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韓国全土で食べられている人気屋台オヤツの発祥地を訪ねてみる

    
八田 靖史
八田 靖史
仁荷大学前にある仁荷文化通りに目指す元祖の店がある

新年明けましておめでとうございます。韓国語では「セヘ ポン マニ パドゥセヨ」。直訳すると「新年の福をたくさんお受けください」という意味になります。韓国語には五福という言葉があって、一般的に食福、財福、官福、寿福、人福を指します。それぞれ、食事、財力、出世、長寿・健康、人の縁に恵まれることを意味しますが、このコラムを読んでいる皆様には、新年たくさんの「食福」をお受けいただきたいですね。今年も韓国料理のライターとして、美味しい話題をたくさんお届けしたいと思います。

仁荷大学の校舎。卒業生には有名な韓流スターの名前も

さて、こちらの建物はソウル郊外の仁川(インチョン)にある仁荷(イナ)大学。工学部が有名な私立の名門であり、その名称は仁川の「仁」と、荷蛙伊(ハワイ)の「荷」を掛け合わせたそうです。ハワイへの同胞移住50周年(1952年)を記念し、ハワイ移民らが資金を提供したこともあって、こうした名前がつけられたのだとか。国際空港のある仁川らしい、国際的なネーミングの大学とも言えそうです。

ハングルで元祖トンケランヨンヤンパンと書いてある

そんな仁荷大学の目の前にあり、歴代の仁荷大生に愛されてきたのが、こちらのお店で売られている元祖トンケランヨンヤンパン。トンが丸ごと、ケランが卵(鶏卵)、ヨンヤンパンが栄養パンという意味なので、まとめると「丸ごと卵の栄養パン」ということですね。なお、韓国語で「パン」というと、食パンやあんパンのみならず、甘い焼き菓子などもその中に含みます。すると、どういう料理になるのかというと…。

昔ながらの手焼きでひとつひとつ丁寧に仕上げている

こんな感じ。大多数の方が、「え、これってほにゃらら焼きじゃないの?」とおっしゃるかと思いますが、そのほにゃららに入る単語は地域によって少しずつ異なるかもしれません。僕はこれを子どもの頃から「今川焼き」と呼んできましたが、大判焼きの人も、回転焼きの人も、太鼓焼きの人も、それ以外の人もいるかと思います。この記事では韓国式の今川焼きと表記することにしますが、いまひとつ馴染まない方は頭の中で都度置き換えてください。

サイズも日本の今川焼きと同じ。焼き立てアツアツで提供される

はい。改めまして韓国式の今川焼きことトンケランヨンヤンパン。ただし、いわゆる今川焼きとは違う大きな特徴がひとつあります。さて、どんな特徴でしょう。

真ん中のいちばん目立つところにズブリと箸を刺した跡

裏を見ると穴が開いている! いえいえ違います。これはムラなく焼けているか、お店の人が割りばしを刺して確かめた跡。ただ、その穴をよーく見てみると、あるべきはずのアンコがなく、ちょっと黄色いものが見えたりしませんか?

卵もひとつひとつ手作業で割り入れる。塩をぱらりと振って味付け

そう、中に入っているのは卵。丸ごと卵の栄養パンというのは、まさしく卵を丸ごと入れた韓国式の今川焼きという意味なのです。楕円の型に生地を流し込んだ後、卵をコンコンカシャッと割ってひとつひとつ落としていくと、中で焼かれて目玉焼き状になるんですね。要はアンコの代わりに卵を入れた今川焼きということですが、卵のぷりぷりとした食感と、ほんのり塩味が、生地の甘さと絶妙に重なり合ってなんとも美味しいのです。

他地域で食べるケランパンに比べて生地の甘さが強く満足感がある

韓国では一般的にこの料理をケランパン(卵パン)と呼びますが、その元祖とされるのが仁荷大学で生まれたトンケランヨンヤンパンです。もともと今川焼き(韓国語では大判焼きにちなんでオバントクと呼ぶ)の屋台を営んでいたご夫婦が、「アンコのかわりに卵を入れてみたらどうだろう?」と思い付いたのが1982年のこと。当時はまだ卵に高級感があり、今川焼きの中に丸ごと入れるというのは贅沢なインパクトがあったそうですね。これが仁荷大生に受けて、ピークのときは1日に1000個出るほどの大人気を博したとか。やがてその人気が全国へと広まったことで、いまは屋台オヤツの定番として広く人気を集めています。

ひとつ600ウォン。ひとつ買って歩きながら食べる人も多い

発売当時の値段は1個100ウォンだったそうですが、少しずつ値上がりしていまは600ウォン(約60円)。とはいえ、物価の上昇率から考えると、むしろ安くなっているのではないですかね。ソウルの繁華街に行ったら、ケランパンひとつ1000ウォンとか、高いと1500ウォンぐらいするご時世ですし。

黄色い看板の左半分は階段。右半分が店という超効率的なスペース

お店は仁荷大学の向かい、仁荷文化通りの入口付近にあります。地下に降りる階段脇にあって、ほんの小さなスペースを有効利用した形ですが、見ているとひっきりなしにお客さんが来ているのはさすが元祖ですね。不定休ではあるものの基本毎日営業しているそうですが、暑さの厳しい時期である7月下旬から8月いっぱいはお休みとのこと。僕が初めて行ったときは見事その時期で悔しい思いをしたので、行かれる方はぜひ気を付けてください。

店名:元祖トンケラン栄養パン(원조 통계란영양빵)
住所:仁川市南区仁荷路77(龍ヒョン洞191-1)
住所:인천시 남구 인하로 77(용현동 191-1)
電話:なし

  
八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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