看護留学のおすすめ国・プランと費用の相場

海外で看護を学ぶ「看護留学」は、現役の看護師の方から看護学生まで、多くの人に注目されています。世界の先進医療に触れ、語学力や専門スキルを伸ばす絶好の機会であり、将来のキャリアの選択肢も広がります。
本記事では、看護留学の基本から最新の人気留学先、プログラムの種類、費用目安、手続きの流れまで、2025年時点の最新情報を交えて徹底解説します。看護留学に興味をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
経験豊富なカウンセラーに分からないことを聞いてみよう!
看護留学とは?看護師・看護学生が海外で学ぶメリット
看護留学とは、現在看護師として働いている方、または将来看護師を目指す看護学生の方が、海外で看護に関する学び・研修を行うことを指します。留学先はアメリカ・カナダ・オーストラリアなど英語圏が中心ですが、近年はフィリピン・セブ島など費用の安い地域も人気が高まっています。
看護師にとってのメリット
海外の医療現場での実践経験や現地の看護教育に触れることは、日本では得難い国際的な視野や異文化コミュニケーション能力、多様性への理解を培う貴重な機会となります。
さらに、医療専門用語を含む英語を習得することで、将来的な海外での就労や移住の可能性が広がるだけでなく、帰国後も外資系クリニックや国際医療機関、在宅医療、空港検疫、国境なき医師団など、さまざまな分野での活躍が期待され、看護師としてのスキル向上にもつながります。
加えて、医療の根拠となる多くの論文は英語で書かれており、英語力を身につけることで翻訳を待たずに原文を理解できるようになります。これにより、最新の医療情報をいち早く取り入れることが可能となり、日々の看護実践の質をさらに高めることができます。
また、国際的な視点を身につけることで、自分に合った働き方やライフスタイルを主体的に選択できるようになることも、大きな魅力の一つです。さらに、英語圏で看護師として登録をすることで、他の英語圏の国々でも看護師として働く道が広がり、日本の看護師資格のみを有している場合に比べて、国際的なキャリアの選択肢が格段に広がります。
一方海外で看護師として働くことに憧れを抱く方は多いと思いますが、実際には第2言語で医療現場に立つという大きなハードルがあり、相当な努力と継続的な学習が求められます。
たとえ英語がある程度話せたとしても、理解や表現に時間がかかることで焦りを感じることは少なくありません。
特に、集中治療室や救急病棟など医療の最前線で働きたいと考えている看護師にとっては、日本のほうが専門性を高めやすく、キャリアを築きやすいというのも現実です。
看護留学によって得られる経験や視野の広がりは非常に価値あるものですが、こうした現実的な側面も事前に理解しておくことが、自分にとって最適な選択をする助けになります。
そのためまずは教育体制が整った日本の病院で基礎的なスキルや臨床経験をしっかりと身につけるという選択も、有効なキャリア戦略の一つです。
海外で看護師として活躍するためのキャリア戦略のうち、①学生期に交換留学や臨地実習などで海外の看護教育に早期から身を置き、英語環境への適応力を磨く方法が良いのか、②日本の病院で2〜3年ほど臨床経験を積み、基礎技術と判断力を固めたうえで海外に挑戦する方法が良いのか、よく考えましょう。
看護留学の主なメリットまとめ:
- 医療英語の習得:
語学学校や現地の大学・病院で学ぶ中で専門的な英語力が身につき、外国人患者にもスムーズに対応できる。 - 最新医療技術の体得:
医療先進国で研修することで新しい看護スキルを学び、技術水準を高められる。 - キャリアの選択肢拡大:
「英語×看護」で活躍の場が増え、外資系医療職や海外ボランティアなど多様な道が開ける。 - 収入アップの可能性:
国によっては看護師の給与水準が日本より高く、将来的に日本以上の収入を得られるケースもある。- アメリカ:USD43.87(約 6,510 円/時)
- イギリス:£21.93(約 4,339 円/時)
- カナダ:CAD44.05(約 4,737 円/時)
- オーストラリア:AUD51.97(約 5,014 円/時)
- ニュージーランド:NZD40.77(約 3,598 円/時)
- 海外就職・移住のチャンス:
経験と資格があれば優遇されて永住権を取得しやすい。 - 視野・価値観の拡大:
異文化の医療に触れることで視野が広がり、日本の医療を客観視して新たな学びを得られる。
看護留学におすすめの国5選
看護留学の留学先として特に人気の国はアメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、ニュージーランドの5か国です。それぞれ医療制度や研修環境に特徴があり、メリット・デメリットも異なります。以下に各国の特徴と留学するメリット、注意点を簡潔にまとめます。
アメリカ

特徴とメリット
アメリカは世界トップレベルの医療技術を誇る医療大国で、最先端の医療現場を経験できることが最大の魅力です。看護師の給与水準も高く、努力次第で高収入も期待できます。最新設備の病院や多様な専門領域があり、高度な看護スキルを磨くには最適な環境でしょう。
留学上の注意点
各州ごとに看護師資格の制度や要件が異なり、資格取得までのプロセスが複雑です。日本の正看護師資格を持っていても、NCLEX-RN(アメリカ看護師国家試験)に合格する必要があり、その前提として州によってはCGFNS試験(看護教育の審査試験)の合格が求められます。さらに米国で看護師として働くには就労ビザの取得がハードルで、医療従事者向けのVisaScreen(ビザスクリーン)審査では英語力や学歴の証明も必要です。加えて、アメリカは外国人看護師の受け入れに慎重で、就職先や永住権取得の難易度が高い傾向があります。つまり、「最先端だがハードルも高い」のがアメリカ看護留学と言えるでしょう。
オーストラリア

特徴とメリット
オーストラリアは世界有数の医療福祉水準を誇り、日本人看護師にも人気の留学先です。看護師として現地で働く際のビザ取得や永住権取得の手続きが他の主要英語圏より比較的簡単で、将来的に移住まで見据える方には大きな魅力です。また、有給休暇や産休など労働環境の福利厚生が整っており、自分の希望する分野でキャリアを積みやすい点もメリットです。ワーキングホリデー制度を利用して渡航し、現地で働きながら経験を積むことも可能で、一定の英語力と条件を満たせばアシスタントナース(看護助手)として有給で働けるプログラムもあります。
留学上の注意点
オーストラリアで正看護師として働くには、現地の看護師協会(AHPRA)への登録が必要で、そのためにIELTS7.0程度以上の英語力や一定の実務経験が求められます。日本の看護師資格を持たない場合はオーストラリアの大学で看護学位を取得し直すルートもありますが、学費が高額で期間も長くなります。しかし、その投資に見合うだけの高収入が得られる点で費用対効果は高いとも言えます。実際、オーストラリアの看護師平均年収は日本の1.5倍ほどとされ、ベテラン看護師なら年収約800〜900万円に達することもあります。高い英語力と経済的準備が必要ですが、資格取得・永住権取得まで見据えた挑戦ができる国です。
イギリス

特徴とメリット
イギリスは近代看護の礎を築いたフローレンス・ナイチンゲールゆかりの地で、看護教育の歴史が深い国です。国家医療制度(NHS)の下で充実した看護研修を受けられ、地域医療や在宅ケアなど幅広い分野で学ぶ機会があります。また、イギリスにもワーキングホリデー制度(Youth Mobility Scheme)があり、年齢条件を満たせば働きながら滞在することも可能です。
留学上の注意点
イギリスで看護師登録をするには、NMC(看護助産師協議会)の定める基準を満たし登録申請する必要があります。日本の看護師資格保有者の場合でも、看護学の学士号(4年制大学卒)を持ち、450時間以上の臨床実習経験があることなどが条件となります。さらに所定の英語力(一般的にIELTS7.0程度)と書類・試験審査に合格しなければなりません。ハードルは高く、「看護留学の難易度が最も高い国の一つ」と言えます。一方でイギリスのワーホリビザは募集人数が限られ競争率も高いため、活用には最新情報のチェックが必要です。伝統ある環境で学べる反面、資格取得までの要件が厳しい点を念頭に置きましょう。
カナダ

特徴とメリット
カナダは福祉制度が充実し、看護教育のカリキュラムやキャリアアップ制度が体系的に整っているのが特徴です。看護師は社会的評価も高く、特に上位資格であるナースプラクティショナー(NP)は診療や処方も行える権限を持ち、高収入専門職として人気があります。また国民性として穏やかで多文化共生が進んでいるため、留学生にも比較的優しく受け入れてもらえる環境です。英語圏でありながらアクセントが聞き取りやすく、コミュニケーション面でも学びやすいと言われます。さらにカナダもワーキングホリデー制度対象国のため、一定期間現地で働きながら滞在することも可能です。
留学上の注意点
カナダの看護師資格取得プロセスは州ごとに異なり、少々複雑です。日本の看護師がカナダでRNになる場合、まずNNAS(ナース資格審査機関)で学歴・経歴の評価を受け、その後各州の看護師協会で審査を経て、アメリカと同じNCLEX-RN試験に合格する必要があります。州によっては英語以外にフランス語力が求められる地域もあり(例:ケベック州)、語学面のハードルが二重になる場合もあります。加えて、留学費用は都市部だと生活費が高くつく点に注意が必要です。ただし、永住権取得に積極的な政策もあり、海外人材として評価されやすい国でもあります。総じて「手続きは州で異なるが、福祉充実で学び甲斐がある国」と言えるでしょう。
ニュージーランド

特徴とメリット
ニュージーランドは治安が良く、留学費用も欧米諸国に比べると抑えられるため人気が高いです。少子高齢化が進む社会背景から高齢者介護や終末期ケアに優れた看護実践が発展しており、ホスピス看護などを学びたい人には適しています。自然に恵まれた環境で穏やかな国民性のもと、伸び伸びと留学生活を送れる点も魅力です。こちらもワーキングホリデー制度が利用可能で、働きながら長期滞在しやすいです。ニュージーランドでは、介護士としての資格がなくても看護師としての母国での経験があれば介護施設などで働くことが可能なため、お小遣いを稼ぎながら医療現場で英語を学びつつ、看護師を目指す足がかりを築くことができるという点でも魅力的です。
留学上の注意点
ニュージーランドで正看護師になるには、現地の看護学士課程を修了し、IELTS7.0程度以上の英語力証明や所定の臨床経験を満たした上で、看護師協会(NCNZ)の審査に合格する必要があります。日本の看護師が資格切り替えを目指す場合も、看護師登録後の1800時間以上の臨床経験や学士号取得が条件となり、不足している場合は現地の大学に編入して補う必要があります。またニュージーランドは他国に比べ医療の最先端度では劣る側面があり、「高度先進医療を学びたい人には向かないかもしれない」という指摘もあります。加えて給与水準もオーストラリアなどより低めに設定されています。費用面・語学面のハードルは比較的低いものの、得られる経験の方向性が限られる点は考慮しましょう。
看護師留学の種類とプログラム内容
一口に「看護師留学」といっても、目的や参加者の状況に応じて様々なプランがあります。ここでは代表的なプログラムの種類を紹介します。自分のキャリアプランに合わせて適切なプログラムを選びましょう。
ワーキングホリデー
18~30歳前後の若者対象のビザを利用し、海外の医療機関や介護施設で有給の研修生(インターン)として働きながら、滞在する方法です。看護師資格がなくても年齢要件さえ満たせば参加できるため、語学力向上や異文化体験を気軽に積む方法として人気があります。看護師がワーホリを活用する場合、まず語学学校に通って英語力を伸ばしつつ、アルバイトで生活費を補うのが一般的です。国によっては医療や介護関連の仕事に就くことも可能で、英語圏の介護施設でケアスタッフとして働いたり、ボランティアに参加したりといった例があります。特にオーストラリアのワーキングホリデーは最長3年間まで延長でき、賃金水準も高いため看護分野での就労経験を積む場として非常に人気です。ただしワーホリだけでは正規の看護師として働くことはできず、あくまで語学と異文化経験が主目的で、どちらかというと看護助手、介護的な内容が中心となる場合が多いです。そのため、「看護業務ができる」と期待して参加された方の中には、「思っていた内容と違った」「自分のやりたかったこととは異なっていた」と感じるケースも少なくありません。こうした現実とのギャップを防ぐためにも、事前に業務内容への理解を深めておくことが大切です。
正看護師資格取得留学
海外で正看護師(Registered Nurse)の資格取得を目指す本格的な留学です。将来現地での就職や国際的な看護師資格を得たい方向けのプランで、現地の看護大学や専門学校に入学・編入して学位を取得し、国家試験合格を目指します。期間は2~4年程度と長期になり、学費・生活費も数百万円規模と高額になります。しかし資格さえ取れば現地で看護師として働けるようになるため、海外定住やキャリアアップの大きな一歩となります。例として、英語圏の看護学部に2年間編入するケースでは約500万円以上の費用が必要とのデータもあります。
短期研修・視察プログラム
1週間~3ヶ月程度の短期間で、海外の病院見学や講義受講、介護施設でのボランティアなどを体験するプログラムです。看護大学の夏休み研修や、病院勤務の看護師向け海外研修旅行などが該当します。「とりあえず海外の医療現場を見てみたい」というニーズに応える内容で、看護師資格の有無にかかわらず参加できるものも多いです。短期間とはいえ異文化の看護を直に見られるため得られる刺激は大きく、将来の留学計画の参考にしたりモチベーションを高めたりする効果があります。ただし実践よりも見学中心である点、時間が短いぶん英語習得効果は限定的な点には注意しましょう。
語学+看護研修プログラム
語学学校での英語研修と、医療英語や看護体験プログラムを組み合わせた留学です。例えば平日は語学学校で一般英語や医療英語コースを学び、週1回程度病院や介護施設の見学・実習がセットになっているプランがあります。英語力に自信がない方でも参加しやすく、徐々に専門的な内容に触れられるのが利点です。期間は1~6ヶ月程度が主流で、費用相場は約160万円以上(半年の場合)とも言われます。医療英語の専門用語習得や、軽微な実習体験ができるため、「いきなり本格留学はハードルが高い」という方のステップとして適しています。
看護学生留学のタイミングと注意点
看護学生の方が在学中に留学を検討する場合、そのタイミング選びと卒業・就職への影響について慎重な検討が必要です。結論から言えば、「看護学校在学中の長期留学はあまりおすすめできない」というのが一般的な見解です。以下に理由と、どうしても学生のうちに留学したい場合のポイントを解説します。
在学中の留学が難しい理由
看護学生は国家試験合格に向けて膨大な勉強と実習をこなす必要があり、その合間に留学準備や語学習得まで両立するのは非常に大変です。実習では初めて経験することも多く心身に負担がかかるため、さらに留学の計画を進める余裕を持つのは難しいでしょう。また、在学中に留学すると学校の勉強と並行して留学費用も捻出しなければならず経済的ハードルも高いです。仮に苦労して留学しても、看護師免許を取得しないままでは現地で専門的な仕事ができず、得られる経験の範囲が限られてしまいます。さらに長期留学で学校を休学すると、日本の友人より卒業が遅れ、新卒就職のタイミングを逃してしまう恐れがあります。知識も実務経験と結びついて初めて定着する面があるため、卒業前にブランクを作ると帰国後の就活で不利になる可能性も指摘されています。
就職活動への影響
在学中~新卒直後に留学してしまうと、勉強した知識を現場で活かす前に時間が空いてしまい、せっかく身につけたことを忘れてしまうかもしれません。特に看護師は実務経験が重視される職種であり、経験ゼロのまま語学力だけ身につけても、日本に戻ってから就職に苦戦する可能性があります。
一方で英語力を備えて帰国すれば、外国人患者を受け入れている病院や医療通訳の仕事など、英語力が武器になる職場で活躍できるチャンスもあります。
つまり「タイミング次第でプラスにもマイナスにもなり得る」ということです。
最適な留学時期
多くの専門家がすすめるのは、「日本で看護師資格を取得し、2~3年間の実務経験を積んだ後」に留学するタイミングです。一人前の看護師として基礎を固めてから海外に飛び出すことで、留学先でも即戦力として幅広い業務に携わることができます。実務を経験した上で留学すれば、現地での研修内容も深く理解でき、帰国後もブランクなくスムーズに復職・転職しやすくなります。「石の上にも三年」ではありませんが、まず国内で土台を築いてからのほうが得られるものが多いでしょう。
例外的なケース
どうしても在学中に海外経験を積みたい場合、大学の公式留学プログラムがあれば参加を検討しましょう。日本ではごく一部の看護大学で、提携先の海外看護大学への留学制度や短期研修プログラムを用意しています。例えば夏休みを利用した数週間の病院研修ツアーや、希望者対象の海外看護大学への交換留学(半年~1年)などです。ただしそのような制度を持つ大学は限られるため、進学前に調べておく必要があります。プログラムがある場合は教員のサポートの下で単位認定等も考慮されるため、積極的に活用すると良いでしょう。逆に、大学非公認で個人的に休学して留学する場合は、復学後に単位認定されない可能性が高く、卒業時期が延びる覚悟が必要です。
休学 vs 長期休暇の活用
在学中に留学するにしても、半年~1年の長期留学は休学扱いとなり卒業延期が避けられません。一方、1~3ヶ月程度の短期留学なら長期休暇内で完結できるため学業への影響は比較的少ないです。夏休みなどを利用した語学研修や海外ボランティアであれば、卒業予定をずらさずに済みます。短期でも得るものは多いので、まずは短期留学で経験を積み、卒業後や看護師になってから長期留学に挑戦するという段階的アプローチもおすすめです。
看護学生留学まとめ
基本的には「看護師になってから留学」が王道ではありますが、それぞれの事情や目標によります。在学中に行く場合は無理のない範囲で計画し、周囲(学校や家族)の理解を得るようにしましょう。将来の就職に関して不安があれば、留学エージェントや就職支援サービスに相談してみるのも一つの手です。英語力や海外経験は看護師として決してマイナスにはなりませんから、タイミングさえ誤らなければ大きな武器になります。
看護留学の費用相場と内訳【国別・期間別】
看護留学にかかる費用は、行き先の国と留学する期間・プログラムによって大きく異なります。ここでは国別の目安と、主な費用内訳について解説します。また、利用できる奨学金や費用を抑える工夫についても触れます。
国別費用の目安
一般的に、英語圏の先進国ほど留学費用は高く、東南アジアなど新興国は低くなります。以下は各国で1年間留学した場合の費用目安です(授業料+生活費の概算)
- アメリカ: 年間約300万~500万円程度。大学の学費が高額で、都市部の生活費も高いため最大級の予算が必要です。ただし奨学金が充実している学校もあります。
- イギリス: 年間約300万~450万円程度。学費・物価ともに高めですが、看護留学の場合は大学院留学など短期コースを利用すればもう少し抑えられることもあります。
- カナダ: 年間約250万~350万円程度。都市によって差がありますが、トロントなど大都市は生活費が高めです。学費は米英より若干安い傾向にあります。
- オーストラリア: 年間約200万~300万円程度。学費は高いものの、学生ビザでも週20時間までアルバイト可能で収入を得られるため、実質負担を減らすことも可能です。
- ニュージーランド: 年間約180万~250万円程度。オーストラリアより物価がやや低く、比較的抑えられます。ただし収入も抑えめになる点は考慮が必要です。
※上記は為替レートや地域・学校によって変動します。また正看護師資格取得のため大学に通う場合は複数年分の学費が必要になる点に注意してください。例えばオーストラリアの大学で3年間学ぶ場合、学費総額で約400万円、生活費含めると3年間で750万円以上かかる試算もあります。
留学期間別の費用目安
期間によって費用総額も変わります。短期ほど月あたり費用は割高になりがちですが、総額は抑えられます。一例を挙げます:
- 1ヶ月の短期研修: 渡航費・授業料・滞在費込みで20万~40万円前後。国にもよりますが、プチ留学ならこの程度で可能です。
- 3ヶ月の語学+研修: 50万~80万円前後。フィリピンならさらに安く抑えられ、逆に欧米圏の都市部だと100万円近くになる場合もあります。
- 半年(6ヶ月)の留学: 100万~180万円前後。一般に半年を超えると学生ビザ取得になるため医療保険料なども加わります。オーストラリアの専門学校で半年学ぶ場合は160万円以上とのデータがあります。
- 1年間の留学:200万~300万円前後(※国別の相場は上記参照)。1年あるとアルバイトで数十万円程度収入を得ることも可能なので、実質負担はもう少し減る場合があります。
費用の内訳
看護留学にかかる主な費用項目は以下の通りです:
- 授業料・プログラム費: 語学学校や大学、研修プログラムへの参加費用です。これが費用の大半を占めます。
- 渡航費: 日本から現地までの往復航空券代。またビザ申請料や空港利用税なども含みます。例:アメリカ留学のビザ申請では数万円の費用がかかります。
- 滞在費: 現地での宿泊費用。ホームステイ、学生寮、アパートなど形態によります。都市部ほど高く、ホームステイは食事付きなので割高ですが安心です。
- 生活費: 食費・交通費・日用品費などの日常生活費。これも国や都市で差が大きいです。ロンドンやニューヨークでは月15万円以上見込んだ方が良いでしょう。
- 保険料: 海外留学保険や医療保険への加入費用です。多くの国で留学生は医療保険加入が義務付けられています(例:オーストラリアでは学生ビザ申請者はOSHCという留学生保険への加入が必須)。保険料は期間と補償内容によりますが、1年間で10万~20万円程度が目安です。
- 予防接種・健康診断: 医療系の留学では入学時に予防接種証明書や健康診断書の提出を求められることが多いです。入学前に必要なワクチン(MMR、B型肝炎など)を接種したり、ツベルクリン反応検査、胸部X線検査などを受ける費用が発生します。これらは数千円~数万円程度ですが、渡航前1ヶ月までに済ませておく必要があります。
- その他雑費: 教科書代、ユニフォーム代(実習がある場合)、現地での通信費(携帯電話やWi-Fi)、観光や交際費などの個人的出費も考慮しましょう。
奨学金・助成金情報
看護留学向けの奨学金は数が多くありませんが、条件に合えば活用を検討しましょう。
- 日本政府・自治体の奨学金: 日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援制度は、大学交換留学などで一定の成績要件を満たす学生に月額補助を出しています。看護大学からの派遣留学なら対象になる可能性があります。また自治体によっては医療人材の海外研修に助成金を出すケースもあります。
- 民間団体の奨学金: ロータリークラブなど民間の国際交流団体が留学奨学金を公募していることがあります(競争率は高め)。看護分野特化ではありませんが、医療系留学を支援する財団も探せば存在します。
- 海外の奨学金: 留学先の学校自体が留学生向け奨学金を用意している場合もあります。特に大学留学では成績優秀者に授業料減免や奨学金支給を行う制度があるので、各校の募集要項を確認してください。
- 勤務先の支援: 現役看護師の方であれば、所属病院が研修制度として費用を一部負担してくれる場合もあります(ただし将来一定期間戻って勤務することが条件になることが多いです)。
費用を抑える方法
費用面が心配な方は、以下の工夫で負担を軽減できます。
- 働きながら留学する: 先述のワーキングホリデー制度を利用して収入を得ながら学ぶ方法です。オーストラリアやカナダでは学生ビザでも週20時間まで就労可能で、生活費の一部を賄えます。現地アルバイトは最低賃金が高い国が多いので、想像以上に助けになるでしょう。
- 費用の安い国で学ぶ: いきなり高額な欧米留学をするのではなく、まず費用の低い国で英語を鍛えてから本命の国に行く方法があります。例えば「フィリピン+オーストラリア」の2ヶ国留学はその典型で、先にフィリピンで格安で英語力を伸ばし、その後オーストラリアで看護資格取得や就労を目指すことでトータルコストを抑えることができます。このように段階を踏むのも賢い選択です。
- 奨学金の獲得: 上述の奨学金に応募し、採用されれば大きな助けになります。小額でも渡航費や保険料程度が賄えるだけで負担感は違います。ダメ元でも挑戦してみましょう。
- 生活費の節約: 渡航先での住まいや生活スタイルを工夫します。シェアハウスを利用して家賃を抑える、自炊中心にして食費を節約する、交通は公共機関や自転車を使う等、現地で節約できる部分は多々あります。現地在住の節約術なども事前に調べておくと良いでしょう。
- 期間を短く区切る: 予算が限られる場合は留学期間を必要最小限に設定します。「語学研修3ヶ月+インターン3ヶ月」など半年で区切れば、長期留学よりかなり費用を抑えられます。その後は日本で働いて資金を貯め、改めて次の留学に挑戦するという方法もあります。
このように、計画と工夫次第で看護留学の費用負担は軽減可能です。「費用が心配だから無理」と最初から諦めず、まずは信頼できる留学エージェント等に相談して見積もりを取ってみることをおすすめします。自分の目的に合った最適なプランを一緒に考えてもらいましょう。
アメリカ看護留学の特徴と正看護師資格取得方法
看護留学先として人気のアメリカについて、その特徴と正看護師資格(Registered Nurse)取得までの道のりを詳しく見てみましょう。
アメリカの看護教育制度
アメリカでは州ごとに看護師のライセンスを管理しており、教育課程や資格要件も州によって微妙に異なります。基本的な流れとしては、高校卒業後に看護系の短大(ADN)または大学(BSN)に進学し、卒業時にNCLEX-RNという国家試験に合格すると州の看護師免許が与えられます。看護留学の場合、既に日本で看護師資格を持っているか否かでルートが異なります。
日本で正看護師資格を持つ場合
- 教育と実務経験:まず、看護学士(Bachelor of Science in Nursing:BSN)レベルの教育を受けていることが求められます。これは、アメリカ国内の看護大学と同等と見なされる教育課程である必要があります。また、母国において正看護師(Registered Nurse: RN)として正式に免許を取得していることが必要です。さらに、多くの州では、免許取得後に最低2年間の臨床経験を積んでいることを要件としています。
- 資格審査・書類評価:
アメリカで看護師登録を行う際には、外国の看護教育や資格をアメリカの基準と照らして評価する「資格審査」が必要です。
CGFNS(外国看護学校卒業生委員会):教育内容や免許、実務経験などを確認し、アメリカの看護師基準と同等であるかを評価します。
VisaScreen(ビザスクリーニング):アメリカの就労ビザ(主に医療職用)を申請する際に必要な評価サービスで、英語力・学歴・免許・職歴を総合的に審査します。
- 英語力の証明:各州で規定が異なることがありますが多くの州では以下の規定のスコアを取得する必要があります。
IELTS :総合スコア6.5以上、Speakingは7.0以上が推奨されています。
OET(Occupational English Test):多くの州が以下のスコアを求めています。Listening:Grade B(350点)Reading:Grade B(350点)Speaking:Grade B(350点)Writing:Grade C+(300点)
- NCLEX-RNの合格:アメリカで看護師として働くには、NCLEX-RN(国家試験)に合格することが必須です。この試験はコンピュータベースで実施され、看護知識や判断力が問われます。
- 州の看護委員会への申請
NCLEX-RNに合格した後は、希望する州の看護師免許発行機関(Board of Nursing: BON)に申請を行い、看護師免許を正式に取得する必要があります。州によっては、追加書類や面接、独自の審査を行うところもあります。
日本で資格を持たない場合(看護学生等)
アメリカの看護大学に正規留学して学位取得を目指します。通常はコミュニティカレッジや大学に編入し、2~4年かけてADNまたはBSNを取得します。その後アメリカ人と同様にNCLEX-RNを受験し、合格・ライセンス登録を経て就職活動という流れです。NCLEX合格後は上記と同様にVisaScreen審査を通過し、病院などの雇用主スポンサーを得て就労ビザまたは永住権申請をする形になります。
ビザ要件と手続き
アメリカで看護師として働くには就労ビザ(H-1Bなど)もしくは永住権(グリーンカード)が必要です。
医療従事者(看護師)はアメリカ労働市場で常に人材不足なため優遇される職種でもあり、雇用主(病院)がスポンサーとなって永住権申請を行うケースも多いです。
実際、アメリカでは海外人材の看護師確保のため、NCLEX合格者に対して比較的スムーズにビザ発給が行われるプログラムも存在しました。
ただし年々移民政策が変わるため、最新情報を確認することが重要です。留学時にはまず学生ビザ(F-1ビザ)で渡米し、現地で就職先を見つけた段階でビザ切り替え手続きを行うのが一般的です。その際にVisaScreen証明が役立ちます。
就職・永住権の可能性
前述の通り、アメリカは医療先進国ゆえに看護留学で得られるものは大きいですが、外国人がそのまま残って働き続けるハードルはやや高めです。一方で看護師は世界的に不足している職種のため、優秀であればアメリカ側も是非働いてほしいと望む存在ではあります。実力と熱意さえ示せれば、雇用先がビザスポンサーになってくれる可能性も十分あります。永住権取得までは数年かかることもありますが、アメリカでの臨床経験は国際的に見ても貴重であり、仮に帰国する場合でもキャリアに大いにプラスとなるでしょう。
まとめ
アメリカ看護留学は「険しいが挑む価値のある道」です。NCLEX-RN合格や高度な英語力(IELTSで7.0相当など)が求められ、準備に時間と努力を要します。しかし世界最高峰の医療現場で学び働ける経験は得難く、成功すれば高収入・高キャリアが期待できます。ビザなど越えるべきハードルについても、信頼できるエージェントや専門機関の支援を受けながら一つ一つクリアしていきましょう。
オーストラリア看護留学とワーキングホリデー活用法
オーストラリアは看護留学の渡航先として特に人気が高い国です。その理由は、看護師としてのキャリア構築と移住を両立しやすい環境にあります。ここではオーストラリア看護留学の特徴と、ワーキングホリデー(ワーホリ)制度を活用した留学法について解説します。
オーストラリア看護師資格への道
日本の看護師がオーストラリアで正看護師になる方法はいくつかあります。
既に日本で正看護師なら、英語力と実務経験の条件を満たした上でオーストラリア看護師協会(AHPRA)の審査を受け、ブリッジングコースなどを経て登録する方法があります。必要な英語力はIELTS7.0以上(各セクションで一定スコア以上)とされ、かなり高水準です。直近5年間で450時間以上の勤務経験も問われるため、条件を満たさない場合は現地の看護大学への編入留学が必要になります。
一方、日本で資格を持っていない場合は最初からオーストラリアの看護学士課程に入学し、3年ほどかけて学位と資格を取得するルートになります。オーストラリアの看護大学は実践重視のカリキュラムで、病院実習の他にナーシングホーム(高齢者施設)での研修も行われます。卒業し国家試験(オーストラリアには統一国家試験はなく、卒業=資格認定の州もあります)を経て登録すれば正看護師(Registered Nurse)として働けます。
ワーキングホリデーの活用
オーストラリアは日本人に大人気のワーホリ渡航先でもあります。18~30歳(申請時)であればワーキングホリデービザを取得し、1年間(最長3年まで延長可)滞在しながら就労できます。これを看護留学に活かす方法として、以下のようなプランが考えられます。
- 語学+介護就労プラン: 渡航後まず語学学校で一般英語や医療英語を3~6ヶ月学び、その後介護施設で介護士・看護助手として有給就労するプランです。実はオーストラリアにはアシスタントナースという資格・職種があり、半年~1年の専門コースを修了すると取得できます。日本の看護師資格保持者であれば短期集中コースで取得できる学校もあり、ワーホリ期間内に資格取得と就労経験獲得が可能です。アシスタントナースは日本の介護福祉士に近い役割で、時給25~30豪ドル(夜勤や休日は割増で50ドル近く)と高収入です。このプランなら語学留学+職業訓練+有給インターンが1年で完結し、帰国後の再就職時にもキャリアとしてアピールできます。
- ブリッジングコース受講: 日本の看護師が英語力を高めつつ、ワーホリ中に看護師ブリッジングプログラムの準備コースに通う方法です。ブリッジングコース自体は学生ビザが必要ですが、ワーホリ中にIELTS対策や書類準備を進めておき、ビザを切り替えて本格的に資格取得に挑戦します。ワーホリ期間を準備期間として有効活用するイメージです。
- 2カ国留学: 前述のようにフィリピンと組み合わせて、フィリピンでの語学留学後にオーストラリアでワーホリという2段プランも人気です。フィリピンでIELTS目標スコアに到達してから渡豪すれば、効率よくスタートダッシュが切れます。
永住権取得の可能性
オーストラリアは看護師を含む医療職に対して移民に有利な政策をとっています。慢性的な看護師不足を補うため、基準を満たした外国人看護師には積極的に永住権を付与している州もあります。そのため正看護師資格を取得し現地就職できれば、数年のうちに永住権(PR)取得を目指せるケースも少なくありません。実際に日本からの看護留学生でオーストラリアに定住された方も多く、「将来は海外移住したい」という夢を持つ方にはオーストラリア留学は大きなチャンスとなるでしょう。
費用対効果の高さ
オーストラリアは学費・物価とも安くはないですが、その分働いた際の賃金水準が高く設定されています。前述の通り看護師になれば日本より高収入が得られる可能性が高く、投資した留学費用を取り戻すのも比較的早いです。さらに永住権を取得できれば長期的に見て計り知れないリターンがあります。ワーホリを活用すれば留学中に収入を得ることもでき、総合的にコストパフォーマンスが良い留学先と言えるでしょう。
まとめ
オーストラリアは「学びやすく働きやすい」環境が整った看護留学先です。ワーホリ制度という他国にはないチャンスを活かしつつ、自分に合ったルートで資格取得や実務経験を積むことができます。英語力さえしっかり身につければ道は開けますので、興味のある方は具体的なプラン作りを始めてみてください。
看護留学の参加条件と必要な英語力
看護留学に参加するためには、いくつか満たすべき条件や事前準備があります。特に「看護師資格・経験の有無」「英語力のレベル」「年齢条件」の3点が大きなポイントです。ここではそれぞれについて説明します。
看護師資格・実務経験
プログラムによって必要要件は異なります。語学留学や短期研修の場合、看護師資格がなくても参加可能なものがほとんどです。看護学生や一般の方でも「医療英語コース」や病院見学ツアーに参加できます。一方、正看護師資格取得を目指す留学や病院でのインターンシップでは、日本の看護師免許や一定の臨床経験を条件とする場合があります。例えばイギリスで看護師になるには日本で看護学士号を取得している必要があり、オーストラリアでも臨床経験年数が問われるケースがあります。また、有給インターンとして働く場合も基本的な看護知識が要求されるため、看護師資格もしくは看護学生以上であることが望ましいでしょう。総じて、「資格なしでも行ける留学は多いが、資格があれば選択肢がさらに広がる」と考えてください。なお、資格が不要なプログラムでは未経験者向けに基礎から研修してくれるので安心です。
英語力の要件
看護留学では英語力はとても重要な要素です。ただし、必要とされるレベルは留学の種類や目的によって様々です。大きく2通りに分けてみましょう。
- 語学留学・ワーホリの場合: この場合、参加時点での英語力基準は特に設けられていないことが一般的です。初級者でも受け入れてもらえ、現地で語学から学べます。ただ、日常生活に最低限困らないためにも中学英語レベル程度の基礎は押さえておくと良いでしょう。全くの初心者でも、フィリピン留学などでは手厚く指導してくれるので心配はいりません。
- 看護師資格取得や有給インターンの場合: こちらは高い英語力が求められるケースが多いです。特に現地の看護大学や国家試験にチャレンジするなら、アカデミックな英語力と専門用語の理解力が必要です。具体的にはIELTSやTOEFLのスコア提出を求められ、IELTSなら6.0~7.0以上(TOEFL iBTなら80~100点以上)が目安となります。例としてオーストラリア看護師登録にはIELTSオーバーオール7.0以上が必須です。これは英検1級相当と非常に高い水準です。「そんな高レベルは無理...」と尻込みしてしまうかもしれませんが、まずは語学学校等で集中的に学べば十分達成可能です。多くの看護留学志望者は最初に語学研修を経てから本番のプログラムに臨んでいますので、計画的に準備しましょう。
年齢制限
留学自体に明確な年齢制限はありません。看護師の留学は何歳からでも挑戦可能で、実際30代以降で語学留学される方も珍しくありません。ただし留学の種類によっては年齢に関する条件が発生します。【例】ワーキングホリデービザは申請時18~30歳(国によっては35歳)までという年齢制限があります。
一方、学生ビザには上限年齢の規定は基本的にありません(18歳以上であれば問題なし。18歳未満の場合は保護者の同意等が必要)。
またプログラムによっては「〇歳以上の成人のみ参加可」「高校生以下対象」など年齢層の指定がありますので、募集要項を確認しましょう。看護師として海外就職を狙うなら若い方が有利ではありますが、経験豊富なベテラン看護師が40代で留学し海外で活躍している例もあります。「もう年だから...」と諦める必要は全くありません。
健康状態・その他条件
看護留学では健康であることも大切です。ビザ申請時に健康診断や予防接種の証明提出が要求される国もあります(オーストラリア等)。持病があっても安定していれば問題ありませんが、留学中に医療ケアが必要になる可能性がある場合は事前にエージェントに相談しましょう。また留学先で運転免許が必要なプログラム(僻地医療研修など)はまず無いですが、万一必要なら国際免許の取得も事前に準備します。
まとめ
看護留学の参加条件はプログラムによって様々ですが、語学力と看護師資格/経験の有無が一つの軸となります。自分の現在の状況でチャレンジ可能なプランを選び、足りないもの(例えば英語力や資金)は事前にしっかりと準備して臨みましょう。不安な点があれば留学エージェントのカウンセラーに率直に相談し、自分に適した道を一緒に探ってもらうのがおすすめです。
看護留学の手続きと準備の流れ
看護留学を成功させるには、出発までの綿密な準備が欠かせません。ここではお問い合わせから渡航直前までの一般的な手続きの流れを紹介します。プランによって異なる部分もありますが、タイムラインの目安として参考にしてください。
- 約1年前:情報収集&カウンセリング開始 -- 留学を思い立ったら、できるだけ早めに情報収集を始めましょう。渡航約1年前にはエージェントの無料カウンセリングや留学セミナーに参加し、自分の目的に合う国・プログラムを探し始めます。「どんな準備が必要か」「費用はどのくらいか」など基本的な疑問はこの段階で専門スタッフにぶつけて解決しましょう。特に看護留学は手続きが煩雑なので、早め早めの行動が吉です。
- 6~9ヶ月前:学校・プログラムの選定と出願 -- 行き先の国と大まかなプランが決まったら、具体的に応募する学校や研修プログラムを決めます。願書提出や入学手続きは渡航の半年前には開始するイメージです。願書・必要書類の準備として、以下が一般的に求められます。
- パスポート(有効期限が留学終了時まで十分あることを確認)
- 最終学歴の卒業証明書や成績証明書(和文+英訳)
- 看護師免許のコピー(保持者のみ)と英訳公証
- 英語試験のスコア証明(IELTS/TOEFLなど、必要な場合)
- 財政証明書(銀行残高証明など、ビザ申請用に必要)
- 健康診断書・予防接種証明(プログラムによっては必要)
- 履歴書や志望動機書(主に大学留学の場合)
書類は不足がないよう早めに取り寄せ・作成します。英文書類の用意や公証にも時間がかかるため、この時期に一気に進めましょう。出願書類が整ったらエージェント経由で学校に出願し、合格または受入許可を待ちます。
- 3~4ヶ月前:ビザ申請・渡航準備開始 -- 学校やプログラムから入学許可(Acceptance Letter)が届いたら、次はビザの申請です。ビザ種別は留学内容によって異なりますが、学生ビザやワーキングホリデービザが一般的です。それぞれ申請方法が違うため、エージェントの指示に従って書類を準備・提出します。ビザ審査には数週間~数ヶ月かかることがあるので、遅くとも渡航3ヶ月前には申請を済ませたいところです。また同時期に以下の準備も進めます。
- 航空券の手配: 渡航日が決まったら早めに航空券を予約。留学生向け割引航空券なども利用できます。
- 滞在先の確保: 学校の寮やホームステイ手配を依頼するか、自分でアパートを借りる場合は下調べします。ホームステイは人気なので早めの申し込みが必要です。
- 海外保険への加入: 留学生保険は必須です。ビザ申請時に保険加入証明が求められる国(例:オーストラリアのOSHC)もあります。補償内容と費用を比較し、留学期間全てをカバーするプランに加入します。
- 1ヶ月前:最終準備 -- 渡航が近づいたら、直前の最終チェックです。必要な予防接種や健康診断を完了させ、学校や滞在先からの書類(空港出迎え案内など)が届いていれば内容を再確認します。現地への持ち物もリストアップしましょう。看護留学の場合、以下のものがあると良いです:
- 国際運転免許証(郊外研修で車移動が必要な場合に備えて)
- 各種証明書類の原本とコピー(パスポート、免許証、資格証明書など)
- 予防接種証明書や健康診断書のコピー(念のため持参)
- 電子辞書や医学英語ハンドブック
- 日本のお土産(現地関係者への手渡し用)
- 常備薬(風邪薬、痛み止め、持病薬は多めに)
また出発前には必ず留学オリエンテーションを受けましょう。エージェントによっては現地生活の注意点や緊急連絡先、保険の使い方などをレクチャーしてくれます。疑問点は全てこの時に解消するくらいの気持ちで挑みます。家族にも自分の連絡先・現地サポート先を共有しておくと安心です。
- いよいよ出発! -- ビザと航空券、パスポートなど必要書類を手元に揃え、荷造りも完了したら渡航当日です。空港へは余裕をもって向かいましょう。現地到着後は提携オフィスのスタッフやホストファミリーが出迎えてくれることも多いので、不安な場合は事前に迎えサービスを手配しておくと安心です。
以上が一般的な準備の流れです。留学までのプロセスは長く感じられるかもしれませんが、一つずつ進めていけば確実にゴールは近づきます。プロのサポートをうまく活用し、抜け漏れのないよう計画的に準備しましょう。特に看護留学は書類手続きが煩雑ですが、実績ある留学エージェントなら出発前から現地までワンストップでバックアップしてくれるので安心です。
看護留学でよくある質問(FAQ)
最後に、看護留学を検討する方からよく寄せられる質問とその回答をQ&A形式でまとめます。疑問や不安の解消にお役立てください。
Q. 看護留学にはどのくらい費用がかかりますか?奨学金はありますか?
A. 留学先や期間によりますが、半年で100~180万円、1年間で200~300万円程度が一つの目安です。欧米の大学に正規留学する場合は数年で数百万円規模になることもあります。資金計画を立てる際は授業料だけでなく生活費や渡航費、保険料まで含めて算出しましょう。奨学金に関しては、日本政府や自治体、民間財団による留学奨学金があります。例えばJASSOの海外留学支援制度は月額6~10万円程度の支給で、看護系でも大学交換留学なら適用例があります。また、留学先の学校が独自奨学金を出す場合や、勤務先病院が研修制度で費用を負担してくれるケースもあります。いずれも競争率は高いですが、条件に合うものがあればぜひ応募しましょう。費用面が不安な場合は、エージェントに相談すれば予算に応じたプラン提案もしてもらえます。分割払いや教育ローンの利用についても気軽に尋ねてみてください。
Q. 英語力に自信がないのですが、それでも看護留学できますか?
A. はい、可能です。看護留学をする多くの方は最初英語に自信がない状態からスタートしています。語学力不足が心配な場合、まずは語学留学コースや医療英語研修から始めるのがおすすめです。英語初心者でも受け入れてくれるプログラムは多数あり、現地で学びながら徐々にレベルアップできます。特にフィリピンのマンツーマン英語研修は初心者に最適です。最終的に海外の看護師資格取得を目指す場合はIELTS7.0程度と高めの英語力が必要になりますが、それも語学学校やオンライン英会話で継続的に学習すれば十分達成可能です。現役看護師の方なら、医療現場で使う英単語は意外とラテン語由来で似ていたりしますので、臆せずチャレンジしてください。エージェントによっては留学前の英語トレーニングをサポートしてくれるところもありますので、有効活用しましょう。
Q. 日本の看護師資格や経験がなくても留学できますか?
A. できます。看護留学には看護師免許が必須のものばかりではありません。看護学生や無資格の方でも参加できる語学留学、ボランティア、短期研修プランは豊富にあります。むしろ学生向けの海外研修企画も増えており、「将来海外でも通用する看護師になりたい」と考える学生さんの留学は大歓迎です。ただし、現地で正規の看護業務に従事したり高度なインターンに参加したりするには、日本の看護師資格や一定の経験が求められる場合があります。無資格で将来海外の資格を取得したい場合は、現地の看護大学に入学する形になります。その際も応募要件として看護以外の学士号や関連コース履修歴が必要になるケースがあるので注意が必要です。総じて、資格が無い状態でも出来ることはたくさんありますし、むしろ若いうちから海外経験を積むことは大きな財産になります。まずは挑戦できるプランから踏み出してみましょう。
Q. 看護留学した後、日本での就職やキャリアに不利になりませんか?
A.心配不要です。看護留学の経験はむしろあなたのキャリアにプラスに働くことが多いでしょう。留学中に一時的に臨床経験が中断することへの不安は理解できますが、帰国後はぜひ留学で得たスキルや視野を活かせる職場を探してみてください。例えば、外国人患者受け入れ病院では英語ができる看護師が求められていますし、国際医療施設や医療ツーリズム関連企業なども活躍の場です。また最近は国内の病院でも「海外研修経験者歓迎」といった求人も見かけます。英語論文を読めたり海外の医療事情に詳しかったりする人材は貴重なので、面接でも強みとしてアピールできます。さらに、看護師資格と英語力を活かして製薬会社のメディカルスタッフや医療機器メーカーのトレーナー、看護教員など新たなキャリアパスに進む方もいます。もちろんブランク期間について聞かれたら、正直に留学で学んだこと・感じた成長を伝えればマイナス評価にはなりません。「英語力がある看護師」は今後ますます重宝されるはずです。自信を持ってキャリア形成に活かしてください。
この他にも、「現地での生活は大丈夫?」「治安が心配」「家族の理解が得られない」といった質問や悩みもあるでしょう。そうした個別の不安も含め、留学前にしっかり相談して解決しておくことが大切です。疑問がある方はいつでも気軽に専門エージェントにお問い合わせください。
看護留学の相談・サポート体制
看護留学は人生の一大イベントです。不安や疑問も多いと思います。看護留学に興味を持ったら、まずは留学エージェントの無料個別相談を予約しましょう。
経験豊富なカウンセラーがあなたの話を丁寧にヒアリングし、希望に沿ったプランを提案してくれます。「どの国が自分に合っているか」「看護師としてステップアップできるプランはどれか」「予算内で可能な留学はあるか」など、何でも相談できます。成功する留学では35年以上の実績に基づき、17か国・約740校のネットワークからあなたに最適なプランをご紹介しています。カウンセリングは対面のほかオンラインや電話でも対応しているので、忙しい方や遠方の方でも大丈夫です。
この記事を監修した人

末永 ゆう生
「成功する留学」留学カウンセラー
早慶上、ICU、GMARCHなどの国内の難関大学英語系学部と海外大学の併願を希望する受講生の成功を導くノウハウを蓄積。オレゴン州立大学直接入学、ファウンデーションコースを経由して、マンチェスター大学入学、カレッジを経由して、トロント大学入学など、現時点の英語・学力・お金を踏まえて、顧客の理想に寄り添った多種多様な進学・キャリアの提案・支援を行い、高い顧客満足度を実現。
- お電話でのご相談
- お急ぎの方はお電話にてお問い合わせください。
0120-945-504
留学について知ろう!
成功する留学だからできること

カウンセラーは留学経験者なので、気兼ねなくご相談いただけます。
豊富な経験と知識で、一人ひとりに合った留学プランをご提案します。
▼ご質問やご不明点はお気軽にご相談ください!
▼留学デスクで個別相談する日程を予約しよう
全国どこからでもオンラインでご相談いただけます!