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真冬のご馳走! 貴重なタラの刺身を含むタラ尽くしコースを味わえる漁港

    
八田 靖史
八田 靖史
巨済市の外浦港では真冬になると大量のタラが水揚げされる

早朝の魚市場。季節は真冬。トロ箱に入ってずらり並ぶ魚。寒風吹きすさぶ中、それらを真剣に吟味する仲買人のまなざしにほれぼれとします。ここは韓国の南部、慶尚北道の巨済(コジェ)市。南海岸に面した島嶼地域で、造船、漁業の町として知られています。海の幸豊かな地域ですが、中でも特産品として有名なのが真冬のタラ。韓国ではスケトウダラもよく食べますが、ここはマダラ(真鱈)の名産地です。

外浦港でのせりの様子。奥から手前に魚がどんどん流れてくる

市東部の外浦(ウェポ)港では、毎年11月下旬からタラの水揚げが活発化します。2月中旬ぐらいまでが旬ですが、最盛期は12月に入ってから旧正月まで。その時期に早朝の外浦港を訪れると、大量のタラを見ることができます(せりは7時から)。また、このシーズンはアンコウやクサウオといった魚もたくさんとれるので、せり場ではタラとともにこれらの魚もどんどん値付けされては運ばれていきました。

オスのタラにはそれがわかるように目印がつけられている

丸々としたタラにはオスマークがついているのを発見。オスは白子を、メスは卵を楽しみにということになりますが、値段でいえばオスが高級だそうです。「メスは卵を取ると食べるところが少ないけど、オスは白子を取っても食べごたえ充分」というのが市場関係者の方の説明でした。ちなみに市場価格で1尾3〜5万ウォン(約3〜5000円)程度とか。

タラの刺身はワサビ醤油や唐辛子酢味噌につけて。写真は3人前

外浦港の刺身専門店「外浦11番家フェッチプ」では、タラ料理4種類をセットにしたコース料理を1人前2万5000ウォンで味わうことができます。コースの最初はテグフェ(タラの刺身)から。日本でも「タラは沖で食え」などと言いますが、よほど鮮度のよいものでないと刺身にはできませんので貴重ですね。

タラの刺身は産地の特権。これを求めて大勢の人がやってくる

さっと醤油につけて食べると、全体に身は柔らかながらも内にシコシコ感を残し、噛むごとに上品な脂がにじみます。ただ、身が柔らかなだけに、「おっ、ウマい!」と思った瞬間にはもう口の中から消えてしまう感じですね。それがゆえにすぐ次のひと切れに手が伸びて、どんどん手が止まらなくなるのでした。

テグジョン(タラのチヂミ)。ピカタ風の衣をつけて焼いている

テグジョン(タラのチヂミ)は薄切りにしたタラの身に、小麦粉と溶き卵の衣をつけてピカタ風に焼いたもの。刺身の状態でも美味しかったタラの身が、熱を加えることによってより柔らかくふわふわになります。カリッと焼いた外側との対比で、より美味しく感じられました。写真でもなんとなくわかるかもしれませんが、皮の部分もついているのがよかったですね。皮の食感がいいアクセントになっていました。

テグポルチム(タラの頭の蒸し煮)。野菜のシャキシャキ感も魅力

こちらはテグポルチム(タラの頭の蒸し煮)。タラは捨てるところのない魚としても有名ですが、大きな頭の部分を蒸し煮にしたのがこちらの料理です。大豆モヤシや、セリと一緒にピリ辛の味付けで仕上げ、頬肉や、目玉のまわり、皮ぎしのぷるぷるとゼラチン質な身をほじくるようにして味わいます。

テグチリタン(タラの澄まし鍋)。スープにいいダシが出ている

最後はテグチリタン(タラの澄まし鍋)。韓国でタラ鍋というと、粉唐辛子を入れてピリ辛に仕上げることも多いのですが、店の人によれば巨済では「チリ(澄まし仕立て)」が常識とか。ちなみにこの「チリ」という単語は日本語でいう、鱈ちり、ふぐちり、などのちりに由来するものですが、香辛料でごまかさず、素材のよさをストレートに味わって欲しいとの調理法ですね。刻んだ青唐辛子が入るのでピリッとした刺激はありますが、それがダシの効いたスープをさっぱり引き締めます。

漁港では新鮮なタラを開いて干している光景もあちこちに見かける

なお、先ほども書いたように、生のタラが食べられるのは11下旬から2月中旬頃まで。それ以外の時期には乾燥させたタラのコース料理が活躍します。旬ならではの瑞々しさこそありませんが、これもまた地元で愛される昔ながらの保存食。水分が抜けることでうま味が凝縮し、また新たな魅力を発揮します。店には乾燥タラのコースも用意されており......。

コンデグジョリム(乾燥タラの煮物)は乾燥タラの代表的な調理法

例えばこんな、コンデグジョリム(乾燥タラの煮物)という煮付けになって登場します。食べるともろもろっとした身から、甘い煮汁がじゅわっと流れ出て、そこにタラの風味がじわじわ重なっていく感じ。初めて食べるにもかかわらず、どこか懐かしいような味に思えたのは、「なんか、おせち料理に入っていそうな料理だな」という味わいだったからでしょう。なお、乾燥タラはシーズンオフだけでなくシーズン中にも食べられます。僕らは生のタラコースにこの煮物を追加で注文しました。旬ならではの鮮度と、昔ながらの保存食。同時に試してみると、この地域とタラのより深い関係を間近に感じられるかと思います。

【データ】
店名:外浦11番家フェッチプ(외포11번가횟집)
住所:慶尚南道巨済市長木面外浦5キル60(外浦里131-6)
住所:경상남도 거제시 장목면 외포5길 60(외포리 131-6)
Tel:055-637-9977

  
八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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