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この秋、注目されそうなあの町はツルツルもちもちのジャガイモ料理も絶品

    
八田 靖史
八田 靖史
白い砂浜の続く韓国の東海岸。夏になると大勢の海水浴客で賑わう

普段、海というとそこにどんな魚がいて、どんなうまいものを食べられるかばかりに関心が行くほうなのですが、こと韓国の東海岸を訪れたときだけは、砂浜からぼーっと眺めるのを楽しみにしています。特に韓国の北東部、江原道という地域の江陵(カンヌン)、襄陽(ヤンヤン)、束草(ソクチョ)あたりの海が好きですね。真っ青な中に、天気のいい日は緑がかっても見えて。このへんの地域ではいまだにこのきれいな海水をくみ上げて、にがりのかわりに豆腐を作っていたりもするぐらいです。

江陵の烏竹軒。名前は建物の周囲に烏竹(黒竹)が多かったから

現在、韓国の江原道というと2018年に平昌(ピョンチャン)で冬季オリンピックが開かれるというのがもっぱらの話題ですが、韓国内ではそれよりも一足早く、今年の秋が注目されています。写真は江陵にある有名観光地のひとつ。烏竹軒(オジュッコン)と呼ばれる朝鮮時代前期(14〜15世紀頃)に建てられた邸宅で、個人の住んだ木造住宅としては韓国でもっとも古い部類に入ります。そして、この家で生まれ育ったある有名な方というのが……。

申師任堂の像。朝鮮時代中期の1504年に烏竹軒で生まれた

こちらの女性。本名を申仁善(シン・インソン)と言いますが、書家であり、画家でもあり、詩人でもあったため、号をとって申師任堂(シン・サイムダン)と呼ばれることが多いです。韓国によく行かれる方は、5万ウォン札を見てみると、この女性が描かれているのに気付くはず。そのすぐ隣に描かれているブドウ(墨葡萄図)や、ナス(草蟲図繍屏)も彼女が描いた作品であり、5000ウォン札の裏にも彼女の描いたスイカや鶏頭、チョウ、キリギリスの絵があります。

栗谷李珥の像。退渓李滉と並んで韓国の2大儒学者と称えられる

なぜ5000ウォン札にも作品が登場しているかというと、表に描かれた儒学者、栗谷李珥が申師任堂の実の息子であるから。紙幣上での親子共演ということになりますが、韓国では申師任堂というと自身の評価よりも、立派な息子を育てた良妻賢母の鑑として語られることが多いです。先ほど江陵は今年の秋に向けて注目が集まっていると書きましたが、2016年10月から申師任堂を主人公とする時代劇ドラマが始まる予定。もっと詳しく知りたい方は、そちらもチェックしてみてください。

カムジャジョン。小麦粉のつなぎは入れずジャガイモだけで作る

さて、ここからが本題ですが、古くから文化的に栄えてきた江陵には現在も美味しい郷土料理がたくさんあります。冒頭で触れた海水をにがりのかわりに使って作る、草堂地区のスンドゥブ(押し固めない柔らかな豆腐)もそのひとつ。港町だけあって魚介も美味しいですし、カフェの多いコーヒーの町でもあります。そしてまた柄山洞という地域ではジャガイモがたくさんとれるため、ジャガイモ料理の専門店通りがあります。そこではまずこのカムジャジョン(ジャガイモのチヂミ)と……。

鶏の足に薬味ダレを塗って焼いたタッパル。風味の香ばしさも魅力

タッパル(鶏足焼き)を肴にマッコリをぐいぐい飲むのが鉄則。注文ごとにジャガイモをすりおろして作るカムジャジョンは、外側がカリッとして中はもちもち。ゼラチン質の豊富なタッパルは、ぷりぷりとした食感と、食欲をそそるピリ辛具合が絶妙です。それはもうマッコリが進んで仕方ないぐらいですが、しっかりほろ酔いになってこそ美味しいのが……。

カムジャオンシミ。もともとはこの地域で作られる家庭料理だった

柄山洞名物のカムジャオンシミ(ジャガイモのすいとん汁)です。コンブと煮干しでとったスープはジャガイモから溶け出たでんぷんでとろとろ。薄味ながらもエゴマとニンニクが効いてコクがあります。

オンシミとは団子、白玉を指すが、この町ではすいとん状に作る

スープだけでもかなり優秀ですが、メインはやはりジャガイモのすいとん。これまたジャガイモをすりおろして作るのですが、表面はつるん滑らかながら、真ん中に少しの芯があってザックリかつもちもち。ジャガイモの微細なつぶつぶ感も残って、ひとつ口に入れるだけで多彩な変化を楽しめます。

チャンカルグクス。最近メディアで取り上げられてプチブレイク中

胃袋に余裕があったら、江原道の郷土料理であるチャンカルグクスもおすすめ。味噌やコチュジャンで味付けをしたどろっと濃厚ぴり辛のうどんです。

マンソン食堂。家族経営のアットホームな雰囲気で地元客が多い

これらの料理が食べられるお店はこちら。柄山洞のカムジャオンシミ通りでは古株の「マンソン食堂」です。地元江陵の注文津(チュムンジン)マッコリも用意していますが、隣町の旌善(チョンソン)から仕入れるトウモロコシマッコリも人気とのこと。地元の方に混ざりながらマッコリを飲み、名物のジャガイモ料理に舌鼓を打ってみてください。ちなみにお値段たいへんリーズナブルで、マッコリ(大)に、カムジャジョン、タッパル、カムジャオンシミ、チャンカルグクスとひと通り頼んでも、栗谷李珥先生5人分。お母さまがおひとりいれば4人でたらふく飲めます。

<データ>
店名:マンソン食堂(만선식당)
住所:江原道江陵市空港キル46(柄山洞384-1)
住所:강원도 강릉시 공항길 46(병산동 384-1)
Tel:033-653-1851

  
八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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