カナダの芸術

気軽に楽しめるクラシック音楽や絵画など

カナダでは芸術が盛んというよりも、むしろ人々の生活に定着しているといった感じである。世界的にもカナダの芸術は高い評価を受けている。モントリオール、トロント、バンクーバーなどの都市には、カナダ芸術をこころゆくまで堪能できる施設、機会があふれている。音楽、ダンス、ミュージカル、文学、演劇、バレエ、絵画など幅広いカナダ芸術に触れることが可能だ。また有名・無名を問わず、さまざまなアーティストのパフォーマンスを低料金で楽しむことができる。一般的なところでは、クラシック音楽やオペラ、クラシックバレエといったところだろうか。大きな都市では専用の劇場やシアターがあり、定期的にイベントが催されることが多い。小さな地方都市でもシティホール（公民館のようなもの）で開催されることが多い。クラシック音楽以外にも民俗音楽やバレエ、モダンダンス、演劇、コメディなどのイベントも開催されるので、いろいろなジャンルの芸術を手軽に楽しむことができる。　カナダには世界的に有名なモントリオール交響楽団やロイヤルウィニペグバレエ団がある。両者は世界を舞台に各地で活躍しているが、小さな町でも時折、こういった有名な団体の公演があるのがうれしい。子供をベビーシッターに預けてクラシック音楽を楽しむというカナダ人の夫婦もけっこういるようだ。クラシックといってもそんなに緊張せずに、ちょっとおしゃれして気軽に出かけられる雰囲気がいい。特に大きなホールでは、コンサートやバレエの休憩時間にはロビーでお酒などの飲み物を購入して、談笑する人も多く見受けられる。

モントリオールでは、毎年大ジャズフェスティバル

ジャズはどこの町でも楽しむことができる。何人ものジャズプレーヤーが一堂に会するジャズフェスティバルから、おしゃれなレストランでの生演奏までとジャズに触れる機会は幅広い。毎年6月下旬から7月にかけて開催される、モントリオールジャズフェスティバルには世界中からジャズファンが訪れ、いっそうのにぎわいを見せている。コンサートなどの情報は、地元新聞や街なかのポスター、市町村の広報から得られる。

音楽以外の芸術

手工芸もカナダ人にはとても人気があり、材料も安価で手に入りやすい。街には必ずといっていいほどクラフトショップがあり、驚くほどたくさんの種類の材料や作り方を解説した本などが売られている。特にキルトは根強い人気で、幾何学的な模様のものから、歴史的できごとや家族のイベントをキルトにしたものまでさまざまである。ショッピングモールの中には一般の人が作って持ち込んだ作品を展示し委託販売する店もときどき見られるし、フリーマーケットに出店して自分の作品を販売する人もいる。先住民族である、イヌイットの作品も素朴で大自然を感じるものが多い。彼らの作品の素材は身近にある、木、石、シカの骨など自然のものであり、モチーフもアザラシ、カナダ雁、ワタリガラス、イヌやオオカミ、イヌックシュック（石の塔でイヌイットの調和の象徴）といった自然界にあるものである。