズ(Iggy's)、ワクギン(WakuGhin)で修行を積んだスフィアンシェフのコンセプトとも重なります。

おなじみの食材が意外な変身を遂げる

二皿目は、スフィアンシェフのスペシャリテ、サクラエビ・カッペリーニ(Sakura Ebi Capellini)和の食材にも精通しているスフィアンシェフならではの一皿。サクラエビの甘みに、濃厚なガーリックの香りと塩昆布のうまみが生きています。天使の髪の毛(エンジェルヘア)とも呼ばれる、カッペリーニパスタが、繊細な食感を加えています。

とてもヘルシーな、お米を使わない野菜のリゾット

三皿目は、再びクリスシェフとスフィアンシェフのコラボレーション。コールラビ・リゾット(Kohlrabi 'Risotto')。コールラビは、緑のカブのような野菜です。リゾットというメニュー名を聞いて、お米のリゾットかと思いきや、なんとコールラビーを細かく刻み、エノキ茸とともに、リゾットのようにスープで煮こんでいます。クリアなスープは、トマトから取った野菜の出汁。そして、表面にはシャキシャキしたコールラビのスライスがローズマリーと共に添えられていて、新鮮な香りと食感のアクセントになっています。「野菜が主役の料理」というクリスシェフの言葉がよくわかります。そして、一番上にはアラスカ産のキング・クラブの身を天ぷら仕立てにしたものが載っています。カリカリの表面の衣が、スープと混ざるとふんわりと溶け、カニの身の甘みと香りが広がります。

和風の出汁が隠し味に

四皿目はクリスシェフによる魚のメインディッシュ、ベイクド・ソール・フィレ(Baked Sole Fillet)。クリスシェフがもう一つ大切にしているのは、季節感。「オランダの冬は、6〜7時間しか太陽が出ない。だから、野菜類も根菜が中心になる。でも、ビーツも人参も、冬が一番色が鮮やかで、そして甘いんだ。今回は、2月ということで、そんなヨーロッパの冬を思わせる野菜を使ったよ」と話します。
程よい火入れで優しい食感のヒラメ、そして人参で取った自然な甘みの出汁。実は、この出汁には、鰹節と昆布の出汁が使われているのだとか。
「日本の伝統的な出汁の取り方よりも、更に軽く出しているので、本当にわからない位なのだけれど、繊細なうまみを加えたいと思って入れている。僕が表現したいのは、バターやクリームを控えた、ピュアな味わいなんだ。」とのこと、納得です。そして、人参のピュレには、シンガポールで発見したフレッシュな生姜のアクセント。出汁に混ぜられたオリーブオイルが、若々しい緑の香りをプラスしています。ディルとチャービル、甘い香りのハーブも添えられ、冬の甘みが感じられる一皿になっています。

じっくりと煮こまれた肉のうまみを楽しめる

五皿目は、スフィアンシェフの肉のメインディッシュ、スロークックド・ショートリブ(Slow Cooked Short Ribs)こちらもスフィアンシェフのシグネチャー。じっくりと低温調理した後、表面を香ばしく焼き上げています。甘くキャラメリゼしたオニオンのピュレと、赤ワインの完璧なペアリングのソースを添えて。グリルした香ばしさを残しつつ、内側が箸で切れそうなほど柔らかいという質感の対比が見事です。

塩とアニスシード、フェンネルシードの衣をつけて焼き上げた洋梨

六皿目のデザートは、クリスシェフの一皿。なんと塩の衣をまとわせてオーブンで焼いた洋梨が登場。ソルト・ベイクド・ペア・アンド・フランジパニ(Salt Baked Pear & Frangipani)オランダとかかわりの深いインドネシアなどにも自生する、フランジパニ(プルメリアの花)をイメージしたデザートです。

デザートも、甘いだけでなく味のバランスが必要、とクリスシェフ

薄切りの洋梨のチップス、赤ワインで煮た洋梨、小さなフィナンシェのような生地のケーキの中には、ナッツとドライフルーツがぎっしり。ベルギー産のトラピストビールのソルベに、この塩味の洋梨が添えられています。ビールのほのかな苦みと、ビールの炭酸の刺激、塩味の洋梨が引き締め、おなかがいっぱいでも食べられる、甘すぎない一皿に仕上がっています。「デザートだって、甘いだけではなく、料理と同じように味のバランスが大切だと僕は思っている。だから、塩気や苦みも加えて、バランスの良い一皿に仕上げたつもりだよ」

地元の食文化を大切にしたい、と語るクリスシェフと

世界中から集めた調味料などでアレンジを加えつつ、大切にしているのは、自らのバックグラウンドである土地の固有の文化が生きた料理。そんなクリスシェフの料理は、以下の日程で楽しめます。公式ウェブサイトからチケットを購入する形で参加が可能です。

【データ】
イベント名:$100 Gourmet(ワンハンドレッドグルメ)
公式ウェブサイト:http://100gourmet.sg
レストラン・アンバー(Restaurant Ember、2月24日〜27日)
住所:50 Keong Saik Road, Singapore, 089154
Tel:+65-6347-1928
URL: http://restaurantember.com.sg/

  
仲山 今日子

仲山 今日子
元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

    

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