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「高慢と偏見」の作者をたずねて ジェーン・オースティンの家(前編)

    
小野 雅子
小野 雅子
ハンプシャー州チョートンの村

イングランド南東部にあるハンプシャー州にある、チョートンという閑静な村。ここには小説家ジェーン・オースティンが母や姉と暮らしていた家があり、今では彼女の博物館として一般に公開されています。

ジェーン・オースティンの家

彼女がこの家に住んでいたのは1800年代初期の8年間。姉のカサンドラ・エリザベスと同じく生涯を独身で過ごしたジェーンは多くの小説をこの家で著したのち、病のために41歳の若さで世を去りました。

200年前の雰囲気が伝わってくる室内

当時の中産階級では、独身女性は男性親族に扶養されて生活するのが一般的。だからジェーン達も父親の庇護のもと、また父親の死後は6人の兄弟に財政面で支えられて暮らしていたそうです。

華美ではないものの質の良さが分かる オリジナルの家具 

そんな時代を生きていたジェーンとって執筆活動は収入のためというよりも、内面から湧き上がる創作欲を満たす動機のほうが強かった事でしょう。「高慢と偏見」「エマ」など今でも多くの読者に愛されている彼女ですが、当時の印税は多額でないうえ彼女の存命中は匿名で出版されていたため、売れっ子作家の華やかな生活とは無縁の生涯でした。

ジェーンと母・姉の三人が囲んだ食卓

この家でジェーンが母と姉の三人で過ごした日々は、中産階級の女性らしく読書や裁縫・手芸を中心につましく地味なもの。

ジェーン達が弾いていたピアノ
素朴ながら趣味の良さがうかがわれる 手入れの行き届いた美品

朝食の後はしばらくピアノを弾いてから、この小さなテーブルで小説を書いて午前中を過ごしたジェーン。

実際にジェーンが執筆に使っていたテーブル
想像図:執筆中のジェーン

午後は散歩をしたり、母や姉とともに繕い物や手芸をする日々でした。

見事な刺繍 ジェーンと姉カサンドラの作品

姉や母親は70歳〜80歳まで長生きしていたのに反し、41年という短い生涯を終えたジェーン。不運な病気にさえかからなければ更に沢山の小説を書き、その数十年後に作家として名を馳せたブロンテ姉妹のように、実名で出版された自分の本を見届ける事が出来たかもしれません。

本棚のコーナーには日本語訳の著書や関連本も

家の一角にあった本棚には、世界各国で出版された彼女の著書や、関連書が並んでいました。

ジェーンの小説は、出版当時よりも19世紀後半に人気が上昇しました。特に大戦後から現在に至るまでは、数々の映画やTVドラマの原作となっています。

中産階級の女性とそれを取り巻く男性たちがストーリーの主軸で人物描写が優れている反面、政治的・世相的な要素が少ない点が、現代にも大いに通じる普遍性を保ち続けているのでしょう。

存命中には大きく脚光を浴びる事なく、早逝したジェーン・オースティン。それでも創作を生き甲斐にしていた彼女の暮らしぶりが伝わってくる、清涼な空気をたたえた家でした。

【データ】
ジェーン・オースティン・ハウス(Jane Austen's House Museum)
住所:Chawton, Alton, Hampshire, GU34 1SD
Tel:0142 083 262
URL:http://www.jane-austens-house-museum.org.uk/


  
小野 雅子

小野 雅子
ロンドン西郊外に住む会社員、職場はヒースロー空港周辺です。在英20年以上の経験値を発揮して、初めてイギリスへいらっしゃる方にも興味深く分かりやすいロンドン観光&生活ガイドとしてお役に立てれば…と思います。個人ブログ「ロンパラ!」はこちら

    

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