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コリコリとふわふわ、ふたつの食感が絶妙に重なり合う田園地域の朝ごはん

    
八田 靖史
八田 靖史
忠清南道唐津市にある「テアウロンイ専門食堂」

韓国の西海岸に面した忠清南道の唐津(タンジン)。先日、この町に3泊する機会がありました。朝ごはんを食べようとホテルのフロントで唐津のおすすめ料理を尋ねてみると、返ってきたのがウロンイサムパプ。なるほど、その料理がありましたか。ひとまず料理の詳細は置いといて、教えていただいたのがこんな店でした。到着してすぐ気付いたのですが、この地域にはウロンイサムパプの専門店が集まっているんですね。韓国ではよくあることですが、ひとつ店が当たると2匹目、3匹目のドジョウを狙って、同じような店が次々にできます。最初に始めた店は競合店が増えてたいへんですが、そのぶん目立って話題にもなるとのメリットも。

チンチャウォンジョ(本当の元祖)と書かれた店の看板

ただ、それでも差別化は大事なので、看板に「元祖」を掲げる店は多いです。ハングルが読める方は、縦書きになった4文字の部分に注目してください。ただの元祖ではなく、「チンチャウォンジョ(本当の元祖)」と書いてあるあたりに力強さを感じますね。ホテルの方がここを薦めてくれた理由は、「地元の人がよく利用する」というもの。ネットなどからでも情報はたくさん拾える時代ですが、経験上、地元情報を丹念に拾うほうが美味しい店に出合える確率は高まるようです。

唐津名物のウロンイサムパプ(タニシの葉野菜包みごはん)

さて、そのウロンイサムパプがこちら。2人前の定食が丸ごと載る大きなお盆で運ばれてきました。これらの料理全体を指してウロンイサムパプと呼び、サムパプというのが葉野菜でごはんやおかずを包んで食べる料理の総称。写真には見えていませんが、これとは別にサンチュがドサッと運ばれています。そして、メインの食材となる「ウロンイ」が......。

テンジャンチゲ(味噌チゲ)に具として入っているタニシ

こちらです。田んぼなどでとれる淡水貝のタニシ。韓国語ではウロンイ、またはウロンとも呼ばれます。最近では養殖物が主流を占めていますが、もともとこの唐津という地域は稲作が盛んなことで有名な地域。隣接する礼山(イェサン)地域にまたがって、広大な礼唐(イェダン)平野が広がっており、この土地でとれるヘナル米はブランドとして全国に名前を轟かせています。こうした米どころなら、タニシ料理が郷土の味として根付いているのも納得のできる話ですね。

味噌、タニシ、豆腐を混ぜ合わせたウロンイサムジャン

とはいえ、タニシと聞いて泥臭いイメージを持つ人もいるかもしれません。実際はまったくそんなことがないうえ、コリコリとした食感がなんとも心地よく、いずれのタニシ料理も箸が進んでなりません。中でもこのトゥッペギというチゲ用の器に入ったこちら。サムジャンと呼ばれる包み味噌ですが、たっぷりのタニシと、そして豆腐を混ぜ込んでいます。ほんのり甘めに仕上げた味噌に、ふんわりとした豆腐の食感が重なってやさしい味わい。コリコリのタニシとともに、ついこれだけでバクバク食べてしまうほどに美味しいです。もう、この時点で大絶賛。

クラゲの和え物。タニシやごはんとともに葉野菜に包んで味わう

隣に並んでいたこちらはクラゲの和え物。見た瞬間、イカの塩辛かとも思いましたが、コリコリとした食感は間違いなくクラゲです。これはいい箸休めとつまんだら、すかさずお店の方が「いやいや、そうじゃない」と。

店の壁に貼られていたウロンイサムパプの美味しい食べ方

お店が指南する美味しい食べ方というのがあるようですね。貼り紙としても出ていましたが、「1、トゥッペギの中のサムジャンをよく混ぜる」、「2、手にサンチュを載せる」、「3、サンチュの上にサムジャン、クラゲ、千切り大根の和え物、ごはんを載せ、美味しく食べる」というのが流儀だそうです。

サンチュにタニシ味噌、クラゲ、大根、ごはんを載せたところ
包んでさらに美味しい

その通りに試してみたのがこちら。くるんと包んでガブッと頬張ってみれば、タニシとクラゲのコリコリ、大根とサンチュのシャキシャキ、そしてサムジャンの豆腐とごはんはふんわり柔らかく、口の中がもう大騒動ともいうべき賑やかさなのでした。いやあ、これは楽しいですねぇ。噛むごとに主役が変化して、いろいろな味を楽しめる食べ方です。

さっぱりとした味わいのウロンイチョムチム(タニシの酢の物)

こちらはウロンイチョムチム(タニシの酢の物)。メニューには2種類のウロンイサムパプがあって、ひとつがこの酢の物が一連のセットにつくもの。

こってりとした味わいのチェユッポックム(豚肉の炒め物)

もうひとつにはこちらのチェユッポックム(豚肉の炒め物)がつきます。ひたすらタニシ尽くしで味わうか、あるいは豚肉の炒め物で変化をつけるか。この豚肉もごはんと一緒にサンチュで包むと美味しいんですよね。耳から煙が出るほど悩む場面ですが、両方の料理は単品でも頼めるので、贅沢にどっちもという選択肢もあったりします。定食はいずれも1人前1万2000ウォン(約1200円)。単品はどちらも1万ウォン(約1000円)です。

【データ】
店名:テアウロンイ専門食堂(대아우렁이전문식당)
住所:忠清南道唐津市新平面西海路7437(道城里499-2)
住所:충청남도 당진시 신평면 서해로 7437(도성리 499-2)
Tel:041-362-4456

  
八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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