台湾は日本同様、健康ブームが到来し、健康のためにマラソンを始める人の人口が年々増えています。私も台湾に来た5年ほど前からマラソンを始めましたが、その頃はマラソンの申し込みも締め切り直前に行っても十分間に合っていましたが、最近は申し込み開始時間に申し込みをしても一瞬で定員満額になって申し込めなかったり、または抽選になったりするほどです。
特に台北マラソンは台北市内をかけぬける大会で、交通も便利なので、台湾国内だけでなく世界中から申込者が殺到する人気の国際マラソン大会です。
昨年は定員満額で申し込めませんでしたが、今年は抽選方式へと変わり、抽選で当選できたので無事に申し込みをすることが出来ました。
台北マラソンは毎年12月の第三日曜日に開催され、毎年申し込みの時期は変わりますが、今年は9月頃にエントリーがありました。
台北マラソンは海外からの申し込みも可能で、支払いもクレジットカードなども利用できます。ゼッケンやタイム計測に必要なICチップなどは台湾国内なら大体1週間ほど前に郵便で受け取ることが出来たり、海外から参加の方は前日に指定の場所で受け取ることが出来るようです。
ゼッケンは参加する距離ごとに色が分かれているので必ず着用する衣服に付け、ICチップは靴紐に結び準備して参加します。走り終わったら会場内でICチップを回収しており、ICチップを返却すれば100元を返してくれるようになっています。
台北マラソンは台北101の麓、台北市政府前を出発し、台北市政府前に戻ってくると言う台北市内を駆け抜けるコースになっています。毎年スケジュールは変わりますが、大体午前6時頃に市政府前に来るような集合時間になっています。
台北マラソン当日はこの大会のために普段より早くからMRTが運行し、台北市内にステイしていれば公共交通機関で訪れることもできるのもこの大会の人気のポイントです。
大会当日は駅から市政府前の広場へ繋がる地下道も普段より早くから解放してくれます。地下道の途中にはコンビニもあり、朝食などを購入する人たちが多くいました。
また、皆さんが持っている荷物入れの赤い鞄は台湾のマラソン大会の公式荷物バッグで、大会当日も荷物預け場所で１つ100元で購入できます。ゼッケンの控えを入れられるスペースがあり、荷物を預ける際も便利です。このようなバッグしか大会の荷物預かり場所では預かってもらえないので、持っていない人は当日購入することをおすすめします。台湾のマラソン大会はこのバッグをどの大会でも使用できます。
外に出るとまだ6時で辺りは暗かったですが、今回の大会当日は雨にも降られず、寒すぎず、暑すぎずとコンディションが抜群でした。
ステージでは台湾の有名人が司会をするイベントが行われます。今回の招待選手を紹介したり、またスタート時間が近づくとみんなで準備運動をしたりします。
台湾でも最大級のスポーツイベントとなる「台北マラソン」では大会のサポート企業のブースやまた日本の都道府県などのブースもあり、マラソンには参加しない人や付き添いで来た人たちも楽しめるようになっています。
今回の大会はフルマラソン、ハーフマラソン、10kmマラソンの3種類のコースに分かれ、フルマラソン、ハーフマラソンの出発はAM6:30、10kmランはAM7:00のスタートでした。6時頃にはフルとハーフの選手たちが続々とスタート地点に集合し、今か今かとスタートを待ちます。
市政府前の広場にあるマラソンのスタート地点からは台北101が良く見えます。到着したころにはまだ暗かった空も段々と朝焼けになっていき、もうすぐスタートです。
スタート時刻になり、いよいよスタートです。スタート後はたくさんの人の流れでなかなか進めませんが、大会記録とNETタイム(自身がスタートをきった時点の時刻からの計測)も計っているので、焦らず安全にスタートしてください。
台北マラソンの人気の理由の一つは台北の観光名所を見ながら走れることです。また普段は走ることが出来ない台北の中心地の道路を封鎖して、思う存分走れるのも人気のポイントです。
今回、ハーフマラソンで参加しました。最初はフルマラソン、ハーフマラソン共に同じ道のりを走ります。
スタートして信義エリアを走り抜けた後に、国父紀念館の横を走って、仁愛路へ抜けていきます。
仁愛路を東から西へずっと走ると、突き当りに総統府が見えてきます。ここで約5km地点です。仁愛路の突き当りから今度は中山南路に入り、北上していきます。
沿道にはコスプレをした応援のグループがいくつも来ていて、「加油（ジャーヨ・中国語で頑張れの意味）」と掛け声をかけてくれたり、ハイタッチをしたりして元気づけてくれます。苦しい時も応援を聞くと元気が出て脚が進みます。
圓山エリアの花博公園の横あたりに坂があり、苦しいですが、そこを抜けて約10km地点に来ると圓山大飯店が横に見えてきます。このように台北のランドマークを見ながら走るのはとても楽しいです。
圓山エリアから内湖エリアに抜ける道は長く、風景も似ているので苦しくなってきます。途中に忠烈祠の門が見えてくるとここで約12kmです。
ここから3kmほど走ったあたりにハーフとフルの分岐点がありました。
内湖エリアが終わりに差し掛かるとゴール地点となる台北101が遠くに見えてきます。ここでハーフの15kmを少し過ぎたあたりです。まだまだコースは続きますが、台北101がだんだん近くなってくるのを見ると励みになります。
内湖エリアが終わるとそこから高速道路に上がります。この辺りでハーフの17km程の地点です。高速道路に上がる坂は疲れてきた脚にはとてもきついですが、コースも残りあと少しです！
給水エリアは約5km地点ごとに設けられ、途中お手洗いなどもあります。また、終盤の給水エリアではクッキーやバナナなどのエネルギー補給食も用意されています。
高速道路の途中でフルとハーフがまた合流します。ハーフで走っている我々の横をフルで参加の招待選手などが走り抜けていくのは圧巻の光景で、みんな思わず拍手でエールを送ります。
高速道路を下りたあたりで残り約3kmになります。
信義エリアに戻ってきてトンネルに入り、トンネルで最後の坂道を上れば、残りは約1km！ラストスパート！最後に台北101の横を抜けてゴールに到着です！
ゴールに到着すると記念のメダル、そしてタオルをもらえます。
参加選手に贈られるパンやバナナなどの軽食セットなどのお土産も各指定エリアでもらえます。またシューズにつけたICチップもはずして係の人に渡すと100元が返却されるのでお忘れなく！
台北マラソンは様々な台北のランドマークを見ながら走れる大会と言うことでとても人気を集めています。近年では申し込みがすぐ定員いっぱいになるほどの人気ぶりで参加も難しいですが、高低さなども少ないコースは難易度も低く、初心者にもおすすめの大会です。台北旅行の計画の際にはマラソン大会参加も計画してみるのも楽しいかもしれませんね！
【データ】
臺北馬拉松 （Taipei Marathon）
2015年度版Webサイト
URL：http://www.sportsnet.org.tw/20151220_web/
中華民國路跑協會（Chinese Taipei Road Running Association）
URL:http://www.sportsnet.org.tw/
石井 三紀子
台湾人との国際結婚により2011年より台北在住。台湾で教育関係の仕事を経て、2012年より台湾現地旅行社にて台湾国内担当として勤務。2015年に旅行社退社後、今までの経験を生かし台湾のフリーライター、またデザイナーとして活動。
趣味は写真撮影と食べ歩き。強靭な胃袋(?)でローカルグルメから贅沢グルメまでを食べ歩き、フットワーク軽く台北だけでなく、高雄や台中をはじめとする都市にも出没。
くいしんぼうCAMのもっとおいしい台湾!!!! 
