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クアラルンプール 歴史的建造物が集まる独立広場周辺のみどころ

   
阿部 吾郎
阿部 吾郎
 
スルタン・アブドゥル・サマド・ビル

マレーシアの首都、クアラルンプールの西側に位置する独立広場(ムルデカスクエアー)周辺には、19世紀後半に建てられた植民地時代の歴史的建造物が集まっています。今では、街の中心はブキビンタン通りやKLCC地区に移りましたが、独立広場があるオールドタウンは、クアラルンプール発祥の地であり、かつてはここを中心に街が発展していきました。

独立広場(ムルデカスクエアー)

独立広場は、1957年8月31日にマレーシア独立が宣言された歴史的な場所です。正面に、99メートルの高さを誇る掲揚塔がありマレーシア国旗がはためいています。毎年独立記念日にはここで式典が行われるのをはじめ、様々なパレードやイベント、競技会などが行われます。

スルタン・アブドゥル・サマド・ビル

独立広場の向かいにある、ひときわ目を引く建物がスルタン・アブドゥル・サマド・ビル(旧連邦事務局ビル)です。1897年にイギリス人建築家の設計により建築されたもので、イギリスのビクトリア様式とイスラム建築を融合させた、マレーシア植民地時代を代表する建築物です。
内部は公開されていませんが、外観を見るだけでも十分価値があります。記念撮影のスポットとしても人気です。

スルタン・アブドゥル・サマド・ビル

夜景も美しいので、おすすめです。独立広場から、建物の正面やや右手から見ると、後ろにペトロナスツインタワーとKLタワーが見えて、クアラルンプールの3つの代表的な建物をすべて視界に収めることができます。
ただし、オールドタウン周辺はやや治安の良くない地域ですので、日中はほとんど問題ありませんが、夜間一人で行動したり、女性だけで行くのはおすすめできません。

クアラルンプール・シティー・ギャラリー

独立広場の南側にある建物で、観光客たのめのインフォメーションセンターとなっています。市内の地図など様々な資料が手に入ります。クアラルンプールの歴史を紹介する展示や、お土産店もあります。
この建物自体も歴史的建造物で、1898年に植民政府の印刷局として建てられたものです。政府が発行する出版物や鉄道のチケットなどが印刷されていました。

クアラルンプール・シティー・ギャラリー

シティーギャラリーの入口の横には、「I LOVE KL」のオブジェがあり、記念撮影のスポットとして人気があります。

クアラルンプール・シティー・ギャラリー

シティーギャラリーの2階に、「ディスカバー・ザ・シティー・クアラルンプール」という、クアラルンプールに現在立っている建物、これから立つ建物が並ぶ巨大な模型があります。この模型の街が朝から夜まで移り変わって行く様子を映像と共に紹介する10分程度のショーを見ることができます。

国立テキスタイル博物館

シティーギャラリーの道路をはさんで向かいにあるのが、国立テキスタイル博物館です。もともとは、1905年にマレーシア連邦鉄道本社ビルとして建設された建物です。

その後、様々な部局により使われていましたが、国立テキスタイル博物館として2010年1月9日にオープンしました。
マレー人、中国人、インド人、オランアスリ、サバ・サラワク州の土着民族など、様々な人種が集まった多民族国家マレーシアの手工芸品を収集・保存・修繕・展示
することを目的としています。
バティック、ソンケット、ニョニャクバヤなど、色鮮やかな美しい衣装や様々な工芸品を見ることができます。

パングン・バンダラヤ

スルタン・アブドゥル・サマド・ビルの北側にある、1901年に建設された劇場で、スルタン・アブドゥル・サマド・ビルや国立テキスタイル博物館をデザインしたイギリス人建築家のデザインによるものです。

パングン・バンダラヤ

クアラルンプールの開発と発展の歴史を物語るミュージカル「MUD(マッド)」の専用劇場として使われています。

マッドに出演する役者たち

マッドは、50分間の短いミュージカルですが、個性的で魅力あふれるキャラクターがたくさん登場し、言葉がわからなくても十分楽しめます。
19世紀半ばの錫の採掘ブームに誘われて街にやってきた3人の若者が、様々な困難に打ち勝ちながら己の道を切り開いていきます。彼らのような開拓者の働きで、クアラルンプールの街が発展して行った歴史が語られています。

マスジット・ジャメ

マスジット・ジャメは、1909年に当時のセランゴール州のスルタンによって建築された、 クアラルンプール最古のモスクです。

マスジット・ジャメ

長らく改装工事が行われていましたが、2013年8月に一般公開され、人気の観光スポットとなっています。女性は、肌や髪を露出した服装では入ることができませんが、フード付きのローブを借りることができます。

クアラルンプール発祥の地

マスジット・ジャメが建っている場所は、クラン川(向かって右)とゴンバック川(向かって左)の合流地点にあたります。
クアラルンプールとは、マレー語で「泥の川が交わるところ」を意味し、この場所こそがその語源となったクアラルンプールの発祥の地なのです。これを知らないと見過ごしてしまいそうな風景ですが、歴史的に重要な場所ですので是非訪れてみてください。

独立広場周辺には、クアラルンプール駅や鉄道公社ビルなどまだまだ多くの歴史的建造物があります。また、チャイナタウンには、陳氏書院、関帝廟などの寺院もありますので、是非散策してみてください。

【施設情報】

クアラルンプール・シティー・ギャラリー
営業時間 9:00-18:30
休み   無休
入場料  無料

国立テキスタイル博物館
営業時間 09:00-18:00
休み   ハリラヤブアサ・ハリラヤハジの期間
入場料  無料

パングン・バンダラヤ
チケット販売 10:00〜21:00 公演は、15:00と20:30の1日2回
休み   不定休
チケット 60リンギット

マスジット・ジャメ
見学可能時間(月〜日)8:30-12:30, 14:30-16:00 (金)15:00-16:00
休み  無休
入場料 無料

阿部 吾郎

阿部 吾郎
24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年4~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。

    

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