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進化するタッカルビ 〜本場の春川まで行く前に知っておいて欲しいこと

    
八田 靖史
八田 靖史
春川の中心街である明洞にはタッカルビの専門ストリートがある

日本で韓流という単語が広まり始めた頃、春川(チュンチョン)と聞けばまず何よりもドラマ『冬のソナタ』でした。春川が主要なロケ地として使われたことで、町のあちこちには物語の痕跡がたくさん。並木道で有名な南怡島(ナミソム)をはじめ、ロケ地巡りをしたファンの方はずいぶんな数でした。あれからはや13年。だいぶ年月を重ねましたが、そんな冬ソナよりも長く、春川の象徴として君臨してきたのがタッカルビ(鶏肉と野菜の鉄板炒め)という郷土料理。春川市によればその誕生は1960年頃といいますから、すでに50年以上の長い歴史を持っています。

明洞タッカルビストリートには約20軒の専門店が軒を連ねている

観光客にとって春川でタッカルビといえば、市の中心街にある明洞(ミョンドン)のタッカルビ通りがいちばん有名です。ただ、もう少し情報を探ってみると、ほかにもタッカルビ店の密集地域はたくさん。それも少しずつカラーが違って面白いのです。楽園洞(ナグォンドン)や温衣洞(オニドン)には昔ながらの老舗が多く、住宅街の後坪洞(フピョンドン)には地元民に愛されるローカルな店が並び、昭陽湖(ソヤンホ)沿いには一般的な鉄板焼き方式でなく網焼き方式の店が集まっています。

網焼きのタッカルビ。タップルコギという名前で出す場合も多い

ちなみにこれがその網焼き方式のタッカルビですが、もともとのタッカルビというのがそもそもこういった料理だったとか。発祥に関しては諸説あるのですが、もっともよく知られているのが、豚カルビ焼きの屋台が仕入れの関係で豚肉を入手できず、鶏肉で代用したところ大好評だったというもの。薬味ダレで味付けをした鶏肉を豚カルビのように、網で焼いて提供するというのが本来の姿でした。現在でも昭陽湖沿いのみならず、楽園洞にある老舗などではこういったタッカルビを出しています。

元祖チョヤットルスップルタップルコギ。チョヤットルが小石の意

それが時代を減るにつれて鉄板焼きの方式が主流となり、いまではタッカルビというとこちらをイメージする人のほうが多いぐらいですが、面白いのはそこからまた少しずつ進化した店もあるということ。こちら地元の人のおすすめで足を運んだ楽園洞の「元祖チョヤットルスップルタップルコギ」では......。

炭火で石を熱して焼く。熱しても割れたりはぜない石を使っている

なんと石焼きのタッカルビを提供。テーブルに炭火が運ばれ、昔ながらの網焼きにするのかなと思いきや、そこへ石がズンと並べられる驚きがまず楽しいお店です。黒くて大きな石は炭火を覆い尽くすように並べられており、なるべく平べったい面を上に向けつつ、ここに鶏肉を並べて焼くという趣向です。

石の表面で鶏肉を焼く。焼けムラができないよう配置に注意が必要

石の上でジュワーっと焼けていく鶏肉の香りがたまりませんねぇ。タッカルビというと野菜や餅などの具も楽しみのひとつですが、この焼き方では純粋に鶏のみ。甘辛い薬味ダレに絡めたぶつ切りの鶏モモ肉だけを焼いて集中的に味わいます。

メニュー名はスップルタッカルビ。1人前300gで1万ウォン

表面に焼き目がついたら、焦げないようにひっくり返し......。

店の方針としてMSGのみならず砂糖、市販の粉末ダシも不使用

食べやすい大きさにハサミでカット。中まで火が通ったらそのまま食べてもいいですし、サンチュなどの葉野菜に包んでもよし。また少し甘味のある醤油ダレにつけて食べても美味しいです。でも、いちばんはやっぱり焼き立てをそのまま口の中に放り込み、アツアツのフハフハを楽しむことですね。炭火焼きならではの香ばしい煙の風味が鼻に抜け、どこか韓国式の焼きとりを食べているような錯覚にも陥ります。

そして肉もいいですけど、味付けもいいんですね。この店はMSG(うま味調味料)不使用を掲げており、ナツメや甘草などの韓方材を使うことで甘味や深みを出すよう工夫しています。厨房内をのぞいて見ると、韓方を煮出す専用の機械が置かれており、独自の配合で味付け用の韓方エキスを作っていました。

チョルパン(鉄板)タッカルビ。1人前300gで1万ウォン

なお、石焼きが自慢のお店ですが、鉄板焼きのタッカルビもメニューにあります。こちらにもこだわりがたくさんあって、社長さんによれば「他の店に比べると色がくすんで見えるかもしれませんが、それはコチュジャンを使っていないからです。鮮やかな色にこそ仕上がりませんが、そのぶん素材の味を活かすようにしています」とのこと。確かに刺激が少なく穏やかな味わい。先に書いた韓方材の甘味と、うっすらカレー粉のような風味、そしてエゴマの粉がたっぷり入ってコクを出していました。

炒めごはんは鉄板焼きのタッカルビのみ。1人前2000ウォン

個人的にはまず珍しい石焼きを食べて欲しいですが、人数に余裕があるなら鉄板焼きも一緒にシェアしていただきたいですね。鉄板焼きのほうには最後にごはんを炒めて食べるというオプションもありますし、ごはんと炒めることでエゴマの風味がよりいっそう濃厚になって格別なのです。

店名:元祖チョヤットルスップルタップルコギ(원조 조약돌 숯불닭불고기)
住所:江原道春川市楽園キル43-1(楽園洞22)
住所:강원도 춘천시 낙원길 43-1(낙원동 22)
Tel:033-264-0858

  
八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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