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マッコリの蔵元が敷地内に開いた藁焼き豚焼肉の店がいろいろスゴイ

    
八田 靖史
八田 靖史
光州の山奥で出合った極上のマッコリと迫力の豚焼肉に感激

韓国南西部の光州(クァンジュ)といえば、約150万人の人口を誇る立派な都市ですが、ちょっと郊外まで足を伸ばすと山々の連なる景色も見られます。特に東側に位置する無等山(ムドゥンサン)一帯は、自然に出合える身近なエリアとして光州市民に人気ですね。新羅時代からの古刹や美術館があるほか、オシャレなカフェが集まっていたり、ポリパプ(麦飯定食)や、タッペクスク(鶏の水炊き)といったグルメも充実。ひと抱えもあるような巨大サイズで知られる、無等山スイカもこの地を代表する名産品です。

市内から87番バスで「トゥンチョン」停留所下車、徒歩5分

そんな無等山のふもとにあたる一角。「ちょっとアクセスは悪いけどいい豚焼肉の店があるよ」ということで、市街地から車で20分ほど行った清風洞(チョンプンドン)を目指してみました。わずかな時間ながら、「ここ本当に光州?」という景色に出合えたのは驚きでしたね。でも、それ以上だったのが、お目当ての豚焼肉店。なんとマッコリの醸造場まで兼ねているという意外な組み合わせに、またまたびっくりでした。なるほど、それで店名が「ムドゥル酒幕」なんですね。

豚バラ肉は国産の生だけを使用。1人前が200gとボリューミー

看板メニューはチップルオギョプサル(皮付き豚バラ肉の藁焼き)。一般に豚バラ肉は韓国語でサムギョプサル(三層の肉)と呼びますが、皮付きのものをオギョプサル(五層の肉)と呼び分けます。そんな分厚い豚バラ肉に粗塩を振り、両面焼き用の網でパタンと挟んだら、厨房裏の焼き場で豪快に下焼き。よく乾燥させた藁は勢いよく炎をたてて燃えるので、豚肉の表面を瞬時に焦がし、しっかりと肉汁を閉じ込めてくれるのが利点だそうです。

勢いよく燃えさかる炎の中、決して焦がさず表面だけを炙ってゆく

景気よく火柱が上がる姿は見ていても壮観でしたね。半割りのドラム缶に藁をひとつかみ入れると、炎がボッ。勢いよくボッ。ときおり網を返しながら、また片手で藁をつかんで入れてボッ。その慣れた手つきに、僕はただ見とれてボーッ。なんというかある種のエンターテインメントを見ているようでもありました(実際は厨房なので残念ながらお客さんは入れません)。

こんがりと焼けた表面。鉄板の上でじっくりと中まで火を通す

どうですか、このこんがり具合。いい感じにコゲめがついて、溶けた脂がぷちぷちと弾けて。皮のあたりなんかもパンッと張って、いかにも食欲をそそりますね。

ハサミでのカットは基本的にセルフ。端からひと口大に切ろう

鉄板の上でもう1度じっくり焼きながら、ハサミで適度な大きさにカット。トングとハサミのサイズから、豚肉のずっしり感が伝わってきますでしょうか。

ひと口大に切ったら、断面を下にして内部までをよく焼いてゆく

きれいに切り揃えてこんな感じ。赤身の部分と、脂の部分のグラデーションも美しいですよね。中まで火が通ったら、まずは肉だけでシンプルに味わってみてください。粗塩のほんのりとした下味だけでも、肉質のよさ、脂の甘味を存分に感じられるはず。皮の部分がクニッとして、脂の部分がザジュッとして、身の部分が少し締まった感じにシコシコとして。そして、ふた口目以降は、田舎味噌をちょんと載せたり、イワシの塩辛にちびっと浸したりしてもたいへん美味です。

たっぷりの包み野菜。季節によって野菜のラインナップも変わる

そして、この店ならではの大きな魅力と言えるのが、たっぷり盛られた包み用の葉野菜。それも珍しい野菜が多かったですね。いちばん上に横たわっているのが、韓国で山ニラとも呼ばれるセッカヤマネギ。ぷちっとちぎると、中がとろーっと糸を引いているという独特の粘り気が持ち味です。その下敷きになっているのが、ちょっとセロリのような風味のあるトウキ(当帰)の葉。根茎を韓方材として利用するのも有名ですが、鮮度のよい葉っぱは生のまま和え物にしても美味しいです。

サンチュをベースに山ニラやトウキで風味に変化をつける感じ

これらの野菜と一緒に豚肉を食べれば味わいも千変万化。韓国らしくニンニクと青唐辛子も載せてガブッといっちゃってください。

光州市内でもあまり流通していない地元を中心とした希少な銘柄

口の中がくはーっとなったら、それをなだめるのは搾り立てのマッコリ。醸造場直送というか、醸造場併設というか、むしろ敷地内なのですが、ともかくも限りなく新鮮な状態で飲めます。銘柄は濁りのあるドンドンジュと、上澄みだけをとったマルグンスルの2種。どちらも一般的なマッコリに比べて、アルコール度数が8度と少々高いのですが、飲み口がすっきりしていてスイスイと入っていきます。べたっとした甘さがなく、どちらもさらりとしているので、こってりとした豚焼肉との相性は抜群です。

この組み合わせのためだったら、多少不便でも行くしかないですね。ただし、あくまでも醸造場がメインなので、営業時間は16〜21時のわずか5時間。月曜定休。要予約とハードルはけっこう高いですが、頑張って目指してみてください。

<物件データ>
店名:ムドル酒幕(무돌주막)
住所:光州市北区新村セッカンキル120-3(清風洞856-9)
住所:광주시 북구 신촌샛강길 120-3(청풍동 856-9)
電話:062-266-6086

  
八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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