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シチリアの食文化をご紹介します!

    
Babilonia
Babilonia
歴史あるシチリアの食
3000年の歴史があるシチリアの食文化

今回は3000年の歴史があるシチリアの食文化についてご紹介します。シチリアは海に囲まれ、標高3000m級の火山エトナ山がそびえ、四季があり、新鮮な海の幸、山の幸に恵まれています。地理的に東にバルカン半島、北にイタリア本土、南にアフリカという地中海の十字路に位置し、かつてフェニキア人、ギリシャ人、ローマ人、アラブ人、ノルマン人、フランス人、スペイン人など東、西、北のいたるところから多くの征服者たちに支配され、それぞれの征服者たちの文化を取り入れ、融合させ、独自の食文化が育まれました。

まずは、シチリアの食に関する歴史についてご紹介したいと思います。
シチリア最古の人類の歴史が始まる新石器時代から始まるシチリア食文化の歴史は長く、当時この地に自生していたトゥンミニーナと呼ばれる野生の穀類のおかげで、この時期にシチリアでパンが作られ、蜂蜜とリコッタチーズを使ったシチリア最初のお菓子が既に生まれ、紀元前1200年ごろは、イタリア半島から来たシクリ人によってチーズや塩、毛糸や黒曜石などの物々交換が既に行われていました。

紀元前730年代の古代ギリシャ時代には、ギリシャからイオニア人、コリント人がシチリアにやってきてオリーブや小麦の新しい栽培方法、ワイン造りの技術等をもたらしました。ギリシャ人たちのシチリア侵略の主目的は、痩せたギリシャの土地では実りにくい穀物などの栽培でした。それまで穀類はパンを作るだけだったシチリアでしたが、この時代にひよこ豆、ソラ豆、レンズ豆のスープ等の料理が生まれたそうです。

紀元前600年国外追放され、ギリシャの食品貿易に従事するようになりシチリアにもやってきた詩人サッフォーは、穀類、フルーツ、野菜、チーズ、甲殻類、魚、オリーブ、ワインなどをベースにした料理を生み出すシチリア料理人のレベルの高さを称賛しています。サッフォーの指摘しているシチリア料理は、現在、地中海料理と呼ばれる料理です。哲学者プラトンもアーモンドと蜂蜜を使ったお菓子やシチリア料理を称賛し、シチリアの洗練されたこの時代の食文化はギリシャのみならず周辺の異民族にも名を馳せました。

シチリアの食文化を紹介
シチリア食文化

紀元前200年代に古代ローマ人がシチリアを支配すると、巨大な穀倉地としてシチリアを開拓し、ローマ貴族たちはシチリア出身の料理人を使ったと言われています。政治家・哲学家キケロもシチリア料理を称賛、エジプト女王クレオパトラはシチリア人の料理人に相手を恋に落とす料理を考案させ、シーザーやアントニウスの心を射止めたとも伝えられています。この時期に、いかの詰めもの、魚のフライ、ショーなどの途中に食べるフリットやパン類などのストリートフードが生まれ、野菜の詰め物をしたピザのようなパン、チーズ、アンチョビー、ペコリーノチーズなども食べられるようになりました。上記写真の世界遺産、古代ローマ時代の邸宅ピアッツァアルメリーナのモザイクに、漁師の様子が見られます。

535年にビザンチン人がシチリアにやってきてゴート族を追い出し、シチリア貴族たちの間に贅沢な東方宮廷文化が広まり、今日シチリアの肉料理やデザートで良く使われるクローブやシナモンなどが伝わりました。
925年からアラブ時代には芸術や農業に新しい技術がシチリアにもたらされ、特に料理はアラブ人がシチリア食文化の革新に貢献し、マグロ漁法や、柑橘類、桃、杏などの果物、米、サトウキビ、綿、ピスタチオ、アスパラガス、なす、ジャスミンなどの新しい食材がアラブ人によって持ち込まれ、乾燥パスタが作られるようになりました。アラブ時代にはお菓子も発展し、以前ご紹介したカッサータ、蜂蜜とゴマやアーモンドからつくられるヌガー、シャーベット、ジェラート、乾燥フルーツや砂糖菓子などは、この時代にもたらされました。

歴史背景が奥深いシチリアの食文化
グローバルな歴史背景を持つシチリアの食材

1063年、アラブ人に圧勝しシチリアを掌握した海の民ノルマン人によって、串焼き、燻製ニシン、乾燥ダラなどがもたらされました。ロースト料理も生まれ、1250年からのフランス人支配のアンジュー家の時代は、フランス風にロールとも呼ばれるファルソマグロ(ミートローフ)が普及し、庶民の間ではフリットや野菜とともに食され、貴族の間では仔牛などの高価な肉の詰め物料理などが普及。1440年から1713年にスペイン支配下にあったシチリアには、大航海時代を経て、アメリカからトマト、カカオ、トウモロコシ、唐辛子、ポテト、いんげん豆、七面鳥、ピーマンなどが伝わりました。

DOPとIGP
品質保証表示D.O.P とI.G.P

EUで定めた食材の品質保証の表示にD.O.P、I.G.Pいうものがあります。
D.O.P(Denominazione di Origine Protetta 保護指定原産地表示)
I.G.P (Indicazione Geografica Protetta 保護指定地域表示)
D.O.PとはDenominazione di Origine Protettaといい、肉・魚・チーズ・ワインなどの特定の特産品を保護するために、EU全体で定められたご当地品保護規則の中で最高ランクです。産地・素材・製法等が全て定められた規則に則って実施されている特産品に対してD.O.Pのマークが与えられ、Prosciutto di Parma / パルマハムなど頭にパルマとご当地名を付けて販売することが認められています。

IGP(Indicazione Geografica Protetta)は、D.O.Pは生産から加工まで「全て」決められた場所で決められた通りにやらなければなりませんが、I.G.Pはそのうち「1工程だけ」を決められた場所で決められた通りにやればOKというもの。そのためD.O.Pより多くのものにI.G.Pマークが与えられています。

シチリアの果物と野菜
シチリアの野菜と果物

シチリアの野菜や果物は、他の州にはない強い個性をもっています。ではここからはシチリアの食材を保護指定表示の食材を中心に、ご紹介していきたいと思います。

シチリアのトマト
シチリアの太陽を浴びたトマト

水分が少ない上糖度が高く、果実のような食感が人気のミニトマト、ポモドーロ・ディ・パキーノ (Pomodoro di Pachino)がI.G.P食品。

シチリアのピスタチオ
エトナ山のピスタチオ

エトナ山の麓で収穫されるピスタチオ ピスタッキオ・ヴェルデ・ディ・ブロンテ(Pistacchio verde di Bronte)もD.O.Pのついた食品。艶のある緑色で、豊かな脂肪分と強い香りが特徴。

スローフードのルール
スローフードの保護表示を獲得している食材

その他、スローフードの保護表示を得ているのが、ヌビア(Nubia)の赤ニンニク、ジャッラターナ(Giarratana)のたまねぎ、レオンフォルテ(Leonforte)のそらまめ、ヴィッラバ(Villalba)のレンズ豆、メッシーナ(Messina)やシラクーサの(Siracusa)、メンフィ(Menfi)のアーティチョーク、ビリチとポリッツィの(Bilìci , Polizzi)のインゲン豆、ウスティカ(Ustica)のレンズマメなど。

ブラッドオレンジ
特撰食品のブラッドオレンジ

シチリア東部原産のブラッドオレンジ(Arance rosse)は I.G.Pに指定されている特選食品。生産地域の特異な気候、土壌により独特の性質が生まれ同じ品種を違うところで栽培してもシチリアブラッドオレンジと同品質のものはできません。シチリアブラッドオレンジはタロッコ(Tarocco)、モーロ(Molo)、サングイネッロ(Sanguinello)の3つの種類があり、水分が約87%と大変ジューシーで、脂質、タンパク質が少なく、ミネラル、特にビタミンC、A、B1、B2が豊富です。

特別なぶどう
ブドウも特別!

アグリジェント付近で栽培される肉厚のブドウ ウーヴァ・ダ・ターヴォラ・ディ・カニカッティ Uva da tavola di CanicattiはI.G.P食品。

サボテンを食べる
食べられるサボテン

エトナ産サボテンの実(Fico d'India dell'Etna)は D.O.Pに指定されており、果汁たっぷりの甘い果肉は生でも食べられる他、モスタルダ、菓子類、グラニータ、ジェラート、リキュールなどに利用されるビワとスイカを足したような味。

オリーブオイル
オリーブオイルも有名です

シチリアは夏暑く、降雨量の少ない地中海性気候のおかげでオリーブがよく育ち、モンテ・イブレイ(Monte Iblei)、ヴァッリ・トラパネージ (Valli Trapanesi)、ヴァッレ・デル・ベリーチェ (Valle del Belice)、 ヴァル・ディ・マツァラ (Val di Mazara)、モンテ・エトナ (Monte Etna)、ヴァルデモンテ (Valdemonte)の6種類のエクストラヴァージン・オリーブオイルがDOP食品に指定されています。

オリーブの実
オリーブの実もおいしい!

オリーブの実自体も食用としてすぐれ、実の大きいことで知られるオリーブ ノチェッラーラ・デル・ベリーチェ (Nocellara del Belice)もD.O.P食品。 イタリア全州のうちでオリーブの実がD.O.P指定をうけているのは、シチリア州とプーリア州のみ。

シチリアのハーブ
シチリア料理にかかせないハーブ

シチリア料理で重要な役割を果たしているのがハーブ。家庭でも、バジル、パセリ、ローズマリー、ミント、ぺペロンチーノなどを育てています。また野生のオレガノやバジルや、料理をさっぱりさせる効果があるケッパーもシチリアの名産で、シチリアの南に浮かぶ小島パンテッレリアで収穫されるカッペロ・ディ・パンテッレリア (Cappero di Pantelleria)はI.G.P食品。ハーブは地中海性のものが多く、土地柄良く育ち、特にシチリアではワイルドフェンネル、ネピテッラ、ローズマリーなど強い芳香のハーブが他のよりもたくさん自生しています。月桂樹の葉は P.A.T(Prodotto agroalimentare tradizionale、伝統農業食品)、サフランもアラブ時代に伝わった料理に重要な食材です。

シチリア産の塩
シチリア トラバーニの塩

トラーパニの塩は、海水をレンガで囲い込み、塩田(salineサリーネ)に引き込んで太陽と風の力を利用して塩を結晶化させる、古代から伝わる単純な製法で今も変わらず作られているミネラル分が豊富な天然塩で、世界中から愛されています。
2000年ほど前、この地にやってきた地中海のフェニュキア人達は、この辺りの海水の塩度が高く、ヨードを始めとしたミネラル分をたくさん含み、太陽の光が強く1年中風が吹いていることから、この地を塩作りの理想の地として塩作りをはじめました。

羊のミルクのチーズ
シチリアのチーズ

酪農の盛んなシチリアを代表する乳製品といえば、 D.O.P食品で絶品の味わいの羊の乳から作るチーズ ペコリーノ・シチリアーノ (Pecorino siciliano)です。 また島の南端、ラグーザやシラクーサが特産の伝統的にはモーディカ牛の牛乳でつくられる塩気の強いフォルマッジョ・ラグザーノ (Formaggio Ragusano)もD.O.P食品で、すって使われる。カチョカヴァッロシチリア―ノも伝統的で人気のあるチーズ。ヤギのチーズもギリシャ時代の詩人ホメロスのころから知られています。
それからシチリアの食を語る上で欠かせないのがリコッタチーズ。6月のシチリアお菓子の記事の時にも登場しましたが、お菓子以外にもパスタ料理などで使われています。

シチリアの魚
シチリアの新鮮な魚

海に囲まれたシチリアでは新鮮な魚が豊富で。シチリア料理では前菜、第一の皿(primo piatto) 第二の皿(secondo piatto)すべての料理において活躍します。
マグロ、カジキマグロ、イワシ、カタクチイワシ、メルル―サ 、ボラ、メカジキイワシ 、ムール貝、アサリ、ホタテ貝、うに、えび、カニ、いか、 など豊富な魚介類が獲れ、赤エビ(gambero rosso di Sicilia)が D.O.Pに指定されています。

クロマグロ
クロマグロも有名です

春の終わりから夏の初めにかけてイタリアにやってくるクロマグロは、大西洋からジブラルタル海峡を通って地中海にやってきます。ジブラルタル海峡を抜けたマグロは東に向かい、一部はスペイン、フランス、リグーリア沿岸を通り、イタリア沿いをシチリアまで南下します。そしてシチリア島の北側を通り、シチリアと本土の間のメッシーナ海峡を抜けて南に出、その後、再びジブラルタル海峡を通ってメキシコ湾流へ。又はフランス沖から季節風に乗り、サルデーニャの西側にやってくるルート。このようにシチリアはマグロ漁には絶好の位置。
イタリア沿岸で捕まったマグロは、日本に運ばれたらイタリア産天然本マグロとして、高級ブランド品となります。

いろんな肉料理
いろんな種類の肉料理も楽しめる

肉料理も多彩です。シチリアの伝統的食材であるメス牛、ヤギ、ヒツジ、豚肉がイタリアの農業食料森林省からイタリア伝統的食材prodotti agroalimentari tradizionali italiani (P.A.T)に認定されています。

シチリアは食の宝庫
食の宝庫のシチリア

タオルミーナで、新鮮なシチリアの食材に興味がおありの方は、市営市場でのお買い物にトライしてみてください。今回は食の歴史と食材のご紹介を致しました。次回は、シチリアの料理についてご紹介したいと思います。

いかがでしたでしょうか。タオルミーナでのんびりしたバカンスと食文化を堪能したいと思った方はバビロニアイタリア語センターの情報をご覧ください。
地球の歩き方「成功する留学」babiloniaの学校情報はこちら
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三角映子(みすみ えいこ)
1993年に初めてイタリア留学し、その後2004年よりイタリア在住。声楽家、日本語教師として、そして通訳、翻訳を通して、日本文化をイタリアに、イタリア文化を日本に紹介している。シチリア タオルミーナのバビロニアイタリア語文化センターの日本語翻訳、通訳などに嘱託として携わっている。

    

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