お急ぎの方はお電話で!

お問い合わせ0120-945-504

高校留学のメリット・デメリット完全ガイド|費用から成功の秘訣まで徹底解説

高校留学のメリット・デメリット

高校で海外留学することには多くの魅力がありますが、その一方で不安要素も存在します。英語力の向上や視野の拡大といった高校留学のメリットがある一方で、「学業の遅れ」や「費用負担」など気になるデメリットも存在します。本ガイドでは、高校留学とは何かという基本から、メリット・デメリットの具体例、成功の秘訣や体験談、さらに高校で留学するメリットを最大化する方法までを網羅的に解説します。信頼できる最新データや実際の体験談も交えているので、高校留学を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次
  1. 1. 高校留学とは?基本知識を解説
    1. 1-1. 高校留学の種類と期間
    2. 1-2. 人気の留学先国
    3. 1-3. 高校留学の現状と統計
  2. 2. 高校留学の7つのメリット
    1. 2-1. メリット1:実践的な英語力が身につく
    2. 2-2. メリット2:グローバルな視点と国際感覚を養える
    3. 2-3. メリット3:自立心と行動力が育つ
    4. 2-4. メリット4:将来の進路選択肢が広がる
    5. 2-5. メリット5:多様な価値観に触れられる
    6. 2-6. メリット6:チャレンジ精神と問題解決能力が向上
    7. 2-7. メリット7:生涯の友人や人脈を築ける
  3. 3. 高校留学の5つのデメリット
    1. 3-1. デメリット1:高額な費用がかかる
    2. 3-2. デメリット2:日本の学習進度から遅れるリスク
    3. 3-3. デメリット3:言語や文化の壁による孤独感
    4. 3-4. デメリット4:国語力低下の可能性
    5. 3-5. デメリット5:大学受験への影響
  4. 4. 高校で留学するメリットを最大化する方法
    1. 4-1. 留学前の準備ポイント
    2. 4-2. 留学中の過ごし方
    3. 4-3. 帰国後の活用方法
  5. 5. 学年別|高校留学のベストタイミング
    1. 5-1. 高校1年生での留学
    2. 5-2. 高校2年生での留学
    3. 5-3. 高校3年生での留学
  6. 6. 高校留学体験談|成功事例と失敗事例
    1. 6-1. 成功事例:英語力向上と進路拡大
    2. 6-2. 失敗事例:準備不足による挫折
    3. 6-3. 体験者が語る本音のメリット・デメリット
  7. 7. 高校留学に関するよくある質問
    1. 7-1. 英語力はどの程度必要?
    2. 7-2. 単位認定はどうなる?
    3. 7-3. ホームステイと寮生活の違いは?
    4. 7-4. 帰国生入試は有利?
  8. 8. まとめ:高校留学で人生を変える第一歩を

高校で海外留学することには多くの魅力がありますが、その一方で不安要素も存在します。英語力の向上や視野の拡大といった高校留学のメリットがある一方で、「学業の遅れ」や「費用負担」など気になるデメリットも存在します。本ガイドでは、高校留学とは何かという基本から、メリット・デメリットの具体例、成功の秘訣や体験談、さらに高校で留学するメリットを最大化する方法までを網羅的に解説します。信頼できる最新データや実際の体験談も交えているので、高校留学を検討している方はぜひ参考にしてください。

1. 高校留学とは?基本知識を解説

高校留学とは、日本の高校生が一定期間(数週間の短期から1年間の交換、さらには卒業までの長期に至るまで)海外の学校で学ぶことです。語学研修や文化交流を目的とした短期から、現地の高校を卒業して進学につなげる長期まで様々な形態があります。それぞれ仕組みや目的が異なるため、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。

高校留学の種類と期間

高校留学には主に以下の種類があります。

  • 短期留学(数週間〜3ヶ月未満)
    夏休みや春休みを利用した語学研修やサマースクールや体験入学などが代表的です。比較的短期間で気軽に挑戦でき、「お試し留学」として人気があります。滞在はホームステイや寮生活が一般的です。日本の学校の学期と重なる体験入学の場合は、単位認定が難しい場合もあるため、事前に確認が必要です。
  • 交換留学(約1年間)
    AFSやロータリークラブなど公的・非営利団体が主催する1年規模の留学プログラムです。奨学金制度が充実しており費用負担が比較的抑えられるのが特徴で、多くは現地の高校に通いながらホストファミリー宅に滞在します。1年間の留学終了後は日本の元の高校に復学するのが前提で、留学中に取得した単位が認められれば同級生と同じ学年に進級できます。
  • 長期留学(高校卒業留学)
    海外の高校に入学し、3〜4年かけて現地の高校を卒業するタイプです。現地の教育課程にフルに参加し、高校卒業資格を得ることが目的となります。将来的に海外大学への進学を目指す人や、日本の大学で帰国生入試・AO入試を利用したい人に適しています。長期間異文化で生活する覚悟と計画が必要ですが、本格的に外国語を習得し国際的に活躍する土台を築けます。

※その他にも、日本と海外双方の高校卒業資格を得るデュアルディプロマプログラムや、スポーツ・アートなど特定分野を学ぶ留学などもあります。自身の目的に合った形式を選びましょう。

人気の留学先国

高校留学では英語圏を中心に人気の留学先が決まっています。アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスといった英語圏の国が特に人気です。それぞれ教育システムや環境に特徴がありますが、日本の高校生にとってなじみ深く留学者数も多い傾向にあります。

実際の統計でも、例えば3ヶ月以上の高校留学者(長期留学)の渡航先上位はカナダ(約998人)、アメリカ(約653人)、ニュージーランド(約551人)、オーストラリア(約349人)、イギリス(約185人)となっており、これら5か国は常に人気上位を占めています。短期の研修旅行や語学研修ではオーストラリアやアメリカが特に人気で、2023年度の場合、3ヶ月未満の海外研修派遣先はオーストラリアが7,774人と最多、次いでアメリカ4,626人、台湾3,214人、イギリス2,826人、カナダ2,604人という統計が出ています。英語圏以外では近年、アジアのシンガポールやマレーシア、ヨーロッパのドイツやフランスなども留学先に選ぶケースがありますが、英語で学べる国が主流です。

各国によって学期開始時期(例:アメリカやカナダは9月新学期)や入学条件が異なるため、自分の留学時期に合わせて情報収集すると良いでしょう。人気国は留学制度や受け入れ校の情報も得やすい利点があります。

高校留学の現状と統計

近年、日本の高校生の海外留学者数は一度大きく落ち込み、そこから回復傾向にあります。文部科学省の調査によると、2017年度には高校生約4.7万人が海外留学し過去最高を記録しましたが、その後の新型コロナ禍の影響で2021年度には約3千人にまで激減しました。しかし2023年度には約3.5万人まで大きく回復し、コロナ前の8割近くの水準まで戻っています。

内訳を見ると、2023年度は3ヶ月未満の短期研修も含めた海外留学経験者が計34,885人おり(2017年度の46,869人に比べ約1.2万人少ないものの大幅に持ち直し)、そのうち3ヶ月以上の長期留学者は3,174人でした。つまり留学経験者の大部分は短期プログラムで、長期(交換・卒業留学)に参加する高校生は全体の1割未満というのが現状です。これは修学旅行的な短期研修を含む数字ですが、高校留学が必ずしも一般的ではないこともうかがえます。

政府は第4期教育振興基本計画において「2033年までに高校段階の留学者数を12万人に増やす」という目標を掲げており、今後さらに高校留学を促進していく方針です。現在も各自治体や民間団体で奨学金制度「トビタテ!留学JAPAN」などが充実してきており、以前より高校生が留学に挑戦しやすい環境が整いつつあります。

このように、高校留学を取り巻く状況は大きく変化しています。2020年代前半にはコロナ禍で留学自体が困難な時期がありましたが、2025年現在は安全面に配慮しつつ多くの高校生が再び世界に飛び出しています。留学先の国・地域も多様化しており、自分の興味や目的に応じた行き先を選ぶことが可能です。

あわせて読みたい 高校留学の費用

高校留学の費用 1年・半年・1か月など期間別の費用相場をわかりやすく解説。生活費や授業料の目安も紹介。

2. 高校留学の7つのメリット

高校留学のメリット

高校生のうちに海外で学ぶことには、語学習得や自己成長など計り知れないメリットがあります。ここでは高校留学で得られる代表的な7つのメリットを具体的に見ていきましょう。

メリット1:実践的な英語力が身につく

英語力の飛躍的な向上は高校留学最大のメリットの一つです。現地の高校で生活し、授業から日常会話まで英語(または留学先の言語)漬けの環境に身を置くことで、机上の勉強だけでは得られない実践的な語学力が身につきます。例えば、ホストファミリーとの団らんやクラスメートとのやり取りを通じてリスニング力・スピーキング力が飛躍的に向上し、自然な表現やニュアンスの違いも体得できます。最初は言葉の壁に戸惑うかもしれませんが、臆せず積極的に話すことで少しずつ慣れていき、数ヶ月もすれば現地の授業についていけるほどの力が付くことも多いです。「英語を英語で考える」感覚が身につけば、将来の大学進学や就職活動でも大きなアドバンテージになるでしょう。

メリット2:グローバルな視点と国際感覚を養える

日本を離れ異なる文化圏で生活することで、国際的な視野異文化理解力が大いに育まれます。海外では日本とは価値観や生活様式が異なる場面に日常的に直面するため、自然と既成概念にとらわれない柔軟な考え方が身につきます。授業でもディスカッションや自己主張の機会が多く、異なる意見や背景を持つ人々と交流する中でグローバルな感覚を養うことができます。文化の違いに戸惑う場面もありますが、それを乗り越えることで「世界には様々な考え方がある」と実感でき、物事を多角的に捉える力がつきます。高校という多感な時期にこの経験をすることで、今後の人生で国際社会に対してオープンなマインドを持ち続けることができるでしょう。

メリット3:自立心と行動力が育つ

親元を離れ異国で生活する経験は、自立心を大きく成長させます。身の回りのこと(洗濯・掃除・食事の管理など)を自分でこなし、時間割や宿題のスケジュール管理も自己責任になりますから、自然と生活力・自己管理能力が養われます。最初は戸惑うことがあっても、自分で問題を解決しようと試行錯誤するうちに主体性行動力が身についていきます。「誰かにやってもらう」のではなく「まず自分でやってみる」姿勢が培われるのは、大きな財産です。また、日本とは異なる環境に飛び込むチャレンジ自体が自信となり、「困難に直面しても乗り越えられる」という強いメンタルも身につくでしょう。

メリット4:将来の進路選択肢が広がる

高校留学の経験は、将来の進路の選択肢を格段に広げてくれます。まず、海外の高校を卒業すれば現地や他の国の大学にそのまま進学する道が開けますし、日本の大学でも帰国生入試など留学経験者向けのルートがあります。さらに留学で培った語学力と国際経験は就職活動でも大きな武器になります。実際、留学経験を持つ人はグローバル企業や外資系企業に採用されやすい傾向があり、国内企業でも「語学堪能で海外適応力がある人材」として高く評価されます。高校生の時期に得たネットワークや視野は、その後の大学生活やキャリア形成にもプラスに働きます。「海外大進学」「国内難関大の帰国生枠」「グローバル企業就職」など、留学前には考えてもみなかった進路にも挑戦できる可能性が生まれるのです。このように未来の選択肢が広がる点は、高校での留学ならではのメリットと言えるでしょう。

メリット5:多様な価値観に触れられる

海外で生活すると、日本では出会えなかった多様な価値観に日々触れることになります。人種・宗教・文化の異なる友人やホストファミリーとの交流を通じて、「当たり前」だと思っていた前提が覆される体験も少なくありません。その過程で、物事を様々な角度から見る力や他者の価値観を尊重する姿勢が身につきます。実際、高校留学を経験した人は「自分とは異なる考え方を理解することで国際的な視野が広がった」と口を揃えます。これは異文化環境に飛び込まなければ得られない貴重な学びです。また、自国の良さや課題にも改めて気付かされるため自文化への理解も深まるという効果もあります。高校生という若い感受性豊かな時期に多様性に触れることで、寛容さや適応力といった人格面での成長も遂げるでしょう。

メリット6:チャレンジ精神と問題解決能力が向上

言葉や習慣の違う環境で生活する中では、小さな困難から大きな壁まで様々な課題に直面します。例えば「先生の言っていることが分からない」「ホストファミリーとうまく意思疎通できない」「自分の意見を英語で伝えられず悔しい」など、日常的にチャレンジの連続です。しかし、そうした問題に一つひとつ向き合っていくことで、問題解決能力チャレンジ精神が飛躍的に向上します。留学生活で得た「困難を乗り越えた成功体験」は大きな自信となり、新たな課題にもひるまず挑戦できるメンタルの強さにつながります。実際に「留学前は臆病だったけれど、帰国後は多少のことでは動じなくなった」「未知のことにも積極的に挑めるようになった」といった声は多くの元留学生から聞かれます。高校留学は、若いうちに逆境を経験しそれを糧に成長できる絶好の機会と言えるでしょう。

メリット7:生涯の友人や人脈を築ける

高校留学で得た国際的な友情や人脈は一生の宝物になります。留学先では現地の同世代の友人はもちろん、世界各国からの留学生仲間と出会うこともあります。異なるバックグラウンドを持つ友人たちと青春時代を共に過ごすことで、深い絆が生まれます。帰国後もSNSなどで連絡を取り合い、一生涯の友人として付き合っている元留学生も少なくありません。「高校時代のホストファミリーとは今でも家族同然の付き合いをしている」という人もいます。こうした国境を越えた人間関係は、その後の進学やキャリアでも思わぬ形で役立つことがあります(例えば留学先の国で就職する際に元クラスメートが力になってくれた、など)。実際に留学経験者からは「留学で築いた人脈は将来の財産になった」という声が聞かれます。高校という多感な時期を共有した海外の友人との絆は特別で、社会に出てからのネットワーキングとも異なる強固なものとなるでしょう。

あわせて読みたい 高校留学失敗の原因と対策

高校留学 失敗の原因と対策 メリットばかりではないからこそ、実際に起こりうる困難とその対策も知っておきましょう。

3. 高校留学の5つのデメリット

高校留学のデメリット

素晴らしいメリットがある一方で、高校留学には事前に知っておくべきデメリットやリスクも存在します。失敗を避けるためにも、代表的な5つのデメリットについて理解しておきましょう。

デメリット1:高額な費用がかかる

高校留学にはどうしてもまとまった費用が必要になります。学費、滞在費(ホームステイや寮費)、食費、航空券代、海外保険料、ビザ申請料など、出費項目は多岐にわたります。留学先や期間にもよりますが、年間で数百万円規模の費用がかかることも珍しくありません。実際、日本の高校に通う場合の年間学習費(文科省調査では私立高校で平均約100万円程度)と比べても、海外留学は年間200万〜600万円ほどと大きな負担になるケースがあります。特に物価や学費の高いアメリカ・イギリスなどでは予想以上に費用が嵩むでしょう。

もっとも、費用に関しては工夫次第で軽減も可能です。奨学金制度の活用(例:トビタテ!留学JAPAN、民間財団の給付型奨学金、交換留学団体の奨学金など)や、比較的費用の安い国を選ぶといった方法があります。例えばフィリピンやマレーシアなど物価が低めの国への留学はトータルコストを抑えられる傾向にあります。また、公的交換留学で学費が免除されたり、留学期間を短くして費用を調整することもできます。いずれにせよ「大きな投資」であることは事実なので、留学前に綿密な資金計画を立て、奨学金や支援制度について情報収集しておくことが重要です。

あわせて読みたい 高校留学 奨学金ガイド

高校留学で使える奨学金ガイド メリットだけでなく、費用面の支援も知っておきたい方に。給付型奨学金や制度の選び方を詳しく解説。

デメリット2:日本の学習進度から遅れるリスク

高校留学中は基本的に現地の高校のカリキュラムに沿って勉強するため、日本の高校で習う内容との間にギャップが生じます。とくに1年間の交換留学の場合、日本の学校を長期間離れることで学習進度のズレが避けられません。例えば、日本では高校2年生で履修する科目内容を海外では学ばずに帰国した場合、「必要な単元を習っていなかった」「クラスメートの学習についていけない」といった事態が起こり得ます。実際、数学や国語など国によって教える順序や内容が異なる科目ほど、この差が大きくなる傾向があります。

特に大学受験を視野に入れる場合、留学で抜ける期間の学習内容をどう補うかが課題になります。帰国後に進級できるかも含め、出発前に在籍校と履修計画をよく相談し、必要に応じてオンライン教材や家庭教師で補習するなどの対策が欠かせません。文部科学省の定めでは海外での履修を最大36単位まで日本の高校の単位として認定できるため、1年間程度の留学であれば適切な手続きを踏めば同級生と同時に卒業可能です。しかし単位認定の可否は学校判断による部分も大きいため、事前に自校の方針を確認し、留学中・帰国後の学習フォロー計画を立てておくことが重要です。

デメリット3:言語や文化の壁による孤独感

異国で新しい生活を始めた当初は、言葉や文化の壁から来る孤独感・ホームシックに苦しむ高校生も少なくありません。親しい家族や友人と離れて暮らす精神的負担は大きく、特に最初の数ヶ月は環境に慣れず強い孤独を感じることがあります。言いたいことが言語でうまく伝えられなかったり、現地のクラスメートの輪に入れなかったりすると、「自分は一人ぼっちだ」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。

また、文化の違いから生活習慣やコミュニケーションの仕方に戸惑い、「自分だけ周りに馴染めていないのでは」と感じてしまうケースもあります。例えば授業中の発言スタイルやユーモアの感覚など、日本との違いに最初はショックを受けるかもしれません。こうしたメンタル面の不適応が原因で、留学を途中で切り上げて帰国してしまうケースも実際にあります。

しかし、この孤独感やホームシックは多くの留学生が通る道でもあります。事前に「最初は辛い時期があるかもしれない」と心構えをしておくだけでも違いますし、現地校に日本人スタッフやカウンセラーがいる場合は悩みを相談するといった対処も可能です。メールやビデオ通話で家族と連絡を取ることも精神的な支えになります(ただし連絡のとりすぎは現地適応の妨げにもなるのでバランスが大切です)。ほとんどの人は数ヶ月で環境に慣れ、新しい友人関係ができるにつれてホームシックを乗り越えていくので、深刻に考えすぎず最初の辛抱が肝心です。

あわせて読みたい ホームステイ完全ガイド

高校生 ホームステイ完全ガイド 受け入れ家庭の選び方や注意点、現地生活のリアルを徹底解説。

デメリット4:国語力低下の可能性

長期間海外で生活すると、日本語を使う機会が激減するため国語力(特に読み書き能力)の低下が懸念されます。短期留学ではあまり問題になりませんが、1年以上海外の学校に通い続けると、どうしても日本語の語彙や漢字に触れる量が少なくなります。

日本語環境から長く離れると学年相当の国語力が維持できない恐れがあります。ただし対策も可能で、例えば留学中も日本の国語教科書を持参して読んだり、オンラインで日本語の文章を書く訓練をするなど、意識的に母語力を鍛える工夫が有効です。また、帰国後に日本の大学を受験する場合は現地滞在中から現代文の勉強を継続するなどの準備が望ましいでしょう。

デメリット5:大学受験への影響

高校留学はそのタイミングによって、日本での大学受験スケジュールに影響を及ぼす可能性があります。特に高校2〜3年生で長期留学する場合、帰国後に日本の大学受験シーズンと重なるかずれるかで進学計画が変わってきます。

例えば高校3年生相当の時期に海外留学をして日本の高校を卒業しなかった場合、日本の一般的な大学入試の受験資格を満たせないケースもあり得ます。また、留学先の学年暦が日本と異なると、帰国時期によっては日本の大学入試に間に合わない・浪人が必要になる場合があります。アメリカなど9月入学の国へ留学して12年生の卒業が6月の場合、日本では既に大学入試が終わっているためタイミングを逃す、といったことも起こりえます。

さらに、仮に帰国して受験に臨むとしても、受験科目や形式に即した勉強が不足しがちです。海外では日本の受験向けの勉強(例えば共通テスト対策の細かな知識詰め込み等)は行いませんから、帰国生入試を利用しない場合は帰国後に猛勉強で追いつく必要があります。現地で高度な内容を学んでいても、日本の受験問題になじんでいないため思わぬ苦戦をすることもあります。

このようなリスクを避けるには、留学前から大学進学まで見据えた明確な戦略を立てておくことが重要です。例えば「留学で高2から2年間海外に行き、帰国後は帰国生入試を利用する」「高3は留学せず日本で受験勉強に専念する」「海外高校を卒業して海外大学に進学する」など、早めに方針を決め準備することが望まれます。帰国生入試は一般入試に比べ有利と言われますが、それでも小論文や面接など独自の対策が必要です。

要は、高校留学と大学受験の両立は計画次第で可能ですが無計画だとリスクになるということです。留学期間・帰国時期・進学方法を事前によく検討し、高校の先生や留学エージェントとも相談しながら、安全な進路計画を立てましょう。

4. 高校で留学するメリットを最大化する方法

ここまで見てきたように、高校留学には多大なメリットがある一方で課題もあります。そこで、この章では高校での留学経験から得られるメリットを最大化し、デメリットを最小限に抑えるための具体的なポイントを、「留学前」「留学中」「帰国後」の段階別に解説します。しっかり準備・工夫をすることで、あなたの高校留学を実りあるものにしましょう。

留学前の準備ポイント

高校留学を成功させるには出発前の準備が肝心です。以下のポイントに留意しましょう。

  • 目的・目標を明確にする
    まず「なぜ留学したいのか」「留学で何を達成したいのか」をはっきりさせましょう。語学力向上なのか異文化体験なのか、将来の進学のためかによって準備の仕方も変わります。目的意識が明確だと国や学校選び・学習計画も立てやすく、途中で「思っていたのと違った...」と後悔するリスクが減ります。漠然とした憧れだけでなく、具体的な目標を設定しておくことが大切です。
  • 学校と履修計画を相談する
    在籍校に休学や単位認定の制度がある場合は事前に確認し、帰国後の学年復帰や進級の条件を明確にしておきましょう。例えば「留学先で◯単位以上取得すれば同級生と同じ学年に進級可」といった基準があれば、それを満たすよう履修計画を立てます。必要に応じて学校側にシラバスを提出し単位認定を仰ぐ準備もしておきます。また、受験を控える人は先生と相談して、日本の学習内容の中で留学期間中に抜ける部分を洗い出し、参考書やオンライン教材で補えるよう手配しておきましょう。
  • 英語(現地言語)の基礎力を固める
    留学先でスムーズに生活・授業に入るためには、出発前にできるだけ語学の基礎力を高めておくに越したことはありません。一般的に高校留学には英検3級〜準2級程度の英語力が求められることが多いと言われます。必須とされなくても、基礎的な単語力・文法力があるほど現地適応も早まります。可能であれば現地で使える日常表現やリスニングも中学内容から復習しておきましょう。もっとも、日常会話ができない状態でも留学自体は可能であり、現地でESL(外国人向け英語クラス)を受けながら上達する例も多いので、「苦手だけど挑戦したい」という人も諦めずに準備すれば大丈夫です。
  • 奨学金・資金計画を立てる
    留学費用が高額になる場合、事前に奨学金の応募や予算計画を行いましょう。文科省の「トビタテ!留学JAPAN」や地方自治体・民間財団の高校留学奨学金、交換留学団体(AFSやYFU、ロータリーなど)の奨学金制度など、利用できるものは積極的に検討します。締切が早いものも多いので高1の早期から情報収集を。家庭での資金計画も、年間いくら必要か算出し、足りない分は奨学金や教育ローンを検討するなど具体的に詰めておきましょう。
  • メンタル面の準備
    初めての海外生活への不安は誰しもあります。「最初は言葉が通じなくて当たり前」「困ったら助けを求めていい」と自分に言い聞かせ、心構えをしておくだけでも違います。また、日本で暮らす家族とも留学中の連絡頻度や緊急時の連絡方法を決めておくと安心です。現地に日本語で相談できる人(留学エージェントの現地スタッフなど)がいる場合は、その連絡先も把握しておきましょう。「何かあっても自分は一人じゃない」と思える状況を作っておくことが、安心して旅立つポイントです。
あわせて読みたい

渡航準備をする ビザ、保険、書類手配など、実際に留学へ出発するための準備を詳しく紹介。

留学中の過ごし方

留学中の生活次第で、得られる成果にも大きな差が出ます。メリットを最大化するために、以下の点を意識しましょう。

  • 現地の生活・学校に積極的に溶け込む
    せっかく海外にいるのですから、日本にいる時以上に主体的に行動してみましょう。授業で分からないことは放課後に先生に質問したり、休み時間に自分からクラスメートに話しかけたりする積極性が大事です。最初は言葉に自信がなくても、笑顔で挨拶から始めればOKです。部活動や学校のイベントにもできるだけ参加し、現地の高校生のリアルな生活を体験してください。消極的になって部屋にこもりがちだと、せっかくの留学がもったいないですし、ホームシックも悪化してしまいます。「郷に入っては郷に従え」の精神で、文化の違いも楽しむくらいの気持ちで飛び込んでみましょう。
  • 日本人ばかりとつるまない
    留学先に他の日本人留学生がいると心強いものですが、常に日本人同士で固まって日本語ばかり話していると英語力も伸びず、現地の友達もできません。意識して現地の友人と時間を過ごすようにしましょう。日本人の知り合いとも必要以上に一緒にいすぎないようメリハリをつけることが大切です。せっかくクラスメートが誘ってくれたランチや遊びに日本人同士で行動していて参加しない...ということがないよう、積極的に現地の輪に入りましょう。最初は勇気が要りますが、一度友達ができてしまえば英語の上達スピードも格段に上がります。
  • 日本の家族・友達との連絡はほどほどに
    ホームシック対策に家族や日本の友人と連絡を取るのは精神安定上良いことですが、頻度が多すぎると現地での時間や勉強への集中を妨げる恐れがあります。毎日長時間ビデオ通話したり、日本のSNSに張り付いたりしてしまうと、せっかくの留学生活に集中できません。日本との連絡は週◯回・◯時間まで等ルールを決め、現地での交流や勉強時間を優先しましょう。離れていても家族は応援してくれていますし、日本の友達とも帰国後にまた会えます。今しかできない経験に没頭することが、結果的に充実感につながります。
  • 時間管理・自己管理を徹底する
    海外の高校は日本より自由度が高い場合も多く、自己責任で動く場面が増えます。その分、怠けようと思えばいくらでも怠けられてしまうので注意が必要です。つい気が緩んで授業をサボったり遅刻が増えたりすると成績にも響きますし、現地校での評価が悪いと単位認定等にも支障が出ます。日本に比べてリラックスした雰囲気に流されすぎず、自己管理を怠らないことが成功のカギです。宿題の締切を守る、朝は自分で起きる、欠席しない、といった基本を疎かにしないようにしましょう。もちろん現地でしかできない遊びや旅行も大切ですが、勉強とのバランスを取ることが重要です。
  • 現地のサポートを活用する
    どうしても困ったことや悩みが出たら、ひとりで抱え込まずに周囲のサポートに頼りましょう。学校にカウンセラーや留学生担当の先生がいれば相談に行く、ホストファミリーに遠慮なく気持ちを伝える、受入れ団体のスタッフにメールするなど、助けを求めることは決して恥ではありません。むしろ現地の人は「何も言わない=問題ない」と思っているので、言葉にしてもらった方が安心するものです。例えばホームステイで食事の量やシャワー時間など困っていることがあれば、我慢せずホストファミリーに伝えてみましょう。言いにくければ学校経由で伝えてもらう手もあります。日本人スタッフがいるエージェント利用者なら、現地オフィスに連絡して相談するのも有効です。
  • 健康・安全に気を配る
    生活リズムや体調管理も自己責任になります。食事が変わって体調を崩す留学生もいるので、無理せず自炊やホストにリクエストするなど調整しましょう。治安面では、日本より安全とは限らない地域もあります。夜間の一人歩きや年齢制限のある行為(飲酒・喫煙など)は厳に慎むこと。気の緩みから友人に流されて法律違反をしてしまった...などということがないよう、自覚を持って行動してください。何かあればホストや学校も守ってくれますが、まずは自分の身を自分で守る意識が大切です。

帰国後の活用方法

高校留学は帰国して終わりではありません。その貴重な経験をぜひ帰国後に最大限活かしましょう。

  • 進路に留学経験を活かす
    帰国後の大学進学や就職活動で、留学で得たものをアピールポイントにしましょう。例えば大学受験では帰国生入試の受験資格が得られていればぜひ活用したいところです(多くの大学で留学経験者向けの特別入試枠があり、有利に働くことが多いです)。一般入試でも志望理由書や面接で、海外で学んだこと・感じたことを具体的に語れれば強みになります。また就職活動でも、留学経験は語学力と合わせて大きなPRポイントです。「高校時代に◯◯に留学し、現地で〜に取り組んだ経験から○○力が身についた」といったエピソードをまとめておくと良いでしょう。
  • 語学力を維持・向上させる
    苦労して身につけた英語力(または留学先の言語)も、使わなければ徐々に落ちてしまいます。帰国後も語学のブラッシュアップを続けましょう。具体的には英検やTOEFLなど資格試験に挑戦して現在の実力を測り、更なる上級合格を目指して勉強を続けるのも一つです。英会話スクールやオンライン英会話で会話力を維持するのも有効です。大学に進学したら留学生と交流する、第二外国語の習得に挑戦するなど、新たな目標を設定して語学学習を続けてください。高校留学で得た「語学学習のコツ」を活かし、将来にわたって武器になる高い語学力に磨き上げましょう。
  • 人脈と経験を共有する
    留学中にできた友人とは、帰国後もぜひ連絡を取り合ってください。SNSやオンライン通話で近況報告をするだけでも、生の英語に触れる機会になりますし国際的な視野を持ち続ける助けになります。また、日本の学校や地域で自身の留学体験を周りにシェアするのも有意義です。学校の後輩に体験談を話したり、留学フェアでスピーカーを務めたりすると、自分自身の経験が他の人の役に立ちますし、自分の成長を再認識できます。「留学を通じて得た○○は本当に貴重だ」と他人に語ることで、自分の中でもその経験の価値がより明確になるはずです。
  • 将来の更なるチャレンジに繋げる
    高校留学で培ったチャレンジ精神や問題解決力は、帰国後の新しい挑戦にぜひ活かしてください。例えば「大学でも再び海外留学する」「将来は海外で働いてみる」「国際ボランティアに参加する」など、次なる目標にどんどん挑みましょう。高校留学で得た強さと自信があれば、多少ハードルの高い夢でもきっと実現に近づけるはずです。実際、留学経験者の中には「高校留学がきっかけで○○になった」という人がたくさんいます。あなたの留学は、人生を変える第一歩に過ぎません。その経験を礎に、これからもグローバルに活躍する未来を描いてください。

5. 学年別|高校留学のベストタイミング

「高校のうちに留学するとしたら、何年生で行くのが良いのだろう?」と悩む方も多いでしょう。人それぞれ事情は異なりますが、ここでは高校1年〜3年の各学年で留学する場合の特徴やメリット・注意点を解説します。留学開始時期を決める際の参考にしてください。

高校1年生での留学

高1での留学は、特に長期(卒業目的)留学を考える場合に有力なタイミングです。中学卒業後すぐに海外の高校に入学すれば、現地で3〜4年を過ごしてそのまま卒業資格を取ることも可能です。この場合、日本の高校には進学せず直接海外に進むケースもあります。メリットとしては若いほど語学の習得が早く柔軟に適応できること、そして高校生活の早期から海外経験を積めるためその後の進路計画を立てやすいことが挙げられます。中学英語の基礎ができた直後なので英語力伸長の伸び代も大きいです。また1年生中にまたは2年生の夏までに帰国した場合は、残り高校生活が2年間あるため受験勉強に専念する時間を十分に確保できます。

一方で高1の4月に入学してすぐ夏出発...といったケースでは、準備期間が非常に短い点に注意が必要です。中学卒業から半年足らずで海外に飛ぶことになるため、語学準備や心構え、資金計画などを中学在学中から進めておくくらいの早めの行動が求められます。また15歳前後での単身留学となるため、精神的な負担も大きく、保護者のサポートや現地でのケア体制がより重要になります。メリット・デメリットを踏まえ、「留学するなら早いほど良いが、その分しっかりした準備が必要」と言えるでしょう。

高校2年生での留学

高2での留学は、最も一般的かつお勧めするタイミングです。多くの高校生交換留学プログラムは高校2年に実施されるケースが多く、実際に高校留学を経験した人でも「高2の1年間行った」という例が多数派です。理由として、1年生では入学したばかりで時間がなく、3年生では受験準備が本格化するため、必然的に2年生の夏出発が最適となるからです。

高2留学のメリットは、準備期間と帰国後のバランスが良い点にあります。1年生のうちに約1年かけて留学準備ができ(語学力の底上げや学校との調整など)、2年生の1年間を留学に充て、3年生で帰国して受験なり進路準備なりに入る------というスケジュール感が取りやすいのです。実際、文科省の統計でも高校2年次に留学する生徒が最も多くなっています。また、高2までに日本の高校で基礎学力を培ってから行くため、現地校の勉強にもついて行きやすいという利点もあります(中学・高1内容までの文法や数学を履修済みで留学すると英語力の伸びも大きいという指摘があります)。

注意点としては、高2で1年留学すると日本の高校での在籍が1年空くため、帰国後に同級生より1学年遅れる可能性があることです。ただし前述のように適切に単位認定されれば同学年に復帰できる場合も多いので、そこは在籍校との事前相談次第です。また、帰国後すぐ高3の受験という場合は、留学中から受験科目の自主学習をしておかないとブランクが響く可能性があるので注意しましょう。いずれにせよ、高校留学の「黄金タイミング」は2年生と言われることが多く、迷ったら高2で計画するのが無難とも言えます。

高校3年生での留学

高3での留学は、一般的にはあまり選ばれないタイミングです。理由は単純で、日本の高校3年生は大学受験や卒業準備に集中する時期だからです。3年生の夏以降に1年留学するとなると、日本の高校は卒業せずに留学先に残るか、途中で帰国しても進学先がなく「空白期間」になってしまう可能性があります。そのため、どうしても高校最後の年に留学したい場合は進路計画を大きく変更する必要があります。

一つの方法は、高校2年終了時に日本の高校を中退または休学し、高3相当の1年を海外の高校で過ごしてそのまま現地の大学に進学するパターンです。この場合、日本の大学には進学しないか、するにしても帰国生入試など別枠で狙うことになるでしょう。もう一つは、高校卒業後すぐではなく1年遅れて日本の大学を受験する(浪人する)ことを覚悟で3年時に留学することです。例えば9月から翌年6月まで留学し、帰国後半年勉強して翌年春に大学入試を受ける、といった形です。この場合、年齢的に1年ロスしますが、留学経験が入試で評価されるなら有意義とも言えます。

高3留学のメリットをあえて挙げるなら、比較的成熟した状態で留学に臨めるので学習面でも自己管理面でも安定しやすいことや、日本の高校生活を2年経験したうえで留学するので「覚悟」が固まっている人が多いことです。また、卒業後そのまま海外の大学に進学するならスムーズに移行できます。一方デメリットは上述のように日本の大学入試との兼ね合いが非常に難しいこと、そして18歳での留学になるため高校留学プログラム(多くは17歳以下を対象)に乗りにくい場合があることです。

総じて、高3で長期留学するのは特殊なケースと言えます。どうしても実現したい場合は、日本の高校卒業資格や大学受験を一旦脇に置いてでも行く覚悟が必要でしょう。代替案としては、高3の夏休みなどを利用した超短期留学や、高校卒業後のギャップイヤー留学(大学入学前に半年〜1年語学留学する)なども検討してみてください。そのほうが進路に与える影響は少なく、安全に留学経験を積める場合もあります。

6. 高校留学体験談|成功事例と失敗事例

実際に高校留学を経験した先輩たちは、どのような結果を得ているのでしょうか。ここでは成功例と失敗例をそれぞれ紹介し、併せて体験者たちの本音のメリット・デメリットを見てみます。先輩たちのリアルな声から、多くの学びを得てください。

成功事例:英語力向上と進路拡大

高校留学を成功させた事例として多いのは、「英語力が飛躍的に伸び、それがその後の進路に結びついた」というケースです。

ある男子高校生(当時17歳)の事例

高校1年の夏からアメリカ・ユタ州の高校に留学しました。もともと小学生の頃にアメリカ旅行をした経験から英語に興味を持ち、高校で念願の留学を実現したそうです。最初は田舎町での生活や宗教観の違いに戸惑いもありましたが、勉強もスポーツも積極的に取り組む中で現地の友人もでき、TOEFLのスコアは1年で大幅アップ。日本の高校には戻らず、そのままアメリカのWagner大学に進学しました。現在は現地大学でビジネスを学んでおり、将来はグローバル企業で働きたいという目標ができたそうです。

このケースのように、語学力と適応力を身につけ進路を広げた成功例は数多く存在します。他にも「高校留学をきっかけに海外大学に合格した」「帰国後、難関大学の帰国生入試に合格した」「留学経験を評価され希望の企業に就職できた」といった声が聞かれます。成功した人に共通するのは、事前にしっかり準備して目標意識を持って留学に臨んだ点です。「留学は自分の人生のターニングポイントになった。リサーチや計画作りに力を入れたことが成功の理由」という体験者の声もあります。やはり行き当たりばったりではなく、「英語を伸ばして○○大学に行く」「視野を広げて将来は国際的な仕事に就く」など具体的なビジョンを描いて努力した人ほど、大きな成果を手にしているようです。

あわせて読みたい アメリカ高校留学情報

アメリカで高校留学するには アメリカでの高校生活や申請方法、費用・ビザ情報を詳しく紹介。

失敗事例:準備不足による挫折

残念ながら高校留学がうまくいかなかったケースもあります。その多くは準備不足や心構えの不足が原因で起こっています。

ある失敗事例

高校2年でカナダに1年間留学した生徒が、ホームシックと現地での不適応により半年で途中帰国してしまいました。この生徒は留学前、英語はそれほど得意ではなく「なんとかなるだろう」と深く考えずに渡航しました。しかし現地校の授業についていけず焦りを感じる一方、日本の家族や友達と毎日のようにメッセージをやり取りしていたため現地に馴染むのが遅れました。ホストファミリーとも積極的に会話できず孤独感が募り、「自分の居場所がない」と感じてしまったそうです。結果、メンタル面の不調から留学継続が難しくなり、泣く泣く帰国することになりました。

このケースから分かるように、語学面・メンタル面での準備不足は挫折に直結するリスクがあります。また、別の例では「3年間の卒業留学を計画して海外高校に行ったが、現地の勉強についていけず卒業を断念。中途半端に帰国して日本の高校にも戻れず進路が迷走した」というケースも報告されています。この生徒はカナダの高校に編入したものの、思った以上に現地の勉強が難しく単位を落としてしまい、結局卒業できずに帰国。ところが日本では高校卒業資格がなく、大学受験もできない状態になってしまいました。帰国後、同年代の友人たちが順調に大学生活を送っているのを横目に自分は高卒認定を取るところから再スタート...という厳しい現実に直面し、ひどく落ち込んでしまったそうです。

このような失敗事例から学べることは、「留学に過度な期待を抱きすぎないこと」「綿密な事前準備と最悪の事態のシミュレーションをしておくこと」の重要性です。失敗した人の特徴として、「積極性に欠け常に他人任せだった」「日本人同士でばかり固まってしまった」「帰国後のプランを全く考えていなかった」「現地で怠けてしまった」などが挙げられています。裏を返せば、そうならないよう事前に対策を知っておけば多くの失敗は防げるということです。

体験者が語る本音のメリット・デメリット

最後に、実際に高校留学を経験した人たちの本音の声をまとめます。メリット面・デメリット面それぞれについて、先輩たちは何を感じたのでしょうか。

メリットに関する本音

「高校留学は人生の宝物」「自分の殻を破るきっかけになった」「視野が広がり進路の選択肢が増えた」というポジティブな声が非常に多いです。ある留学経験者は「高校留学は間違いなく人生のターニングポイントだった。もしどちらか一方しかできないなら大学留学より高校留学を取る」とまで言っています。また別の元留学生は「最初は苦労したけど、異文化に直面したことで問題解決能力や異文化理解力が飛躍的に向上した。孤独やホームシックを乗り越えた結果、強い精神力と自立心が身についた」と語っています。加えて「新しい友人との絆ができ、違う価値観を理解できたことで国際的な視野が広がった。将来のキャリアにおいても貴重な経験になった」と、留学で得たものの大きさを強調する意見もあります。そして何より、「英語力と国際感覚が大学進学や就職活動でも大きな強みになった」と、具体的な成果を実感する声も多く聞かれます。

デメリットに関する本音

一方で、デメリットや大変だった点についても率直な声があります。「最初の頃は英語がわからず授業についていけず本当に辛かった」「文化の違いに戸惑い、自分の意見を言えず悔しい思いをした」「ホストファミリーとうまくいかず、部屋で一人で泣いた夜もあった」など、リアルな苦労話が語られます。また「帰国後、日本の勉強にキャッチアップするのが大変だった」「英語ばかり使っていたので漢字をかなり忘れてしまった」といった声もあります。しかし興味深いのは、そういった辛かった経験について多くの人が「あの経験があったから成長できた」「振り返れば良い思い出」と前向きに捉えていることです。実際「苦労したけれど、その過程で得た学びや成長は何ものにも代えがたい」という意見が大半で、デメリットを乗り越えた先には大きなリターンがあることを証言する人がほとんどです。もちろん中には「もう一度やれと言われたら正直悩む」と笑う人もいますが、それでも「やっぱり行って良かった」と結論づける人がほとんどです。

このように、高校留学経験者の本音からは「デメリットも確かにあるが、それ以上に得られるメリットが大きい」という共通認識が見て取れます。リスクや苦労も含めて全て自分の糧になる------それが高校留学を終えた先輩たちの実感のようです。これから留学を目指す皆さんも、先輩たちの声を参考にしつつ、ぜひ前向きな一歩を踏み出してみてください。

7. 高校留学に関するよくある質問

最後に、高校留学を検討するうえでよくある質問とその回答をまとめます。疑問や不安をしっかり解消しておきましょう。

英語力はどの程度必要?

高校留学するのに英語力はどれくらい必要でしょうか?まだ英語に自信がありません...

A: 必要とされる英語力は留学プログラムや国によって異なりますが、一般的には中学卒業レベル(英検3級〜準2級程度)の英語力があれば十分挑戦可能です。交換留学などでは募集要項に「英検準2級程度」と示されていることも多いです。ただし必ずしも資格が必須というわけではなく、英語力が足りない場合でも現地でESLクラスを受けられる学校がほとんどなので安心してください。実際、日常会話に自信がない状態で留学して、現地でどんどん上達し通訳者になった例もあるそうです。

とはいえ、スタート時の英語力が高いほど授業や生活への適応がスムーズなのも事実です。可能なら出発前に単語や文法の基礎を固め、リスニング・スピーキングの練習もしておきましょう。短期留学であれば特別高い英語力は求められませんが、長期留学(半年〜1年超)の場合は事前に面接や筆記テストが課されることもあります。語学面が不安な場合は、最初にフィリピンなど英語初心者に優しい環境で短期留学してから長期に挑戦するなど段階を踏む方法もあります。

結論として、英語力があまりなくてもチャレンジは可能ですが、少しでも習得しておくと自分が楽になります。中学英文法や基本単語は押さえ、自己紹介や簡単な意思表示が英語でできるよう練習してから出発しましょう。

単位認定はどうなる?

留学中に現地で取った単位は、日本の高校の単位として認められますか?帰国後に留年せず済むか心配です。

A: 文部科学省の定めにより、日本の高校は「36単位を超えない範囲」で留学先での履修を自校の単位として認定できることになっています。36単位というのは高校1年分の単位数に相当します。つまり、1年間程度の留学であれば、所定の手続きを踏めば留学中に修得した科目を単位認定してもらい、帰国後に同級生と同じ学年に進級・卒業することが十分可能です。実際、多くの学校で交換留学した生徒が帰国後に元の学年に復帰しています。

ただし単位認定の具体的な基準や手続きは学校によって異なるため、必ず留学前に在籍校に確認してください。一般的には「現地校で正規科目を履修し現地の成績表を提出」「留学前に休学ではなく在学扱いにする」などの条件があります。また留学期間が1年を超える場合、認定できる単位上限(36単位)を超えると留年扱いになる可能性もあります。そのため在籍校と相談のうえ、どの科目を現地で履修すれば単位互換できるかを擦り合わせることが重要です。

もし最悪単位が認められず留年になっても、高校卒業が遅れるだけで進学自体は問題ありません。ただ、多くの人はできればストレートに卒業したいでしょうから、「在学留学制度」を利用できるかどうかを含め学校と綿密に打ち合わせしておくと安心です。交換留学の場合は事前に学校間調整があるので認められやすいですが、私費留学の場合は学校判断に委ねられます。ケースバイケースなので、一人で悩まず学校や留学エージェントに相談しましょう。

ホームステイと寮生活の違いは?

留学中の滞在方法としてホームステイと寮がありますが、具体的にどう違うのでしょうか?どちらが良いか迷っています。

A: ホームステイは現地の一般家庭に下宿して家族の一員のように生活する形式、学生寮(ボーディング)は学校付属の寮に入って他の生徒と共同生活をする形式です。それぞれメリット・デメリットがあります。

  • ホームステイの特徴:
    現地の家庭に入り文化を直に体験できるのが最大の魅力です。日常生活を通じてその国の習慣や価値観を共有でき、深い異文化理解が得られます。ホストファミリーは留学生を受け入れる経験豊富な家庭が多く、親身にサポートしてくれることも多いです。ただし家庭との相性は運次第な面もあり、まれにトラブルやミスマッチが起こることもあります。長期間にわたって受け入れてくれる家庭が限られるため、卒業までの長期留学ではなく文化交流目的の1年留学に用いられることが一般的です。通学にホスト宅から公共交通を使う必要がある場合、学校まで遠いケースもあります(片道1時間以上かかる例も)。また家庭ごとのルール(門限やシャワー時間など)に従う必要があり、プライバシーや自由度は家によって差があります。費用面では食事や光熱費込みであることが多く、寮より割安になる傾向です。基本的に個室が与えられるため、一人になれる時間は確保しやすいでしょう。
  • 学生寮の特徴:
    学校構内または近接地の寮に住み、平日は24時間学校生活を送る形になります。特に卒業留学の場合は寮生活が原則の学校が多く、勉強中心の規則正しい毎日を送れるのがメリットです。通学時間がゼロ(教室まで徒歩数分)なので時間を有効に使え、スポーツや課外活動にも打ち込みやすい環境です。友達とも四六時中一緒に過ごすため友情が深まり、「高校生活を丸ごと満喫できる」と感じる生徒も多いようです。一方で相部屋になる可能性が高く、ルームメイトと合わないとストレスになる場合もあります。自室で一人になれる時間は少なくなるため、プライベート重視の人には窮屈に感じることもあります。ただ逆に寮には常に仲間がいるので、寂しさは紛れやすいでしょう。治安面ではキャンパス内で警備も行き届いているためホームステイより安心と言えます。費用は学校や国によりますが、食事代が含まれない場合はホームステイより割高になることもあります。なお留学生向けのボーディングスクールでは、日本人留学生がなるべく同室にならないよう配慮されるケースも多いようです。

どちらが「良いか」は目的や性格によります交換留学など文化交流重視ならホームステイがおすすめです。現地の家庭でしか味わえない経験(家庭料理やイベント参加など)ができますし、費用も抑えられます。卒業目的や勉強重視なら寮が適しています。勉強に集中できる環境と安定した生活リズムが得られ、通学や住居の心配もいりません。人見知りで「自分のペースが必要」という人はホームステイで個室を確保した方が良いかもしれません。逆に「友達とワイワイ常に一緒が楽しい」という人は寮生活が向いているでしょう。

また、長期留学の場合途中でホームステイ先を変える可能性もあります。1年以上一つの家庭に滞在するのは稀なので、ホストが見つからず困るケースもあります。寮なら卒業まで安定して住める安心感があります。なお「最初はホームステイで様子を見て、後半は寮に移る」など学校によって両方経験できるプランもあります。自分の優先事項(文化体験か学習効率か、自由度か安心感か)を考え、それに合った滞在方法を選ぶと良いでしょう。

帰国生入試は有利?

高校留学をすると大学受験で帰国生入試が受けられると聞きました。それってやっぱり有利なのでしょうか?

A: 帰国生入試(帰国子女入試)は一定の海外在留・留学経験がある学生を対象にした大学の特別入試枠です。一般に募集人数が少なく競争相手も帰国生同士になるため、難易度はケースバイケースですが有利に働くことが多いと言われます。まず、一般入試と比べて科目数が少なかったり、小論文・面接・書類選考が中心で学科試験が簡略化されている場合が多いです。英語力や海外経験が重視され、大学によっては英語の筆記と面接のみで合否が決まるところもあります。日本の大学入学共通テスト(旧センター試験)を受ける必要がない大学も多く、高校留学経験者にとっては自身の強みを活かせる入試方式と言えます。

実際、難関大学でも帰国生特別入試枠は合格率が高めに設定されていることがあります。また「海外の高校を卒業していれば書類選考のみでOK」など、ユニークな基準を設けている大学もあります。こうした点から、高校留学を経験したことで受験のチャンスが広がり合格しやすくなるのは間違いありません。

ただし、「有利」とはいえ決して楽に合格できるわけではない点には注意が必要です。帰国生入試にも小論文や面接対策は欠かせません。日本語で論理的に文章を書く練習や、志望理由をしっかり語れる準備が求められます。また大学によっては英語以外の教科(数学や国語など)の試験が課される場合もあるので、留学中に勉強していなかった科目があれば帰国後フォローする必要があります。

まとめると、高校留学経験があることで帰国生入試という有利な選択肢が増えるのは確かです。特に英語力を武器にできる人にとってはチャンスでしょう。ただ結局は本人の実力勝負ですので、「帰国生だから簡単に合格」という油断は禁物です。むしろ留学で得た語学力・国際感覚を最大限アピールできるよう、出願大学の傾向に合わせた対策をして臨んでください。なお、大学によって帰国生として認められる海外在学期間(例えば「継続して2年以上海外の高校に在籍」など)の条件が異なるので、志望校の要項をよく確認しましょう。

あわせて読みたい 留学ステップガイド

留学したい!と思ったらやる5つのこと 何から始めればいい?初めのステップを順序立てて詳しく解説。

8. まとめ:高校留学で人生を変える第一歩を

高校生のときに海外へ飛び出す経験は、本人の努力次第で人生を変えるほどの大きな第一歩になります。確かに費用や勉強の遅れ、不安や苦労といった課題も伴いますが、それ以上に得られるものが多いことを本ガイドで示してきました。語学力の向上、異文化理解の深化、自立心の成長など、多くのメリットがあり、さらに海外の教育システムで学ぶことで日本では得られない経験を積むことができ、将来の進学やキャリアの選択肢も広がります。

高校留学を成功させるためには、事前の準備と計画、そして現地での積極性が重要です。正しい情報収集と入念な準備によってリスクを抑え、メリットを最大限享受することができます。例えば、留学前に基本の勉強と心構えを整え、留学中はチャレンジ精神を発揮して現地に溶け込み、帰国後はその経験を次の目標に活かす------そうした姿勢が留学を「成功体験」に変える秘訣です。

10代という若い時期に異文化に身を置いた経験は、一生の財産になるでしょう。高校留学で培った語学力や国際感覚は、その後の大学や就職でも大きな強みとなります。何より、「自分は世界でやっていける」という自信と視野の広がりは、人生のあらゆる場面であなたを助けてくれるに違いありません。

不安や悩みがあるのは当然ですが、しっかり準備すれば大丈夫です。ぜひ勇気を持って第一歩を踏み出してください。高校留学は決して楽な道ではありませんが、その先にはきっと、想像以上に大きな成長と出会いが待っています。あなたの挑戦が、未来への扉を開く素晴らしい旅になることを願っています。

この記事を監修した人

カウンセラー写真
この記事の監修者

末永 ゆう生
「成功する留学」進学カウンセラー

早慶上、ICU、GMARCHなどの国内の難関大学英語系学部と海外大学の併願を希望する受講生の成功を導くノウハウを蓄積。オレゴン州立大学直接入学、ファウンデーションコースを経由して、マンチェスター大学入学、カレッジを経由して、トロント大学入学など、現時点の英語・学力・お金を踏まえて、顧客の理想に寄り添った多種多様な進学・キャリアの提案・支援を行い、高い顧客満足度を実現。

海外に進学をしよう!

カウンセラー

カウンセラーは留学経験者なので、気兼ねなくご相談いただけます。
豊富な経験と知識で、一人ひとりに合った留学プランをご提案します。

▼ご質問やご不明点はお気軽にご相談ください!

通話無料0120-945-504

▼留学デスクで個別相談する日程を予約しよう
全国どこからでもオンラインでご相談いただけます!

パンフレット請求

「成功する留学」ならではの読み応え!
留学の基礎から語学学校まで、情報満載のパンフレットを無料でお届けします。

資料請求ボタン

留学セミナー

成功する留学ではさまざまな留学セミナー・イベントを開催!
留学に興味のある方は、まずはお気軽にご参加ください。

カウンセリング予約

高校留学 奨学金完全ガイドのページ上部に戻る